茅ヶ崎公演パンフのインタビュー記事

先日の茅ヶ崎公演の際に配られた茅ヶ崎市楽友協会さん発行の『楽友協会だ!より』No.275に掲載された来日時のインタビューを転載させていただきました。
新しいレコーディング情報が、なんとも、またすさまじい内容のようで・・・。
直リンクはこちら。
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日々是カツァリス2010 10月3日名古屋公演

本日10月3日の名古屋公演をレポートします。

場所は愛知芸術劇場コンサートホール、なかなかの客入りで9割方埋まっていました。このコンサートは名古屋クラシックフェスティバルの一環となっているので、通し券客が多いせいだと思われます。

さて、本日の目玉は、なんといっても、ヤマハの新型フルコンCFX初号機を今回のツアー中唯一持ち込んで弾くということです。もうヤマハにとってカツァリスは、ほとんど唯一の「手放しで絶賛してくれる現役メジャーピアニスト」だと思うのですが、そのカツァリスが弾く新型ピアノ、当然気合入れてヤマハも調整してくるわけで、これは期待せずにはおられません。。。

で、結果から言えば、ピアノはかなりよく調整されていて、なによりカツァリスの要求にかなり敏感に反応できていたようです。一番よくわかったのが、最初の即興演奏でのアルハンブラの思い出での鬼同音連打のときに、完全につっかかることなく思い通りに連打しまくれてて、とてもカツァリスも気持ちよさそうだったとおもいます。まるで、マグネットコーティング後のガンダムを操るアムロのようでございます。

ところが、そのあとの本プロ、コンサート全体の出来はといえば、残念ながら、「神は降臨せず」でして、はっきりいえば、「神もお疲れモード」だったのかな、と。

水曜日のヤマハホールのあと、木曜日は山梨、金曜日はすぐ宮崎でマスタークラス、土曜日は宮崎でコンサートの後、名古屋へ移動、で日曜日の午後はマスタークラスやった後にコンサート。。。

このハードスケジュールにさすがにお疲れだったのでしょう。音は相変わらず、美しいうえ、ピアノも反応よく動くのですが、いかんせんカツァのこれでもかとねじ伏せる技巧がさえない・・・。本プロはミスタッチが目立つわけではないものの、本来であれば、もっと強弱つけたり、こねくり回して味付けしたりするようなところをあっさりしてタメがない・・・。あと、低音の力強さもいまいちだったり・・・。

アンコールのバンジョーでは、音が抜ける抜ける・・・。もうこっちがハラハラしてしまって、あんなの珍しいくらいです。
ただ、これは、ずっと聞いてる私たちだから思うことであって、はじめて聞いたお客さんはそれなりにカツァリスの魅力を楽しめるコンサートだったとは思います。降臨した時のカツァリスはもっとすごいんです・・・。

その他、情報としては、冒頭の即興演奏のパーツに新曲がお目見え。なんとチャイコ悲愴の第一楽章が入ってきました! これは、チャイコの交響曲トランスクリプションをやる布石か?と勝手に期待したりして・・・。

あと聴衆は、通し券客のおじさん、おばさんは、この地味な前半のプログラムには我慢できなかったんでしょうな、前半で帰る人もチラホラいました。この良さがわからないんだったら、しょうがないわな。

さあ、次回は8日金曜日、なんといってもカツァリス2010日本ツアーの最終決戦ア・バオア・クー、ではなく、浜離宮公演です。ちょっとお疲れだったカツァも休みをはさんで体調を戻して、全観客が集中してカツァリスの1音1音に耳を澄ませれば、間違いなく、神は三度目の降臨を果たすでしょう。(ちなみに、一度目は軽井沢、二度目は西宮の後半・・・)
全席完売御礼、信者たちが募る聖地浜離宮へいざ!
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日々是カツァリス2010 10月2日宮崎公演

10月2日(土)の宮崎公演は、宮崎在住の信者Shikiさんにレポートをお願いし、熱いレポートを寄せていただきました。では、どうぞ。

今日は、待ちに待った地元宮崎でのリサイタル!
会場は、『メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)』内の、『アイザックスターンホール』でした。
このホールは、客席が約1800席あるという事で、宮崎県内では恐らく一番大きいホールだと思われます。私は、内心、「そんなに客が観に来るのか!?」という不安がありました。

ホール内に入り、開演を待つ。開演ギリギリで後ろの席を見たところ、昨夜の段階ではチケットが売れていなかったハズの席に、わらわらとお客が!(感動)。
おぉ…!予想を上回ってお客が入っている!!既に、この状態が凄いと言えます。有名な演奏家が宮崎に来ても、安い席は売れるけど、高いS席などは売れ残るのが宮崎の現状なのです。凄いぞ、カツァリス!流石、神!!

今回のリサイタルは、『オール・ショパン・プログラム』で、プログラムが当日発表ということと、県民から弾いてもらいたい曲をリクエスト投票して、その中からカツァリスに弾いてもらう曲を選んでもらうという企画がありました。

プログラムは以下の通り。

第1部
 プレリュード 作品28-15(雨だれ)
 ワルツ 作品34-2
 ワルツ 作品64-2
 ノクターン 変ホ長調 作品9-2
 ノクターン ト短調 作品15-3
 2つのノクターン 作品55
 ノクターン 20番 嬰ハ短調 (遺作)
 4つのマズルカ 作品67
 ポロネーズ 作品26-1
 幻想即興曲 作品66
 子守唄 作品57

第2部
 ピアノ協奏曲 第2番 作品21(オリジナル ピアノ独奏版)

…という訳で、結果的にはプログラムはAプロで、その中に、『ノクターン 20番嬰ハ短調(遺作)』が組み込まれたという具合でした。

さて、開演時間になり、宮崎でも即興曲を弾いている間の入場は可能だというアナウンスが入りました。

そして、カツァリス登場。
場内に大きな拍手が沸きあがりました!
おぉぉ!!良いぞ良いぞ、宮崎!!もっと拍手してカツァリスの感情を盛り上げよう!

カツァリスが「ソッキョウキョク!」と言って、椅子に座ったと思った瞬間、即曲に突入!!
これは前から思っていた事なのですが、他のピアニストなどは、曲を弾く前に集中力
を高める為か、「間」をとって呼吸をしてから弾き始めますが、カツァリスの場合、曲を弾き始めるのが断然早い!!それは、即ち、それだけ曲を弾く事に対して集中力を高める速さが半端ではないということでしょうか。

即興曲が始まりました。最初の曲は、知らない曲だなぁ…。何という曲だろう?。とても綺麗な曲で、右手のメロディが歌っています!!かと思ったら、低音をゴゴゴゴーー!!と唸らせる。そして音が上っていき、再び歌い出す。高音がとても響いて綺麗ですっ!音が輝いています!どこかで聴いたことのあるフレーズが流れ、突然曲が変わった!…おぉぉ!密かに期待していた『アルハンブラの思い出』だ!!ホントにCDと同じだわ!弾いてる!!切ないメロディに浸っていたら…お!曲が変わった!!低音を連打して唸らせる。何という曲だろう…?。おや?また変わったかな…?。あ、また変わったかも…。おぉ!!知ってる曲だ。けど、曲名知らないしっ!!すっごく綺麗な曲です。何という曲だろう?と思っていたら、終了してしまいました。
結局、曲名を知っているのは1曲だけでした。
そして、何曲弾かれたのかは、判断出来ませんでした…。クラシック歴が浅い私には難題デス…(涙)
(管理人注:その他は定番のサムソンとデリラ、タンホイザー、パガニーニラプソディーなんかでした)

即興曲が終わった瞬間、「間」をとらずに速攻で『雨だれ』へ。
今日のカツァリスの『雨だれ』は、シトシトとした雨模様みたいだ。結構、外は荒れてるなぁ…。雨が激しくなってきた様だ。荒れた雨は過ぎ去り、晴れそうな感じ。小雨が優しく降っているみたい。

『ワルツ 作品34-2』は、泣かせるねぇ~。
何処となく優しいけれど、寂しい感じ?。歌いませんか?踊りませんか?と言っている様に聴こえます。しかし、直ぐに悩めるメロディが再び現れ、切なくて心が苦しい感じ。展開部で、曇っていた空が晴れてきたみたいです。かすかな希望が見えるのでしょうか。そして、再び寂しいメロディが…。

『ワルツ 作品64-2』…。どうしてカツァリスは、こう、最初のメロディが暗くて切ない曲を選んでいるのでしょうか?(汗)。このワルツでは、緩急が非常に明確に弾かれていました。カツァリスの右手の指が絶好調に動いています!!左手の内声も際立っていました。こうして生で聴いてみて、今までカツァリスのワルツのCDを聴きこ
んでいましたが、何度聴いても飽きませんね。カツァリスの中でも、これらの曲は、日々成長し、変化し続けるんでしょうね。

『ノクターン 変ホ長調 作品9-2』はい、反則ー!(笑)。この曲を弾かれたら、速攻で泣いてしまいます、私(苦笑)。今日もやっぱり最初のメロディを聴いた途端、感情がこみ上げてきて、涙がツーーーッと流れました。静寂な光景が見えます。

『ノクターン ト短調 作品15-3』ノクターンは、過去、『20番(遺作)』しか弾いた事がないことと、カツァリスの『ノクターン 変ホ長調 作品9-2』を生で聴くまでは、あまり興味が無かったのです。なので、ノクターンは聴き込んでいない曲なので、とても新鮮に聴けました。

『2つのノクターン 作品55』おっ!印象に残っている曲だ!!メロディが綺麗なんですよねぇ。右手を際立たせる為に、左手が凄く綺麗に流れていて、でも、決して邪魔にはならない。あぁ、この曲も、何かに対して問いかける部分がありますね。曲が生きているのでしょうね。そう思わせる弾き方が出来るカツァリス、流石です!!

『ノクターン 20番 嬰ハ短調 (遺作)』おぉ!!弾いてくれないかなぁ~? と期待していた曲です!!やっぱり綺麗だなぁ…うっとり。この曲も、問いかけがあって、応えがある。交互に入れ替わって、それが明確に分かるから凄い。高音を優しくタッチして弾く所がたまらない!心を持っていかれてしまいます。そして、この曲でも右手の指が高速に動いていますっ。流石です!

『4つのマズルカ 作品67』おぉ!最初から華やかな曲です。良いですね~♪。マズルカは、まだ一度もレッスンを受けた事が無いです。マズルカ自体にあまり感心を持っていませんでした。今日聴いてみて、マズルカも良い曲があるなぁ…と思いました。貴婦人がダンスを踊ってクルクルと周っている感じがします。あとは、『カーネギーホール』のアンコールで弾いた曲ですね。この曲は、何というか…説明出来ませんが、好きです。個人的に(笑)

『ポロネーズ 作品26-1』おぉぉぉ!!イキナリ最初から力強くてキレが良いデスヨ!!良い感じで始まりました。ポロネーズは、この曲は弾いた事がある曲で、特に好きな曲で思い入れがあります。聴いていて気がついたのは、ペダルを使わずにスタッカートが鮮明に聴こえた部分がありました。ペダルをあえて使わずに弾く事によって、メロディが際立つのですね。この曲は、ちょっと新たな発見という感じがして、お得感があります(笑)。

『幻想即興曲 作品66』きましたー!有名な曲!!(笑)。スーパー早弾きの幻想即興曲!!生で聴きたかったんですよー。こんなに早く弾く幻想即興曲は聴いたことがありませんっ!!早く弾いて、尚且つメロディを際立たせる!ブラボーッ!!

『子守唄 作品57』あぁ…。高速で走った後に、この曲がやってくると、心がホッとして安心してしまいます。幻想即興曲』のハイスピードの後だから、もの凄く効果が得られますね。良いわぁ~♪。睡眠不足で眠くなったらどうしようかと心配だったのですが、それどころではなく、逆に凝視度が増してました(笑)。

これで、第1部が終了。

最初から一度もお客さんに拍手をさせることなく、休み無しで走り去って行きましたヨ(笑)。そして、お客さんも、フライング拍手をする人がいませんでした!! カツァリスが1曲弾き終わった後に、手を合わせて目を閉じている時などに、「ひょっとして拍手が出るんじゃないか!?」と、ハラハラしていたのですが、無事でした。なかなか優秀じゃないですか!

第2部
『ピアノ協奏曲 第2番 作品21(オリジナル ピアノ独奏版)』この曲は、CDを何回も聴きましたが、全く記憶出来なくて、どうしたものか…と考えていました。しかし、カツァリスが弾き始めた途端、「あっ!」と思ったのです。覚えていないと思っていただけであって、しっかりと覚えていました。そして感じた事は、カツァリスが弾くと、色の変化が明確に分かり、ハッとさせられます。そして、他の方が第2楽章の美しさを上げておられますが、今日、独奏版を聴くまでは、「分からない~!」状態でした(汗)。で、実際に聴いてみて、納得。あんなにCDで聴き込んだのに、カツァリスが1回弾いた方が良く分かるし美しいと思わせるのって…。

~アンコール~
1.ゴットシャルク『バンジョー』鍵盤の状態を右手の指で数箇所連打して確認。そして弾き始めるカツァリス。バンジョーが出たということは、絶好調という印?(笑)。軽快に弾いていくカツァリスの姿を観ていて、楽しそうだなぁ…と。演奏が終わり、そして、お客さん大拍手!!

2.シューマン『トロイメライ』昔の懐かしい思い出を記憶の中から引き出してくれる、とても心に響き、心に囁きかけるメロディと繊細なタッチ。心にグッときました。演奏が終わり、やはり大拍手!!

3.チャイコフスキー『10月。秋の歌』枯葉が舞う中に佇んでいるのは、男性だろうか?女性だろうか?。切なくて、純粋に「秋だなぁ…」としみじみと感じる曲。右手のメロディが歌っていると思ったら、今度は左手が歌いだし、切なさが増します。演奏が終わり、またもや大拍手!!拍手が鳴り止みません!!凄いです!!

4.バッハ『ラルゴ』あぁぁぁ…!!大好きな曲なんですーっ!!まさかこの曲を弾いてくれるとは思っていなかったので、超嬉しいんですけどー!!(叫)。あぁ、良いです!淡々とメロディを刻んでいき、右手は主旋律を奏でていく。そう感じつつ、うっとりしていた次の瞬間、「バンッ!!」……誰だよ!?書類らしき物を落とした
ヤツはっ!!(怒)。曲が終了したと共に、カツァリスがピアノの鍵盤の蓋を閉じる。会場に笑いが起きる(笑)。割れんばかりの大拍手!!拍手が鳴り止みません!!延々と拍手が続きます!!

ホール内がライトアップされ、終了。

今日は、アンコールは4曲でした。
他のリサイタルではアンコールが5曲だったので、期待していたのですが、やはりカットされましたか…。残念!
でも、どうして4曲だったんだろう?カツァリスの調子は絶好調っぽく感じたのですが。スケジュールの関係?うーむ…謎。

全体的に思ったのは、それぞれ、難易度が違う曲ではあるのでしょうが、カツァリスが弾くと、どんな曲でも余裕に弾いているので、誰にでも簡単に弾けてしまいそうだと、つい錯覚に陥りやすいということでしょうか(笑)。曲を譜面通りに弾く事は容易い事であって、それは誰にでも出来る事であるのでしょうが、カツァリスが常に
言っている、同じフレーズが出てきたら、色を変える様にするという事が求められる訳で、今回のリサイタルでは、その重要性を肌で十分に感じとれました。とても楽しいひと時であり、そして勉強になりました。リサイタル終了後、自分の心が軽くなって心地よい状態になっていて、カツァリス・パワーを再確認。やっぱり凄いよ、カ
ツァリス!!
陸の孤島に来てくださって、有難うございました!心から感謝致します。

(報告者:Shiki)
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日々是カツァリス2010 10月1日宮崎マスタークラス

宮崎で行われたマスタークラスの模様を簡単にレポートします。

場所は宮崎市民文化ホールというとこで、ホールというよりはきれいな公民館という感じ。聴講者は80人から100人くらいかな。一見してピアノの先生と思えるような人多数。

そもそもカツァリスファンとしてマスタークラスを聞いて楽しいとすれば、プロとして観客に聞かせるためのいろんな味付けをどのように考えて行うのかというような曲想イメージを種明かししてくれるか、圧倒的な技巧をみせつけて、さすがと思わせてくれるかのどちらかです。後者はプロが学生相手に捕れないような球をノックするようなもんで大人げないですけど(笑)

さて一人目は高校3年生の男の子。なんと英雄ポロネーズ。怖いもの知らずですな、カツァリス相手に英雄ポロネーズとは。。。そういえばNHKのショパンを弾くの放送はちょうどこの生徒さんが生まれたころだったわけで、当然この生徒さんはみたことがないだろうなと考えると感慨深いです。
肝心のレッスンは、やはり予測とおり指使いの練習に大半の時間が割かれ、おまけにカツァリス自身もこの曲をレパートリーにしてるわけではなく完全に消化不良。さらに時間は予定を大幅に伸びてしまい1時間近くも。結果的にこの後の二人の時間が少なくなってしまいかわいそうでした。

二人目はプーランクをこれも大学生らしき男の子。こういう曲をカツァリスに教わるとはやるなーと思ったが、
ちょっとこれもみてる側は消化不良。これは教える側も難しいね。

三人目はショパンのワルツを社会人らしき女性。。それまで退屈そうにしてた中学生くらいが一斉にみやすい場所に移動したので、みなこの曲をみたかったのかね。。。
で、結果もこれが一番みてて面白かったです。技術的な問題をクリアーしたうえでどう曲に表情をつけて行くかということを丁寧に解説。ぼくらカツァリスファンはもうだいたいカツァならどんな風にするか想像がつくので、ニヤリとするとこ多し( ̄▽ ̄)
カツァリスがしつこく言うのは「繰り返しを同じように弾くな」ということで、2回目に同じフレーズを弾く時は自分なりに表情をつけろと。これはカツァリスの演奏を聞いたらよくわかること。生徒さんが繰り返しを省いて弾いた時には「なんで弾かないんだ? 繰り返しは 違うように弾くチャンスなのに」といって、例を示し、内声エグリをやったのはワロタ。素人さんにそれをすすめちゃいかんだろ(笑)
このレッスンはもう少し見てたかったけどだいぶ時間がオーバーしてたので終了。

さていつもマスタークラスをみて思うのは、受講する方も、聴講する方も、カツァリスというピアニストの特徴をどくらい知ったうえで臨んでいるのだろうかということ。知ってればまず曲選びが変わってくるだろうし、みている側の受け止め方にもかなり差が出るはず。単に外国の有名らしいピアニストってな具合でみてるだけだとまったくおもしろくないと思うんだがなあ。
ふと思ったが、今日きてた人、明日のコンサートにまさか来ないなんてことないよな。。。
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日々是カツァリス2010 9月30日山梨公演

急に決まった山梨公演。平日だし、とにかく遠いのですが、シュタイングレーバーを弾くという注目のコンサートだったので、Copin姉さんに行ってもらいました。。。以下レポートをどうぞ。。。

山梨KINGSWELLでのコンサートは予想外の驚きの連続だった。これぞまさしく”サプライズ?”

まずはまだ5月にオープンしたばかりだという建物と小さなガーデン。これがなんとも素敵でちょっとおしゃれな雰囲気なのだ。中にはレストランも併設されており、「前菜、パスタ、コーヒー」で2000円というお手ごろ価格。味も本格的なイタリアンで大満足。あたりを見渡すと正装した上品なセレブっぽいお客様ばかり。「ここは南青山か六本木か?」と目を疑うほど。

そしてホールの中に入ると、そこはヨーロッパの教会のような雰囲気だった。座席数は200。急遽決定したコンサートだというのに満席だった!かなりビックリ!

今日の注目度No.1はなんといっても「カツァリス、シュタイングレーバーを弾く」でしょう。舞台に設置されていたのはC212というモデルでコンサートグランドではなく、もう少し小さいピアノだった。なんとドイツからシュタイングレーバーの社長が聴きにいらしていて、後半の冒頭にはカツァリスとの出会いなどについてのお話もしてくださった。

♪コンサート開始♪
今日はカツァリス自身が曲目紹介をしながら進めていくというサロンコンサート形式。話はシュタイングレーバーとのなれそめ?から。12歳のときカメルーンからパリに引っ越してきたときに両親に買ってもらったベビーグランドがシュタイングレーバーだったそうだ。ピアノについていろいろと語ってくれたのだが、カツァリスも通訳さんも、「スタインウェイ、ベーゼンドルファー」などと思わず違うピアノの名称を言ってしまったりして慌てているところがなんともおかしかった(クスクス)。シュタイングレーバーというのはたしかにちょっと難しい名前だし、ふだんあまり口にすることないですものね。

♪プログラム♪
即興演奏(ワルキューレの騎行、タンホイザーから巡礼の合唱と夕星の歌、愛の夢第3番、アルハンブラの思い出、モーツァルトの魔笛から恋人か女房があればいい、ラフマニノフのピアノコンチェルト第2番)
リスト:灰色の雲
リスト:孤独の中の神の祝福
ワーグナー:黒鳥館に到着して
ワーグナー:イゾルデの愛の死
ショパン:ピアノ協奏曲第2番独奏版

アンコール
シューマン:アルバムの綴りから子守歌 、バッハ:アリオーソ

まずはピアノの感想から書いてみます。新品か新品に近い楽器だったようで、後半は良くなったが、最初のうちは鳴りがいまひとつだった。第一印象としては「楽器内部を鳴らして音を出すというベーゼンドルファーのような響き。マイルドで上品な感じ。ちょっと響きにものたりなさも感じた。」たぶん、理由は小さめのグランドということだけではなく、きっとまだあまり弾きこんでいないピアノなのでしょう。最後にカツァリスが「今日は小さいピアノを弾いていただきますと言われたのだが、いやいや素晴らしいピアノでした。でもコンサートグランド
だったらさらに素晴らしい演奏ができます。」と語っていた。本音はちょっとものたりなかったのかな??

さて、いよいよ演奏に移ります。
1曲目は恒例となった即興演奏。今日はシュタイングレーバーがドイツバイロイトで製作されているということで、バイロイトつながりのワーグナーから始まりリストへ。またまた新曲が!なんと誰もが知っている超名曲「愛の夢」。この曲1度でいいからカツァリスの生演奏で聴いてみたいと思っていたのだが、「こんな名曲、あまのじゃくのカツァリスは絶対弾かないだろうなあ~。」とあきらめていたのだった。が、やってくれました!そしてまたまたラフのPコンも。う~~ん。うっとり感動!!今日はドイツつながりを大切にしたプログラミングということで、前半はワーグナーとリストでまとめられていた。ピアノもだんだん良く鳴るようになってきた。

そして後半は・・・・・・予想どおりショパン:ピアノ協奏曲第2番独奏版だった。ここで今日の困ったちゃん登場!それは「ハエ」。弾いている途中で急に横を向いたのでどうしたのかと思っていたら、「ハエ」と日本語で言って手ではらっていた。気の毒だと思いつつもちょっと笑ってしまった。その後も「ハエ」はピアノの外枠のまわりを歩いたりしていたが、そのうちにどこかへ行ってくれたようだ。一件落着。「ハエ」に悩まされつつもカツァリスは今日もおそろしいくらい集中していた。「再び神降臨」の瞬間を見た!素晴らしい演奏だった。

アンコールは、久しぶりに披露すると紹介した「シューマンのアルバムの綴りから子守歌」。とても深く優しさのこめられた音色で幸せな気持ちにさせてくれた。2曲目はアリオーソ。これまたドイツつながりでバッハファミリーのことを語った後に演奏された。そしてお開きに。

実はこのコンサートに行くことは半ばあきらめていたのだ。というのも、とても不便な場所にあり車じゃないと行けないようなところだったから。しかし、救いの神現る!北京旅行でお世話になった森岡さんが一緒に連れて行ってくださることに(喜)。素晴らしいプログラムを聴けたのは彼女のおかげです。この場を借りて厚くお礼申し上げます!

さてさて身体も財布も疲れたので(笑)私はここで一休みです。 明日の宮崎公演行きはうーさんにおまかせします。 Good Luck!

(報告者:Copin)
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日々是カツァリス2010 9月29日ヤマハホール

絶賛来日公演中のカツァリスですが、水曜日はヤマハホールで室内楽でした。室内楽ならマーブル嬢ということでよろしく!

9月29日(水)、リニューアルされた銀座・ヤマハホールでの、カツァリスと国内若手実力派の弦楽器奏者の皆さんによる、貴重な室内楽の演奏会の為にはるばる上京致しました♪
近年、室内楽大好きなワタクシ、これは絶対に聴き逃せない!!
 
会場のヤマハホールは、333席(覚えやすい!・笑)の、いかにも室内楽・リサイタル向けのホールと言った感じで、昔カツァリスがよく弾きに来ていた、名古屋の電気文化会館ザ・コンサートホールを少し狭めた感じ。
 
名古屋の職場から直行という強行スケジュールで、慌てるあまり道を間違え1曲目のVnの礒絵里子さんとのシューマンのVnソナタは聴けず…(T_T)
モニターを通して聴く限りでは、ピアノが良く鳴っていて、お~、カツァリス気持ち良さそうに弾いてるじゃん、と…。
 
カツァリス・ファンサイトのブログですが、この演奏会に関しては、
まずは何といってもヴィオラの柳瀬省太さんにブラボーを!
 
私が最も楽しみにしていた、ヴィオラとピアノによる、シューマンの「おとぎの絵本」。深くゆったりとしたつややかな音…。最初の一音で、すでに遠征の苦労が報われた様でした。特に終曲でのどこまでもあたたかく穏やかな表情、
そしてそれにカツァリスが左手のメロディをそっと際立たせて、ヴィオラに寄り添っているようで、
もう本当に美しくて切なくて思わず涙が…。
 
後半、メインのショパンのPコン2番(室内楽版)でも、アンサンブルが危うくなりそうな場面においても、
常に中低音を支えるヴィオラが安定しているお陰で、合奏が空中分解してしまうような事態にはならず。
 
ヴィオラっていうのは音域的にも音色的にも本当に鳴りにくく、埋もれやすい音の楽器なんだけれど、他の4名があれだけ弾いている中でも、あの存在感…。
さすが、国内トップクラスのヴィオリストです!
 
シューマンの「幻想小曲集」を弾いたVcの山本裕康さん、初めは少しピアノに遠慮していた様な印象だったけれど、
2曲目、3曲目と進むにつれて(曲も動きのある曲調になってくるし)ピアノとの生き生きした対話になってきましたね。
 
前半のラストは、札響のコンマス・伊藤亮太郎さんによる、シューマンがVnとPf用に編曲した、パガニーニのカプリースから3曲。
デュオに編曲と言っても、ピアノは合いの手程度(笑)。伊藤さんの圧倒的で鮮やかな妙技を楽しみました。
 
全編を通して出ずっぱりだったカツァリス。
ピアニストにとってはかなりしんどいプログラムだった筈なんだけど、終始、それはもう楽しそうに弾いていたのが印象的でした。^^
 
響きも気持ちいいし、ヤマハの新作のコンサートグランドも絶好調だし自分の出すパス(たまにキラーパス!・爆)を柔軟に受け止めてくれて、皆で音楽での対話ができるってのも嬉しいし…って感じで。
 
Pコンでは、逗子のシューマンP五重奏では残念ながらあまり感じられなかった、カツァリス「らしさ」がちゃんと出ていて聴き応えありました☆
 
第2楽章の美しさと言ったら…!
このツアーでソロ版・P五重奏版と聴いてきたけど、その中でも一番の素晴らしさで、ずっと終わってほしくなくて、気づいたらまた涙が…。
 
終楽章はリズムのキレも冴えていて、愉しい合奏でした♪
 
こういう演奏が聴けると、本当に幸せです、カツァリス・ファンとしても、室内楽好きとしても…。
 
さて、アンコール…シューマンか?それともショパンの2楽章再演か?
 
なんとカツァリス一人でステージに戻って、「ソッキョウキョク!」
 
カルメンのハバネラに始まり、聞いた事あるメロディ(苦笑)に続いて、超絶・アルハンブラの想い出、「魔笛」の『恋人か女房が』タンホイザー、そしてシメはパガニーニ・ラプソディ…何か忘れてる気がするけど(笑)
とにかくふんだんの素材でそれはそれは華麗に盛り上げてくれていやはやもう参りました(_ _)
 
カツァリスの、アンサンブル・ピアニストとしての非凡なセンス、そして、いつものヴィルトゥオーゾっぷり、両方を一度に楽しむ事ができた本当に幸せな夜でした。
(報告者:マーブル)

次回は、9月30日の山梨公演です。
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日々是カツァリス2010 9月26日福知山公演

今日も福知山公演が行われました。私は一休みで、Copin姉さんが行ってくれました。

今日のコンサートはいろいろな意味ですごかった!!
まずはいつもの即興だが、今日はまた新曲が演奏された。その中にはなんとラフマニノフピアノコンチェルトが。私はあまりの嬉しさに思わずニンマリしてしまった。その他の新曲としてはモツのピアノコンチェルトやカルメンだったかな?観客も拍手喝采!
し・か・し、拍手をしたあとにプログラムの紙の雑音などがひっきりなしに続く。
そして、ワルツを弾き終わったあとに拍手が入った。カツァリスが兵庫の時のように手をあわせる仕草をしたが、ポロネーズの前にもまた拍手が入ってしまった。手ごわいぞ!今日の聴衆。さすがの神も今日は集中仕切れていないご様子。

前半終了後、休憩中に[プログラムをめくる音などは演奏に差し支えるので控えるように]とアナウンスが流れた。
が、し・か・し、後半が始まっても雑音は続く。携帯も二回鳴った。特に拍手後に雑音が倍増し演奏中も続くのだ。手ごわすぎるぞ、今日のお客さま。私は参りました。降参!
コンチェルト第一楽章を弾き終えた時にも拍手喝采になったのだが、カツァリスもあきらめたのか、立ち上がりお辞儀をしていた(苦笑)

ちなみにピアノは珍しくスタインウェイで、カツァリスの弾き方に合っている楽器のように思ったので、静かな環境で聴きたかったなあと思う。残念でした。
でも、弾き手も聴き手も集中していた今日の即興演奏は今までで一番すごかった!!これを聴けただけでもはるばる福知山まで来た甲斐がありました。
(報告者: Copin )
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カツァリス:ウェブラジオ放送情報(10月21日)

10月21日のお昼から、ウェブラジオでカツァリスのライブが放送されます。
曲はカツァリス十八番のリストハンガリー幻想曲ですが、共演がスタインバーグです。

リスト:ハンガリー幻想曲
ピアノ:カツァリス
ピンカス・スタインバーグ指揮ザールブリュッケン放送交響楽団
(いつのライブかちょっと不明)

10月21日昼12:00からNDR Kulturで放送(現地時間5:00)
MP3の直リン
http://ndr.ic.llnwd.net/stream/ndr_ndrkultur_hi_mp3
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日々是カツァリス2010 9月25日西宮公演

「不思議な雰囲気で神降臨!」

本日は、9月25日(土)西宮の兵庫県立芸術文化センター公演のリポートです。
このホール、カツァリス公演との相性はよく、過去何回も開かれていますが、毎回ほぼ満員で盛り上がります。いつも休日の午後なので、プロムナードコンサート的な雰囲気で、リラックスした中、楽しいコンサートとなるのが通例です。前回公演(2008年)では、アンコールにフランス映画音楽メドレーを弾いて大喝采でした。では、本日はどうだったでしょう。。。

開演前にアナウンス&案内。どうもカツァリスが冒頭に即興演奏を弾くので、遅れてきた人はその間に着席するようにとのこと。これは実は茅ヶ崎でもそれを意図していたようで、カツァリスは今回のプログラム前半を集中して弾きたいために、途中入場者や拍手で中断されるのを嫌がったというのが真相くさい。
カツァリスにしてはそのような注文は珍しいのだが、それだけ集中して弾きたいという意欲の表れなんでしょう。

その即興演奏ですが、今日は実に気合入りまくり。通常は10分で4-5曲のテーマなのだが、今日はほぼ15分くらいかけてこれまででてきた即興フレーズのオンパレード。今日もご機嫌ムード漂ってました。

さていよいよ本プロ。ところが、カツァリスの思いとは裏腹にどうも会場の集中力が増さない。これは仕方ないのかもしれないが、2000名超の満員のホールでピアノ1台で、集まっているお客さんは過去のいつものプロムナードコンサートの気軽なノリ。事実、前回までのカツァリスのコンサートはそんなゆるーい感じだったのだけど。
しかし、カツァリスはいつになく聴衆の集中力・静寂を要求するような弾き方でpppを強調。でもその静寂をやぶぶるような雑音で、なんだか空回り。一曲ごとにガサガサしたり、途中で意図に反して拍手が入ったり。拍手が入った時には、ごめんと客席に手を合わせるカツァリス・・・。よっぽど集中したいのね。。。

決してこの日の観客がマナーが悪かったというわけでなく、ふつうレベルだと思うのですが、実際こういう要求はカツァリスには珍しいんですよ。まあ、私の両隣のババアは、ずっとガサガサちらしをめくったり、ビリビリと音のするビニールの上でアンケート書いたり、うるさかったのは事実ですがね。。。
そんな会場の雰囲気のせいか、いまいち調子に乗りきらない不完全燃焼の前半が終了。

そして、後半。例のショパンコンチェルトソロバージョン。前半と様変わりして、神降臨となりました。

第1楽章から、ぐいぐいと引っ張っていくカツァリスの演奏。観客も自然と集中力を増し、引き込まれる。ここにきてかなり練られてきたこの曲について確信めいたものが彼の中に出てきたのか、北京では慎重だったのに、どんどん攻めの演奏。最後の和音では、手刀切るポーズで気合の音止め。あれは、パフォーマンスだけじゃなくて、心の底から音楽に没頭している結果、思わず出てしまってるのだと思います。

そして、あの美しい第2楽章。観客も身じろぎせず、あふれ出る荘厳な音にくぎ付け。ときおり、ふっと聴衆が息を抜きそうになると、手をひらひらさせながら鍵盤を指さし、注目をあおり、集中を維持。または口に指をあててシーッとしながら、pppの世界へ引きずり込む。。。なんだか単なるパフォーマンスと違って、鬼気迫るカツァリスの没頭具合は、最近見たことがなく、ちょっと怖さも覚えたくらい。この第2楽章は、神公演だった軽井沢を超えた、超名演だったと思います。一番前でみていた Copin姉さんによれば、この2楽章でカツァリスは涙を流しながら弾いていたそうです!

第3楽章、完全にピアノと一体化した神は、ほんとに変幻自在に音色を変化させ、圧倒。とくにオケパートとピアノパートが激しく交差するところで、完全に音色を使い分け、テクニック的に破たんなく、これでもかとスピード加速させたところは、もうヤバすぎです。この瞬間、完全にこの日の後半に「神降臨」したと認定しました。脱帽です。

そして、連日盛り上げているアンコールです。

1曲目、チャイコフスキー秋の歌。いつもの曲なのですが、この日は新しい味付けを加えていて、ワルツ・幻想即興曲のように裏メロ強調など、とうとうアンコールピースでも崩し始めたなあ。

2曲目、おなじみバンジョー。カツァリスのリトマス試験紙、この日の調子よさを十分証明していました。

3曲目、マルチェロ(バッハ編)アダージョ。意外に久しぶりに聞くような気もするが、いい音してます。ちゃっかりとCDアレグロの宣伝を舞台上からアナウンスするカツァリス(笑)

4曲目、シューベルト(リスト編)セレナーデ。文句なし。

5曲目、ちょっと謎なのだが、弾く前に、「 I play something funny 」と言って涙を流すふり。弾き始めた曲は、ショパンソナタ第2番3楽章の葬送行進曲。笑いおこる会場。おそらく、ここから変奏していって、即興になるんかと思ったら、そのまままじめに曲が終わった・・・前回の茅ヶ崎に続いての謎。間違ったわけではなさそうだし、冒頭の言葉の意味も不明。。。
いろいろ考えたのだが、おそらくカツァリスはこの日あまりに没入していてハイテンションでおかしなことを言っただけなのか、それとも涙を流して弾いていた自分への照れなのか、ちょっとよくわからなかったな。

終わってツイッターを見ると、「楽しかった」とか「笑った」とか「自由できままな演奏で感心した」とか明るくほめてるツイートが多かったですが、私はとてもそんな感想はもてませんでした。あのすさまじいカツァリスの集中力とそれにより強いられた緊張感と、研ぎ澄まされた音の数々を思い出すと、いつものようにカツァリスの余裕綽々なエンターテイナーぶりを発揮されたなあという感想ではなく、求道者カツァリスの側面を見た気がして、単純に「楽しかった」とは思えませんでした。25年間ずっとカツァリスを聞き続けている中で、このような感覚は久しぶりです。

この日だけではなく、今回のツアーでのカツァリスの集中力とコンディションの良さは近来になく素晴らしいものです。あれだけ、ショパンイヤーにショパンを弾くのを嫌がっていた彼がここまでの演奏を繰り広げてくれるのはうれし限りですが、逆に言えば、今後これだけの気合でショパンを弾くことなど2度と無いのではないかと思われます。今回のツアーはのちに考えても「伝説」になるのではないかとさえ思います。これだけいい演奏をし続けてもまだ「底」をみせずに進化しそうで、ツアーのハイライトである浜離宮公演にはどうなるんだろうとますます期待大きくなります。

さて、追っかけレポト、次回は明日日曜日の福知山公演です。

引き続き告知します。
↓↓↓

オフ会を開催いたします。
会の趣旨としては、カツァリスが好きな人なら誰でも気軽に参加していただけるものです。

「カツァリスを囲む会2010」

日時:10月16日(土)13:30-16:30

場所:東京・赤坂見附駅近辺(参加が決まった方にのみお知らせします)

参加費:5,000円(予定)事前振込
    ワンドリンク、軽食、デザートつき
内容:
 ・カツァリスからの近況報告
 ・カツァリスと自由に懇談、サイン、写真
 ・参加者同士の懇親
 ・希望者のみカツァリスと連弾
    (希望の方は、5分以内の曲を楽譜持参でご用意ください。希望者が
多い場合は抽選にさせていただきます)

申し込み方法など、詳しくはこちら。


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日々是カツァリス2010 9月23日茅ヶ崎公演

「これぞ、カツァリスの真骨頂!」

本日のおっかけレポートは、9月23日の茅ヶ崎公演です。

この茅ヶ崎公演、関東圏で唯一の休日開催で、また今回の来日公演でショパンのソナタ3番を弾く唯一の日でもあるため、コアな信者層から、You Tube の動画をみて興味をもったライト層まで幅広く集まってきた感もあり、そのような人たちにどのような演奏で答えるかが興味あるところでした。
ちょっと心配だったのは、そのメイン曲であるソナタ3番は、最近弾いていないため、仕上がり具合がどうかというところです。

ところが、その心配が的中。いきなりの当日プログラム変更で、ソナタ3番が3・4楽章のみとなり、代わりに、マズルカ、ノクターン嬰ハ短調遺作、ソナタ2番の第3楽章葬送行進曲が追加と、また変なプログラムに。このソナタ3番の3・4楽章のみというパターンは今年の5月のソウルで経験済みなのですが、はっきりいってソウルではよくありませんでした。
いきなり、凡演フラッグが立ってしまったか?という中でスタート。

登場したカツァリスは日本語で「ソッキョ キョク」と、即興演奏で本日はスタート。軽井沢ではアンコールに持ってきた即興演奏だったが、今日は冒頭で。
本日の材料は、「サムソンとデリラ」「アルハンブラ」「タンホイザー」「パガニーニラプソディ」の4品目。(会場出口の説明のボードには、ハンガリー舞曲とかいてあったが、それは軽井沢でのこと)
後半のタンホイザー、パガニーニラプソディはいつもの定食メニューだが、アルハンブラにはびっくらこいたな。あのCDピアノラリティーズで度肝を抜いた同音鬼連打炸裂! あれほんとに弾けるモンなんだ・・・。即興演奏はどうも毎日材料を変えてくれそうで、これは追っかけとしては、一つ楽しみが増えますな。

さて、本プロのショパン。前半は予定されていた曲から変更無しで、淡々とすすむ。まず、印象としては、ちょっとピアノの鳴りが悪いかなと。ただ、どうもピアノが悪いというよりはホールの響きがデッドだった影響のほうが大きいかもしれません。
カツァリス自身の調子としては、引き続き好調をキープ。また、定番レパートリーでのいろんな味付けも軽井沢とは変わってる部分もあって、やはりかなり意図的・即興的に変化をつけているのだなと再認識。とくにこの日の子守唄はゆりかご揺らしすぎ(笑)
相変わらずの弱音の美しさは健在で「ああ、やはりいいなあ」と思うことしきりでした。
ただ、カツァリスも少し弾きにくそうにしてる瞬間もあり、これは比較の問題なのですが、あの変幻自在のカツァリスマジックワールドを完璧に作り出してくれた軽井沢公演よりは、若干この日の出来は落ちるかなと思います。これは、ホールの音響のせいが大きく、あの精妙な弱音ピアニズムを実現するには、「本人の調子」「ピアノのコンディション」「ホールの音響」という3要素が完璧でないといけないのです。その点でこの日の茅ヶ崎市民会館はちょっと音響的に不利でした。いや、もちろんこの日の演奏もいい演奏だったですよ。でも逆に言えば、軽井沢が良すぎてあまりにハードルが上がってしまったのも事実ですなあ。

そんなことを考えながらも、後半スタート。この後半こそが、大半の聴衆が楽しみにしてくれていたソナタ3番がどうなるかで今日が成功かどうか決まるであろう重要なところ。まず、さらりとマズルカ。(このマズルカもずいぶん弾きかたが変わってたけど) で、本プロにもってきたカツァリス十八番のノクターン嬰ハ短調遺作。そして久しぶりにソナタ2番から葬送行進曲、この曲順、流れって妙に暗くなるよな・・・。

いよいよソナタ3番。予測されてた通りの4楽章は猛スピードで駆け抜ける超高速バージョン。実はソウルでもこのスピードで驚愕したのだが、ソウルと違ってカツァの調子が悪くはないので、破綻無く終了。(いまだからいうがソウルは悪かったんですよ・・・)
これなら、なんとかこれ目当てでやってきた人たちも満足できる内容だったのではないでしょうか。(しかし3・4楽章だけっちゅうのは、ソナタを聴いたって感じがまったくしない・・・聞いた気がしないという意味では春のポゴレリッチの演奏と同じだが、とても同じ曲とは思えんし・・・)

それなりに盛り上がった本プロ終了後は、アンコール突入、なにか変わった曲をやってくれるのだろうかという期待・・・。

1曲目、ショパンコンチェルト2番ソロバージョン2楽章。これは本当にいいアンコールピースになったね。おそらくノクターン嬰ハ短調遺作を本プロでやったからこちらがアンコールに回ったって感じかな。この曲は何回でも聞きたい。

2曲目、おなじみゴッドシャルクのバンジョー。バンジョーとカツァが言った瞬間、客席から歓声があがったくらい、お待ちかね!なのか。意外に期待してる人多いのね。確かに盛り上がるからな。花火のように終了、喝采。

3曲目、チャイコフスキー四季より秋の歌10月。カツァのチャイコフスキーっつたらこれしかないからなあ。

4曲目、バッハコンチェルトNo.5 BWV1056よりラルゴ。ここのところ、アンコールでバッハといえばシロティ編のプレリュードだったのだが、この日は珍しくラルゴ。伴奏の左手のスタッカートをこれでもかと効かせて、抑制された静寂バッハ。流れ出る音がコロコロと音色を変えて魅了されますた。

5曲目、これが本日のハイライト。シューマン作曲トロイメライ冒頭さくらさくら(笑) 当日聞いてない人はなんのことかさっぱりだと思いますが、冒頭に即興風にさくらさくらのテーマを弾いたあと、トロイメライになり、どうなるんだ?と皆が思っていながらも、そのまま普通にトロイメライが終わったという摩訶不思議な演奏でした。。。これはおそらく、さくらさくらをテーマにして即興的に弾きはじめたものの、続きを忘れたか、面倒くさくなったかで、トロイメライに変更、そのまま弾き切ってしまったという、これぞある意味ほんものの「即興演奏」というものだった思います。真相はカツァリスにきいてもごまかされるだけだとおもうので、やめておきましょう。面白かったからいいや。(笑)

で、いろいろあった茅ヶ崎公演も終了。カツァリスは相変わらず、ご機嫌で体調も良いし、好調をキープ。冴えまくっている弱音の魅力も堪能でき、もちろん定番のようなワルツ、幻想即興曲での内声えぐりはこれでもかと健在。アンコールでは、バンジョーで盛り上げ、バッハでしっとり、おまけに最後によくわからない謎トロイメライを平気な顔で弾き切って、まさにやりたい放題。で、冒頭の言葉へ戻ります。

「これぞ、カツァリスの真骨頂!」 

やりたい放題は、まだまだ続きます。次は、25日土曜日に西宮・兵庫県芸術文化センターです。

引き続き告知します。
↓↓↓

オフ会を開催いたします。
会の趣旨としては、カツァリスが好きな人なら誰でも気軽に参加していただけるものです。

「カツァリスを囲む会2010」

日時:10月16日(土)13:30-16:30

場所:東京・赤坂見附駅近辺(参加が決まった方にのみお知らせします)

参加費:5,000円(予定)事前振込
    ワンドリンク、軽食、デザートつき
内容:
 ・カツァリスからの近況報告
 ・カツァリスと自由に懇談、サイン、写真
 ・参加者同士の懇親
 ・希望者のみカツァリスと連弾
    (希望の方は、5分以内の曲を楽譜持参でご用意ください。希望者が
多い場合は抽選にさせていただきます)

申し込み方法など、詳しくはこちら。


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