浜松の感想も書かなくては、とおもいつつ、最近おもしろい動画がアップされているのであらためて紹介します。
まずは、ヴァイオリニスト、ユーディ・メニューヒンの70歳の誕生日イベントみたいなものにゲスト出演して、寸劇を見せてくれる動画。カツラをかぶって、F.リストに扮して、という趣向のようです。
この動画は、ずいぶん昔に、そんなテレビ番組が放送されたという情報だけ聞いたことがあっただけで、実際に目にすることができたのはこれがはじめてです。
メニューヒンの70歳といえば、1986年と考えられますが、この時期、カツァリスはまさに第一次黄金時代の序盤くらいで、新進気鋭の若手ピアニストだったわけですが、メニューヒンとのつながりはイマイチ謎です。
メニューヒンは晩年はニューヨークに住んでいたとのことですが、カツァリスのニューヨークデビューは1986年4月29日です。
メニューヒンの70歳の誕生日は、1986年4月22日ですから、このときに何か接点があったのかもしれません。
で、この動画ですが、寸劇部分は置いておいて、演奏部分は、なんと当時メインプログラムにしていて、NYデビューでも絶賛だった英雄交響曲(リスト編)の第一楽章を颯爽と弾いてくれます。
実は、今でもカツァリスといえば、ベートーヴェン交響曲ピアノ編曲版が代名詞なのですが、現存する動画はほとんどなく、田園と英雄の終楽章がドイツのTV曲に収録されているものがあるだけです。(もともと実演で弾いたことがある曲もこの2曲だけですが)しかし、この2曲は音はレコード(CD)音源をかぶせており、本当に」は弾いていません。つまり歌でいうなら口パク状態。そのため、この動画は唯一の生演奏でのエロイカということになります!
もう1曲は、これも機会があれば弾く、彼の自作(?)ハッピーバースデー変奏曲。テーマに合わせて、いろんな作曲家の風味でアレンジしていって転がる曲です。この曲は1993年に日本で発売された彼の楽譜集「吟遊詩人と姫君」の中に収録されました。この楽譜集、とっくに日本では絶版ですが、探せば簡単にインターネットに落ちてますので気になる方は探してみてください。
続いては、これもまた驚きの動画で、1979年のフランスのTV番組らしく、その他詳細はわからないのですが、司会者らしきオバサンのリクエストに応じて、カツァリスがスタジオで曲を弾くというようなもの。
驚いたのが弾いている曲。まず一曲目になんとショパンの革命エチュード。革命エチュードといえば、もともとエチュード嫌いなうえに、どんなにリクエストされてもコンサートで弾こうとしなかったものです。ようやくちょっと前にPIANO21からリリースしたショパンライブ集にスタジオ収録したものが入りましたが、まさかTVで弾いたことがあるとは!
1979年当時といえば、まだEMI時代でショパンのバラード・スケルツォ集もワルツ集もリリースされておらず、これといった色もついていないような時代、TV曲の求めに応じて弾いたのでしょうか。
そのあとは、ラプソディ・イン・ブルーやフランス国家を即興風で弾いたり、十八番のシューベルトリストのアヴェ・マリアを弾いたりと、いまのカツァリスと変わらないのですが・・・。
他には、動画ではありませんが、CDでリリースされていない音源を2つ。
シューベルトリストの歌曲ですが、最近は、主にアヴェマリアとセレナードしか弾きませんが、昔はこの鱒をメインプロの最後に弾くのがシューベルトプロの定番でした。
それから、これも昔はレパートリーに入っていたのにめったに弾かないファリャの火祭りの踊り。
まだまだ知らない動画、音源が世界のどこかに眠っているのでしょうか。。。
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