カテゴリー: CD情報

更新記録:ディスコグラフィーに「モーツァルト初期ピアノ協奏曲オリジナル作品集」を追加

ディスコグラフィーのPIANO21ページに、2020年6月から配信限定販売となっている「Original Works Used for Mozart’s Concertos」を追加しました。
モーツァルトのピアノ協奏曲は第1番K37から第4番K41と3つのピアノ協奏曲K107は同時代の作曲家の編曲を組み合わせたものとされており、これがその元ネタとなっているオリジナル作品だけを集めたアルバム。
サイト直リンク先はこちら。
絶賛配信中のピアノ協奏曲全集は来月全部配信が終わってからまとめて掲載します。

カツァリス:モーツァルトピアノ協奏曲全曲シリーズをダウンロード販売実施中

私も今ころ気づいてびっくりしましたが、CDではVolume7までの発売で止まっていたモーツァルトピアノ協奏曲の全曲シリーズですが、アマゾンやアップルストアなどでダウンロード販売が今年7月ころから順次開始されており、11月くらいまでに全曲配信完了されそうです。
ややこしいのは、CDではVolume1-7でランダム発売してきたものをいったん無かったことにして、あらためてVolume1からシリーズを開始しており、今回はおおよそ1番から順番に配信開始しているため、なにが何だかわかりませんでした。また現在ちょうど配信もVolume7までの発売なので従来のCDの配信だと思うので、普通は気づきません。今回Volume8の発売予定が目に入ったので「!!!???」となって気づき、調べた結果が下記のとおりです。本当に勘弁してほしいです。

現在までのCDでの発売状況
Vol.1 : 13番(K415) / 22番(K482)
Vol.2 : 23番(K488) / 17番(K453)
Vol.3 : 24番(K491) / 18番(K456)
Vol.4 : 21番(K467) / 16番(K451)
Vol.5 : 8番(K246) / 14番(K449) / 15番(K450)
Vol.6 : 7番(K242) / 10番(K365)
Vol.7 : 27番(K595) / 5番(K175) / ロンド(K382)
(カデンツァのバージョン違い収録内容は割愛)

ダウンロード販売の状況(青太字のものがCD未発売の曲です)
Vol.1 : 1番(K37) / 2番(K39) / 3番(K40) / 4番(K41) 
Vol.2 : 3つのチェンバロ協奏曲(K107) / 5番(K175) / ロンド(K382)
Vol.3 : 6番(K238) / 8番(K246) / 13番(K415)
Vol.4 : 7番(K242) / 10番(K365)
Vol.5 : 9番(K271) / 11番(K413) / ヴァイオリンとピアノのための協奏曲(Anh.56)
Vol.6 : 12番(K414) / ロンド(K386) / 17番(K453)
Vol.7 : 14番(K449) / 15番(K450) / 16番(K451)
Vol.8 : 18番(K456) / 19番(K459)  Apple Store 9月25日配信開始予定
Vol.9 : 20番(K466) / 21番(K467)  Apple Store 10月16日配信開始予定
Vol.10 : 22番(K482) / 23番(K488)  Apple Store 10月23日配信開始予定
Vol.11 : 24番(K491) / 25番(K503)  Apple Store 11月13日配信開始予定
Vol.12 : 26番(K537) / 27番(K595) Apple Store 11月20日配信開始予定

Vol.8以降はAppleでは配信予定がでていますがアマゾンはまだです。しかしほぼ同じ時期だろうと思います。

さらにこれに加え、1番ー4番と3つのチェンバロ協奏曲は他人の作品の編曲とされていますが、このオリジナルバージョンを収録したものもダウンロード販売中です。
Original Works Used for Mozart’s Concertos (K. 37, 39, 40, 41 & 107) 当然これもCD未発売。

それから、AppleでもAmazonでも検索が難しいので、「カツァリス」「Katsaris」などでいろいろ試してください。特にVol.4/5/12 はそれではひっかかりませんので、「Various Artists Mozart Piano Concertos」で検索してみてください。

それにしても、なぜこんなややこしいことを人知れずやってるのか腹立たしいですが、商売下手はいつもの通りですし、後期の好きな26番などがでてくるから、まあいいか・・・。

CD発売情報:2019年フズム音楽祭のライブ盤

フズムピアノフェスティバルの公式ライブ盤には、これまでに2015年、2016年(これはDVDも)と2回カツァリスの演奏が収録されていますが、新発売の2019年のライブにもやはり収録されています。この2019年出演時のプログラムは昨年前半集中的にやっていたショパンの弟子&モニューシュコプロでしたが、このCDに収録されているのは、フォンタナのマズルカとショパンの歌曲「枯葉」のペンソン編曲版。このショパンの枯葉は本プロではやってないのでアンコールを収録したものだと思います。
Julian Fontana:Mazurka, Op. 21 No.2
Chopin / Karol A. Penson:Leaves are falling
まだ国内の通販サイトにはでてきませんが、そのうち輸入も開始されると思います。
https://www.danacordbutik.dk/shop/product_info.php?products_id=462

モニューシュコ作品集のカツァリス直筆解説の日本語訳

モニューシュコCDが日本でも先月発売になりましたが、ライナーノートに掲載の解説がカツァリス直筆なので、日本語訳を掲載いたします。

ワルシャワの Staniuszko中央駅を訪れた旅人はこう思うかもしれない。「Moniuszko って誰なのだろう?政治家の英雄?有名な科学者?もしかして音楽家だったのかなあ?」と。

Budapest の Liszt 空港、Salzbourg の Mozart 空港、そしてワルシャワでは Chopin 空港と名づけられたように、その駅もまた偉大な Stanislaw Moniuszko (1819-1972)に敬意を表して名づけられました。ポーランド以外ではほとんど知られていないピアニスト&オルガニストである、この並外れた作曲家は、オペラ、オペレッタ、ミサ曲を中心に360曲以上の歌曲、いくつものピアノ曲や弦楽四重奏曲を遺しました。また、ハーモニー論を書いたということも記載すべきことであります。彼はまた大学教授であり、劇場の支配人でもありました。私は、45年前にMichael Ponti(注)の素晴らしい録音のおかげで初めて Moniuszko のことを知りました。この録音は、Manoir hanté と同様に Moniuszko の最も有名なオペラのひとつである Halka のモチーフをもとにした Tausig のファンタジーで、1945年に Feliks Mendelssohn-Bartholody から下ること4世代の、George H.de Mendelssohn-Bartholdy が立ち上げたVOXレコードから発売されたものでした。そして、私がPiano21から発売したCDに収録しているピアノ用トランスクリプションの数々の著者である素晴らしい音楽家(そして物理学者)である Karol Penson 教授が、最近、Moniuszko について私の関心を引いたのです。その後、Piano Raritiesシリーズの1と3(Piano21から発売済)に、Bernhard Wolff と Michal Marian Biernacki のトランスクリプションである Moniuszko の2つの歌曲「L’étoile」と「O,ma mère(Mia Madre)」を入れることにしました。その少し後に、「ショパンと彼のヨーロッパ音楽祭(ワルシャワ 2013年)」で私が演奏する機会があった時、そのイベントの発起人であり Narodowy Instytut Fryderyka Chopina (Institut Frédéric Chopin / ショパン研究所)の局長補佐であるStanislaw Leszcynski さんから、Moniuszko の音楽のとある企画の実現について、お誘いを受けたのです。

2019年、我々はこの偉大な作曲家の生誕200年を祝うことになりました。それこそが、私が2018年末、2019年8月27日に Moniuszko の音楽を含めたプログラムのリサイタルの依頼を受けた理由なのであります。私は、コンサートの第1部ではショパンの弟子達が作曲した作品を(Karol Mikuli、Thomas Tellefsen、Adolphe Gutmann、Julian Fontana、Carl Filtsch)、そして第2部では Moniuszko の作品を演奏することに決めました。その時、私は身震いさせられるような驚くべきことを知ったのです。なんとMoniuszkoは、私と同じ5月5日生まれだったのです!

私は、直ぐにこの偶然の一致のことを、Moniuszko の作品を収録したCDを発売するというアイデアを持っていた Stanislaw Leszczynski に話しました(今までに Moniuszko のピアノトランスクリプションの作品の録音はひとつも発売されていない)。そして、できる限り我々の誕生日である5月5日にCDを発売すること、また、同じ日にコンサートを開くよう、準備するようにと言ったのでした。私は早速、2月の35回目の日本ツアーの最中に、集中して準備を始めました。Moniuszko の音楽は、私にとって偉大な発見であったということを認めざるを得ませんでした。彼の作品の多様性と偉大さは、世界中の人々に知ってもらう価値があるに違いないと。

彼のピアノのための創造芸術はそれほど多くはないにもかかわらず、各々の小さな作品の価値は驚くべきものがありました:それはまさに宝の山でした。全ての作曲家と同様に、Moniuszko は他の作曲家達(Carl Maria von Weber、Robert Schumann、Mendelssohnなど)から影響を受けました。(Chopin と Moniuszko がすでに出会う機会があったかどうかは確かではありません。)しかしながら、この作曲家は自分のオリジナルなスタイルを発展させました:誰もが知っている歌曲やポーランドの舞曲(マズルカ、ポロネーズ)だけではなく、ウクライナのメランコリックな歌曲(doumka)や、有名な南イタリアの Villanelle(後にカンツオネッタとなった16世紀のナポリでみられた田舎っぽい、皮肉で滑稽な3声のlaique)などを取り入れたのです。興味深いことには、間違いなくエロティズムが薄く色づいた Moniuszko のノクターンは、「巡礼の年第2年への追加、ヴェネツィアとナポリ」のタランテラの寄せ集めの1部分、けだるいナポリのカンツォーネの寄せ集めと比較することができます。

ここで紹介されている作曲家の歌曲とオペラの主題に関するさまざまなトランスクリプションと幻想曲の背景には、Moniuszko 自身が、オペラ「Manoire hanté et Halka」の中の2つのマズルカのこの独特で柔軟なリズムを、オーケストラで演奏するよりもピアノで演奏する方よりたやすくしているのだということを意識して編曲しなおしているのだということを注記しておきます。もし、Moniuszko の作品、とりわけ Cosaque、Doumkas、あるいは Noturne が国際的なコンサートホールでアンコール曲として演奏されていたなら、世界的なステイタスを得て、またこのポーランドの天才の名前を世に出すことに一役買うことになったであろうと、私は確信しています。一方では、200年たった現在に至っても、Moniuszkoが得るべき国際的な名声をまだ獲得していないことは非常に残念であります。しかし他方では、無尽蔵な貴重な音楽作品のおかげで、我々はまだまだ新たな発見をすることができるのです。。。

Cyprien Katsaris

注:Michael Ponti:ドイツ出身のアメリカのピアニストで現在81歳

最新CD発売情報:ショパン協会からモニューシュコのCD発売

今月、モニューシュコプロのライブで話題になりましたが、そのライブに先立ち3月にスタジオ録音していたCDが発売になります。
内容はライブでの曲目、オペラ、歌曲のトランスクリプションが中心になりそう。
いまのとこ、発売情報はショパン協会の通販でしか見当たりません。
CDは1枚15ユーロなのですが、送料が25ユーロと高いのですが、やむを得ずオーダー済み。。。
https://sklep.nifc.pl/?produkt=2_153&&&jezyk=pol

カツァリスの全CDの中でレコ芸特選盤に選ばれたのはどれか?

《超難問クイズ》
カツァリスは、いままでCDを約90枚弱リリースしていますが、実はそのうちレコ芸特選盤に選ばれたものはたった2枚(!)しかありません。
それはどのCDでしょうか? ツイッターまたはブログコメント欄でどうぞ。
(ズバリの当選者の方には、なにか秘蔵コレクションから差し上げます)

対象のCD
EMI:オーマンディとのリスト
テルデック/RCA/SONY:全CD
PIANO21:下記のみ
レコ芸の月評は原則として国内盤のみを対象としており、PIANO21は3分の2が輸入盤扱いで月評対象になっていません。
月評に載ったのは日本語解説をつけてリリースされた以下のCDのみです。
・モーツァルトピアノ協奏曲シリーズVol.1/2
・アーカイブシリーズVol.6 ベートーヴェン(協奏曲3番など)
・カーカイブシリーズVol.15 シューマン(パピヨンなど)
・バッハリサイタル Vol.2 トランスクリプション
・モーツァルトトランスクリプション
・モーツァルトファミリー
・アーカイブシリーズVol.1 ロシアンミュージック(ラフマニノフ、チャイコ協奏曲)
・旅のアルバム ヨーロッパ
・ウィーン・コネクション
・ショパンピアノ協奏曲第2番
・カツァリスプレイズリスト Vol.1
・ピアノレアリティーズ Vol.3 トランスクリプション
・ベートーヴェンピアノ協奏曲第5番皇帝
・親和力
・広瀬悦子とのチャイコ、火の鳥

なお、レコ芸の月評は、評論家2名ともが「推薦」マークをつけたものが「特選盤」となるシステムです。
正解は5月中にArticleコーナーのレコ芸月評一覧を更新して発表する予定です。

PIANO21情報:テオドラキスCDの解説文

2017年11月に発売されました、カツァリスの地元の大先輩、ミキス・テオドラキスに捧げるCDですが、中の解説をカツァリスが自分で書いていますので、紹介します。


CDの曲目:
カツァリス:テオドラキスの『その男ゾルバ』による大幻想曲~ギリシャ狂詩曲(世界初録音)
カツァリス:テオドラキスの歌曲による自発的な即興曲(世界初録音)
テオドラキス:11の前奏曲 AST.44より第7番「Andante semplice」
テオドラキス:12のメロス AST.541より第5番
テオドラキス:ピアノのための小組曲 AST.90

 
私が最初にギリシャの偉大な作曲家ミキス・テオドラキスに会ったのは、1978年3月1日にパリのサル・プレイユで開かれた1974年の戦争の難民犠牲者のためのチャリティーコンサートでした。
私はこのコンサートで自作の「キプロスのラプソディ」を初めて演奏しました。(注:このときの演奏はアンコール集CDに収録されている)

また、80年代の初めに、私はRTL交響楽団と2枚組のCDをレコーディングしました。テオドラキスのピアノ協奏曲第7番、組曲第7番、交響曲第2番「地球の歌」で、テオドラキス本人が指揮をしました。(注:これはPIANO21から発売済み) 私たちはこのプログラムをベルギやルクセンブルクのエテルナハ国際音楽祭でも演奏しました。

そして、ここ数年私は、映画ソルバのサウンドトラックをベースにした12分くらいのピアノ作品をリストが有名なハンガリー狂詩曲でやったようなスタイルで作曲しようかと考え始めてました。
 
1990年代に私はテオドラキスから彼のゾルバの楽譜を受け取りました。それはイタリアのヴェロ-ナ音楽祭から委嘱されたもので、彼がパリのアパートで8カ月かけて作った手書きの追加の音楽も含まれていました。
 
私はそれをじっくり読み込み、自分の最初のアイデアを膨らませることができる音楽性に感銘しました。しかし、私はコンサートやレコーディングが忙しく、2005年から2007年1月17日にフロリダで完成するまで、ときどきなんとか合間をみつけて、結局数年かかりました。
 
この曲は53分もの大曲でギリシャの人々に捧げます。しかし、とにかく練習、演奏するのには難曲です。私は常に楽譜を広げ、離れることができませんでした。難しいだけではなく、私は常にコンサートとレコーディングに追われているのです。
 
この状況に、とにかく早くこの新曲を聴きたいテオドラキス氏はイライラしてきました。
 
2012年2月、アテネでのコンサートでテオドラキス氏の前で彼のピアノ協奏曲を演奏したあと、私はゾルバの抜粋を即興演奏し、ステージから聴衆の前で彼にこう呼び掛けました。
「あなたが立腹されているのは分かってます。私はこれを練習し、レコーディングする時間がなかったのです。しかし、とうとう私はあなたにこの52ページの楽譜を捧げます」

2017年の春、このプロジェクトをなんとかやり終えました。これに加え私はいくつかの有名な彼の歌曲を主題にした15分の即興曲も録音しました。さらに、彼の音楽的才能の多面性を示すオリジナルのピアノ曲も数曲加えました。

私は、このレコーディングプロジェクトを完全なギリシャ人によるものにしたかったのです。作曲家、ピアニスト、すばらしいレコーディングエンジニア、そして写真家、すべてギリシャ人です!

Cyprien Katsaris                            

注:ちなみにこれがこのゾルバ曲の自筆譜!!! なんじゃこりゃ!!??

 

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