アーカイブ: 2009年4月

新譜情報:1970年チャイコフスキーコンクールライブ

今週のオーストラリア公演の模様は聞けましたでしょうか。音質はまあまあでしたが、演奏はいまいちでしたかね。もう弾き飽きたようなレパートリーだからか、弾き飛ばしクセが出てたような・・・。

さて、久しぶりに、PIANO21からの新譜情報です。
前々から話はでていた、1970年のチャイコフスキーコンクールライブです。
これは、カツァリス19才のときに出場し、ディプロマ(特別賞?)を受けたものですが、残念ながら入賞は果たしていません。世は冷戦時代の真っ只中、西側のピアニストがモスクワに乗り込んでいくことの意味もいまとはまったく違うようだったらしい。このコンクールでの裏話は、昨年来日時に本人から聞きましたが、今回のCDの解説に自分で書いているそうなので、お楽しみに。

P21029-A.gif

さて曲目は結構彼のレパートリーとしては珍しいものぞろいです。
まずは第一次予選から。
ショパンエチュードOp25-10
リスト超絶技巧練習曲第5番変ロ長調「鬼火」
ラフマニノフ練習曲「音の絵」Op.39~第1曲ハ短調
チャイコフスキー四季より秋の歌
バッハ前奏曲とフーガ第4番嬰ハ短調BWV.849
ハイドンソナタNo.48
で、第二次予選。
ショスタコーヴィチ前奏曲とフーガ第24番ニ短調Op.87-24
チャイコフスキードゥムカハ短調Op.59
ヤーン・ラーツ トッカータ(エストニアの作曲家によるコンクールオリジナル作品)

ちなみにこのときのチャイコンの入賞者は、以下の通りです。
第1位 ウラジミール・クライネフ(ソ連)、ジョン・リル(イギリス)
第2位 オラシオ・グティエレス(アメリカ)
第3位 アルトゥール・モレイラ=リマ(ブラジル)、ヴィクトリア・ポストニコワ(ソ連)
第4位 アルカージー・セヴィードフ(ソ連)
第5位 ジェイムズ・トッコ(アメリカ)
ウラディミール・クライネフは日本でもおなじみのバリバリのロシア系直系ピアニスト。ちなみにこのクライネフの奥さんはフィギアスケートのコーチで、現在の浅田舞嬢のコーチです。ジョンリルも一応生き残ってるか。。。ポストニコワは、あのゴリゴリの指揮者ロジェストヴェンスキーの奥さん。ジェイムストッコは、この2年後の例の物議を醸したエリザベートコンクールでもカツァリスの1つ上の8位入賞のやつです。目の上のタンコブだったのか。
さらに余談ですが、この年のピアノ部門はさほどですが、他の部門の入賞者はすごいです。
ヴァイオリンの優勝者はあのギドンクレーメル、2位はスピヴァコフと藤川真弓、女声はエレーナ・オブラスツォワ、男声はエフゲニー・ネステレンコと錚々たるメンバー。
しかし、このメンバーを見るとカツァリスって、もうめっちゃベテランなんやなあ、と・・・。

肝心な発売予定は、いつものように日本では未定のようです。突然入ってくるか、がまんできずに海外に頼むか、悩みどころです・・・。
我慢できない方はこちらのFNACか、こちらのALAPAGEへ。送料込みで4500円くらいかかるでしょうが・・・。
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イタリアでのコンサート映像とオーストラリアでのコンサート放送

珍しく、連日の更新です。

先月のイタリアので公演の模様が例のごとく YOU TUBEにアップされています。
しかし、それぞれ全曲ではないし、音と映像がズレズレなので、厳しい映像です。

シューベルトソナタD960 第1楽章から

ショパン幻想即興曲

ゴットシャルクバンジョー

それから、珍しく、インターネットのストリーミング放送でカツァのコンサートが流れます。
昨年の日本公演の後に行ったオーストラリアでの2008年11月14日Queensland Conservatorium Theatreでのライブです。プログラムは珍しくありませんが、このときは調子が良かったそうですので楽しみです。このABCという放送局は以前からちょくちょくカツァの放送を流していたので、ずっとチェックしていた甲斐がありました。
放送日:4月8日日本時間12:05-
オーストラリアABCストリーミング放送 (番組表はこちら
MP3 128での直リンクはこちら 

Mozart Fantasy in C minor, K396 7’16
Mozart Fantasy in D minor K397 5’05
Haydn Piano Sonata No 48 in C, Hob.XVI:35 17’00
F X Mozart Seven Variations on the Minuet from ‘Don Giovanni’ (Australian première) 8’03
L Mozart arr Cameron Cassation in G (Toy Symphony) (Australian première) 8’45
Liszt arr Katsaris Csardas obsine 3’12
Liszt Harmonies poétiques et religieuses, S173: Benediction du Dieu dans la solitude 13’06
Chopin Waltz No 7 in C sharp minor, Op 64 No 2 3’03
Chopin Nocturne No 2 in E flat, Op 9 No 2 3’50
Chopin Fantasy-Impromptu in C sharp minor, Op 66 8’22
Chopin Berceuse in D flat, Op 57 3’05
Marcello arr Bach (BWV974) Oboe Concerto in D minor: Adagio 4’25
Gottschalk Le Banjo (American Sketch), Op 15 3’42
Chopin Nocturne No 20 in C sharp minor, Op posth 3’53

100%確実ではありませんが、当日中ならば On-Demandで聞くことも出来るようです。
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2009年来日公演プログラムへのカツァリスのメッセージ

びっくりの「ヒュッテンブレナー・プロ」ですが、カツァリスのメッセージをいただきました。

私は2009年10月の日本のツアーのためのプログラムを想像しながら音楽的なリサーチをしました。
そして前回の日本ツアーで皆さんから多くリクエストをいただいた(日本での通称)ベト7を演奏することを考えてプログラムを考えました。
ベートーヴェンの交響曲第7番の第2楽章のようなとても有名な曲とその関連する曲から成り立つとても素晴らしいプログラムです。
タイトルは「ウィーンのコネクション」か「ウィーンの友情」がいいと思います。
ベートーヴェンは1797-1798の間に 「悲愴」を完成させました。そして、そのベートーヴェンが
亡くなる1週間前にたった1度だけ会うことができたシューベルトは1797年に生まれました。
アンセルメ・ヒュッテンブレンナーはベートーヴェンとシューベルトの両方の友人で、彼は二人の死を見守り
二人のための追悼曲を作りました。
ヒュッテンブレンナーの主題はシューベルトによって13の変奏曲にされ、その主題はヒュッテンブレンナーの弦楽四重奏曲第1番作品3の第3楽章でした。
驚くべきことは、このヒュッテンブレンナーの主題は ベト7の第2楽章を思い出させる曲なのです。
ヒュッテンブレンナーはその作品の中で最も興味深い作品としてシューベルトの最も有名な歌曲「魔王」をワルツに書き上げました。その6つの変奏曲はまさにシューベルトを思わせるものです。
最後にシューベルトは「未完成」のオリジナル譜面をヒュッテンブレンナーに託したのでした。
ヒュッテンブレンナーは1965年12月にウィーンで初演を行うために ヨハン・ヘルベックにこのオリジナル楽譜を渡したのです。
同時にヒュッテンブレンナーは「未完成」をピアノデュオにアレンジをしています。
私は今回のプログラムにこのデュオの曲をソロで演奏するようにアレンジしたものをくわえました。
すべてを暗譜できるかというと 少し難しいこともあるのではあるが、ベト7もどの編曲を演奏しようかと考えているところです。

ということで、未完成はどうもカツァリスの改編のようですね。。ベト7はリスト編曲でないものを弾こうとしているようですが、これはカツァリスが昨年言ってた事ですが、どうも彼はリスト編曲をいま弾くのはテルデックに気兼ねするらしいのです。そんなことはどうでもいいと思うのですが、これをPIANO21で発売しようとすると申し訳ないと思うようです。で、結局去年話したときもその問題は解決していないので、やはり本当に弾くのかどうか不安です。。
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