日々是カツァリス2010 10月3日名古屋公演

本日10月3日の名古屋公演をレポートします。

場所は愛知芸術劇場コンサートホール、なかなかの客入りで9割方埋まっていました。このコンサートは名古屋クラシックフェスティバルの一環となっているので、通し券客が多いせいだと思われます。

さて、本日の目玉は、なんといっても、ヤマハの新型フルコンCFX初号機を今回のツアー中唯一持ち込んで弾くということです。もうヤマハにとってカツァリスは、ほとんど唯一の「手放しで絶賛してくれる現役メジャーピアニスト」だと思うのですが、そのカツァリスが弾く新型ピアノ、当然気合入れてヤマハも調整してくるわけで、これは期待せずにはおられません。。。

で、結果から言えば、ピアノはかなりよく調整されていて、なによりカツァリスの要求にかなり敏感に反応できていたようです。一番よくわかったのが、最初の即興演奏でのアルハンブラの思い出での鬼同音連打のときに、完全につっかかることなく思い通りに連打しまくれてて、とてもカツァリスも気持ちよさそうだったとおもいます。まるで、マグネットコーティング後のガンダムを操るアムロのようでございます。

ところが、そのあとの本プロ、コンサート全体の出来はといえば、残念ながら、「神は降臨せず」でして、はっきりいえば、「神もお疲れモード」だったのかな、と。

水曜日のヤマハホールのあと、木曜日は山梨、金曜日はすぐ宮崎でマスタークラス、土曜日は宮崎でコンサートの後、名古屋へ移動、で日曜日の午後はマスタークラスやった後にコンサート。。。

このハードスケジュールにさすがにお疲れだったのでしょう。音は相変わらず、美しいうえ、ピアノも反応よく動くのですが、いかんせんカツァのこれでもかとねじ伏せる技巧がさえない・・・。本プロはミスタッチが目立つわけではないものの、本来であれば、もっと強弱つけたり、こねくり回して味付けしたりするようなところをあっさりしてタメがない・・・。あと、低音の力強さもいまいちだったり・・・。

アンコールのバンジョーでは、音が抜ける抜ける・・・。もうこっちがハラハラしてしまって、あんなの珍しいくらいです。
ただ、これは、ずっと聞いてる私たちだから思うことであって、はじめて聞いたお客さんはそれなりにカツァリスの魅力を楽しめるコンサートだったとは思います。降臨した時のカツァリスはもっとすごいんです・・・。

その他、情報としては、冒頭の即興演奏のパーツに新曲がお目見え。なんとチャイコ悲愴の第一楽章が入ってきました! これは、チャイコの交響曲トランスクリプションをやる布石か?と勝手に期待したりして・・・。

あと聴衆は、通し券客のおじさん、おばさんは、この地味な前半のプログラムには我慢できなかったんでしょうな、前半で帰る人もチラホラいました。この良さがわからないんだったら、しょうがないわな。

さあ、次回は8日金曜日、なんといってもカツァリス2010日本ツアーの最終決戦ア・バオア・クー、ではなく、浜離宮公演です。ちょっとお疲れだったカツァも休みをはさんで体調を戻して、全観客が集中してカツァリスの1音1音に耳を澄ませれば、間違いなく、神は三度目の降臨を果たすでしょう。(ちなみに、一度目は軽井沢、二度目は西宮の後半・・・)
全席完売御礼、信者たちが募る聖地浜離宮へいざ!

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