6月15日パリリサイタルの批評

先日6月15日にパリで70歳記念リサイタルが行われましたが、その批評がwebマガジンみたいなものに載っていたので日本語訳して紹介します。
元記事はこちら。
いまさらですが、去年の5月5日の満70歳の誕生日に予定されていたコンサートの延期分なので、70歳記念といってももう71歳も過ぎているのですがね・・・。

「素晴らしいCyprien Katsaris」

去る6月15日、パリのサル・ガヴォーホールにてシプリアン・カツァリスは自身の70歳を祝いました。それはまたおおよそ50年間のステージキャリアを祝うものでもありました。舞台上はまるで彼の家のような雰囲気で、観客は演奏が始まる前から熱狂していて、カツァリスはうれしそうに観客に語りかけました。彼の最初の挨拶は真面目な感じで、ウクライナ人達そしてどの戦争もそうであるようにこの馬鹿げた戦争の被害者たちの苦しみや、アートの世界でありうるであろう全てのボイコットに激しく抗議するものでありました。
音楽愛好家にとって、シプリアン・カツァリスは現存している伝説のピアニストのひとりであります。伝説のアーティストというものは、だいたいセレブの世界、オーケストラ、指揮者、室内楽のパートナーというようなところからキャリアを始めるものです。しかし、カツァリスは作品の多様な真実や豊かさによって自由に演奏でき、自由な道を進むことができるリサイタルという形を好みます。シプリアン・カツァリスにあっては、作品を継承する演奏家という自惚れはありません。その姿勢は穏やかで庶民的であり、さまざまな異なる演奏を聴かせてくれる、音楽の探検家のようです。このようなことから、彼はバッハ編曲のAntonio VivaldiやAlessandro Marcello、リスト編曲Beethovenのシンフォニーというような作品のトランスクリプションに特に惹かれたのです。トランスクリプションはまた常にピアノのテクニックを見せびらかすきっかけとなっています。穏やかに見えるカツァリスですが、彼にとっては強い欲望からバリエーションに富んだ即興演奏の爆発が起こります。さらに、Franz LisztやSigismund Thalbergの作品を演奏する時には、腕が3本も4本もあるかのような、あるいは何か指に仕掛けがあるのではないかと思わせる目が眩むようなことが起こります。これはまさしくGeorges Chiffraを連想させます。カツァリスのプログラムについてですが、彼は年代順に曲を演奏することを好みます。それは単に幅広い年代の曲を選んでいるかのように思われますが、実はそれだけではなく彼独自の目線で選んだものであり、そのことが最終的にはリサイタルに一貫性をもたらしているということがわかります。

今回のプログラム前半は
Le prélude BWV 921 de Johann Sebastian Bach,
la 48e sonate de Joseph Haydn,
le 2Klavierstück et la sérénade dans la transcription de Liszt,de Franz Schubert,
de Liszt la Czardas obstiné, arrangée par le pianiste,
quelques pièces de Chopin : valse opus 64 no 2, fantaisie-impromptu  opus 66, polonaise « héroïque »

そして第2部は昨年12月16日に没後100年を迎えたサン=サーンスに捧げられました。曲目はLucien Garban編の動物の謝肉祭のトランスクリプションにカツァリス自身が手を加えたもの、そして1908年Andre Calmettes演出による18分間ギーズ公の暗殺の映画の上演、この映画のために作曲を依頼されたのはサン=サーンスであり、これが世界初の映画音楽となったのです。

カツァリスが、他のピアニストが弾く意欲をなくしてしまうほどのヴィルトゥオーゾ・ピアニストであることは一目瞭然です。彼は両腕と1本1本の独立した驚異的な指で、ベヒシュタインを我が物のようにあやつっていました。ピアニストが表現したいと思う音声がそれぞれ均一にコントロールされており、個性的な美音が響き渡っていました。それは時に聴衆にとって驚くべきことでありました。彼はまさしく「ピアノのヒーロー」なのです。

2022年6月ベルリンコンツェルトハウスでのコンサート

先週、ベルリンコンツェルトハウスでコンサートをしたようですが、凱旋公演と記事が出ていました。
https://www.bechstein.com/die-welt-von-bechstein/neuigkeit/die-triumphale-rueckkehr-des-cyprien-katsaris/
なぜかといえば、10年前に脳梗塞になったのがこの場所でのコンサートの最中だったからです。ご存じの通り、大事には至りませんでしたが、その後の復活ぶりをみると確かに「凱旋公演」かもしれません。
当時のブログ記事はこちら

以下記事の訳です。

シプリアン・カツァリスの凱旋公演

シプリアン・カツァリスが、ベルリン・コンツェルトハウスでのリサイタルの最後に脳卒中で倒れてから10年が過ぎた。先週の金曜日、C.ベヒシュタインのピアノリサイタルの冒頭で、そのとき彼を救ってくれたベルリンの医師たちに感謝の言葉を述べた。その後の彼の演奏は、畏敬の念を抱かせるものだった。今回のコンサートは、重要なピアニストの凱旋公演である。

ベルリン・コンツェルトハウスの常連演奏家とは一線を画す、独自の即興演奏で幕を開けたカツアリス。愚かな戦争とレパートリー禁止令に対抗して、ウクライナの作曲家セルゲイ・ボルトキエヴィチとロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフのテーマを即興で演奏したのである。そして、これらのテーマをカンタービレ風にセンスよく組み合わせ、ヴィルトゥオーゾ的なクライマックスを展開し、C.ベヒシュタインのコンサートグランドから、実にスリリングなソノリティを引き出したのだから驚きである。

「このグランドピアノは本当に素晴らしい」と、リハーサルのときからカツァリスは言っていた。そして実際、この楽器は、続くバッハ、ハイドン、シューベルト、リスト、ショパンの作品を、絶大な差別化、音色の美しさ、色彩感、そして広いダイナミックレンジでピアニストに展開させることを可能にした。他の多くのピアニストが平坦に音を鳴らすことを良しとするのに対し、カツァリスはリラックスした奏法で個性的な演奏を聴かせる。

後半のハイライトは、サン=サーンスの無声映画「ギーズ公の暗殺」のための音楽を演奏したことである。コンサートホールが映画館に変身し、舞台脇で陰謀渦巻くドラマチックな展開にふさわしい音楽的雰囲気を作り出した。最後に「動物の謝肉祭」はまさしく絵画的で、3回のアンコールが続いた。

シプリアン・カツァリスは、6月15日(水)にパリのサル・ガヴォーでベヒシュタイン(同じプログラム)と、6月19日(日)にトビリシ(グルジア)のトビリシ・ピアノ・フェストでベートーベンのピアノ協奏曲第3番と、さらに体験する機会がある。

ベルリンでもパリでも「ギーズ公の暗殺」は映像付きで生演奏するみたいですな。

1976年ベルギーでのコンサートポスターの件

以前ツイートもしたのですが、アテネの国立歴史博物館にカツァリスの1976年のコンサートポスターが所蔵されています。
コンサートはベルギーリュージュで行われたもので、なんで???となったのですが、カツァリス本人に教えてあげたら大喜びで詳細を教えてくれました。

ポスターは ↓

1976年11月5日にベルギーのリュージュで行われたコンサートのようです。
1976年といえば、カツァリスが25歳、シフラコンクールで優勝後、EMIに録音を開始した直後くらいの超新人時代。なぜそのコンサートしかもベルギーで行われたコンサートのポスターがアテネの歴史博物館???ということですが、以下カツァリスの解説です。

「こんなものが見つかるなんて、信じられない!!!
1974年、トルコはキプロスに侵攻し、多くのギリシャ人(私の父の家族全員を含む)が、トルコに軍事占領されている北部地域を去らねばなりませんでした。全てを失った避難民も多くいました。
そして、メニューイン、ロストロポーヴィチ、バドゥラ=スコダといった有名な音楽家たちが、キプロスの避難民のためにコンサートを開いてくれました。
このコンサートは、キプロスとの連帯を示して Belgian Committeeによってリエージュ(ベルギー)の王立音楽院で開催され、お金はキプロスの子供たちのために集められました」

ということで、これはギリシャにとっての侵略の歴史資料の一環だったわけですな。。。納得。

なおプログラムは

Schumann: Papillions op 2 ( and maybe Blümenstück)
Brahmas: Rhapsody op 79,2
Schubert: 2 or 3 Klavierstücke
Beethoven: 6 Variations in D Major op 76 (OR Fantasy op 77)
Liszt: Fantasy on «  The Ruins of Athens » of Beethoven ( OR Sonata B minor).

だったそうです。ORというのは記憶があいまいだからでしょう。。。EMIの初期録音とほぼ同じですなー。

日々是カツァリス2022:4月23日兵庫県立芸術文化センター公演

今回、東京と兵庫とわずか2回の来日公演の最後となった兵庫公演ですが、私の前の席に座っていた典型的な関西マダム(つまりオバチャン)がオルガンシンフォニーが終わったあとに隣の人に大きな声で話した一言が今回のツアーの感想に尽きます。

「こら人間ワザやないわなー、アカンでこれは」

関西のオバチャン恐るべし。見事にカツァリスの本質を突いた一言です。特に最後の「アカン」はいわゆる若者用語でいう「ヤバイ」の意味ではなく、「兄ちゃん、その年でなんでこんなムチャなことしてんねや、アカンで」という意味の「アカン」に違いありません。

今回のプログラム、我々は麻痺してしまっていますが、考えてみれば変です。前半のベートーヴェンは葬送行進曲はともかく、スプリングソナタとクロイツェルソナタのピアノトランスクリプション。後半はサンサーンスのトランスクリプション。混じりっけなしのオール編曲ものプロ。かつてのカツァリス本人ですらプログラムはオーソドックスなものとマニアックなものを混ぜるのがポリシーと言っていたにもかかわらず。。。ひとりデュオ、ひとりコンチェルト、ひとりシンフォニーともはやこの辺りでは驚かなくなっていますが、チャキチャキの若手がやるならともかく、70歳超えたお爺さんですよ。。。
70歳こえて知名度あるピアニストなら、まあ、ヨボヨボ歩いてきて、テンポゆったりとシューベルトとかモーツァルトくらいをもったいぶって弾けばそれで十分「大家扱い」してもらえるわけです。それどころか、毎回編曲ものを含む新レパートリーもってきて、目を輝かせながら、あれ弾く、今度これ弾く、やれチャイコの交響曲4-6番も編曲したい、録音したい、時間が足りないと、まったく変わりません。かっつぁんがかつてのホルショフスキーやチッコリーニのようになれる姿が想像できません。

こうなれば我々も腹を括るしかありません。いつまでもムチャにつき合います。心配ですが、仕方ありません。前出のオバチャンなら「いつまでも若いおもたらアカンで、いつまでもムチャしたらアカンで」となるでしょうが、本人がご機嫌でしかも今回のように十分弾けるところをまだ見せてくれるのですから。

簡単に、兵庫公演だけを振り返ると、演奏自体は東京公演のほうが気合入っててガッチリしてたと思いますが、ホールが響かず、特にオルガンシンフォニーの響きを堪能できなかったのが、兵庫では十分ホールに響き渡ったので、その点で兵庫のほうがよかったです。マジでオルガンシンフォニーの第2部のグワン、グワンって弾くところ、オルガンの音がしました! (CDだともっと本当にオルガンに聴こえるけど) 
たぶんもう弾かないでしょうが、あと何回かいいホールで聴いてみたかったですな。
アンコールは4曲で、葛飾と同じでしたが、ラフマニノフの部分がピアノ協奏曲第2番だけでなく、パガニーニラプソディも入っていました。
アンコール
1.コンスタンティニディス「ギリシャの島々の8つの舞曲」から第1曲「シルトス」
2.ボルトキエヴィチ「6つのピアノ組曲 Op.48」から第2番「3/4拍子」、ラフマニノフパガニーニラプソディとピアノ協奏曲第2番の即興曲
3.ショパンワルツOp64-2
4.さくらさくらの主題による即興曲
ラフマニノフ終わりでは禁止されているはずのブラボーが飛び出し、スタンディングオベーション発生。なかなか感動的でした。

その他、終演後に少し話した内容
・ 次回来日公演は未定。でもたぶん来年もあると思う。
・ でも何弾くかまったく未定だしー。(オールショパン?)
・ ネヴィルマリナーと録音したハイドンの協奏曲がまだリリースされていない!(プンスカ)
・ 新しいヤマハのCFXやっぱええでー
・ 私)来日回数34回じゃなくて37回やでー カ)えー、オマエが前教えてたやんか! 私)ちがうちがう! カ)えー、37回やな、わかったわ

ということで、今年のおっかけも終了。来年あるかどうかわかりませんが、皆様お元気で。

日々是カツァリス2022:4月15日東京公演(葛飾)

なんだかんだで2019年12月以来の来日となり、たった2回の公演で東京は平日の葛飾というなかなかハードな初日ですが、とにかく無事に来日となってメデタシメデタシ。
今回のプログラムは前回の予定曲だったベートーヴェンから葬送ソナタの第3楽章と延期公演には予定になかったスプリングソナタ、クロイツェルソナタの編曲ものそれぞれ第1楽章。後半は、サンサーンスで2018,19年にも披露したガルバン編の動物の謝肉祭と交響曲第3番オルガン付きの後半部分というもの。

いつものように、オープニングの即興演奏は公演プログラムには書かれていないものの、バッハでやると事前アナウンスがあった通り、バッハで10分少し。今回はいつものフレーズをパラパラ適当に弾く即興と違って、3曲くらいをがっつり繋いで弾く感じで、このほうがこの後のコンサートの雰囲気を壊さず良かったです。ちなみに自分は冒頭の即興演奏はできればないほうが良い派です。(アンコールにやるなら良いと思う)

前半の葬送ソナタは第3楽章だけですが、かなり久しぶり。たぶん1980年後半以来弾いていないはず。パンフによればコロナと戦争の犠牲者の追悼で1曲目とのこと。拍手を制して次へ。
2-3曲目はCD「ベートーヴェンクロノロジカルオデッセイ」でも出色の出来だった有名ヴァイオリンソナタの「春」「クロイツェル」のトランスクリプションそれぞれ第1楽章のみ。前回2019年のときに「スプリングソナタがいいので弾いて」とお願いしたら「クロイツェルは?」と言われたのですが、両方弾いてくれたことに。でも実際、CDで聴くよりも実演だとクロイツェルのほうが良かったかな。
という前半でしたが、ちょっと座った席のせいか、ホールのデッドな響きのせいか、ピアノの音が響いてこず、カツァリス自身の調子は良さそうなのにちょっとだけ不満な前半でした。

後半のガルバン編の動物の謝肉祭では少し響きが豊かに聞こえはじめ、特に高音低音ではようやくかっつぁんらしく聞こえはじめて安心。謝肉祭は明らかに2019年よりも仕上がり度合いが増していて良かったです。あのハリーポッターのところはもっといいホールだったらもっと美しい音で聞こえただろうに・・・。
そして本日のメイン、オルガン交響曲の楽団ひとりバージョン。CDが昨年末に発売されて聞いた時にも驚愕してホンマにこれ弾くんかな?と思いましたが、見事やってくれました。一時期ちょっと衰え始めてパワー不足が目立ってきたパフォーマンスがかなり復活! とても70歳(来月71歳)とはおもえない気合で無事にこの大曲をコンサート初披露しました!

アンコールは1曲目で「最新のCDから」という本人の宣伝アナウンスwwの後、コンスタンティニディス「ギリシャの島々の8つの舞曲」から第1曲「シルトス」。2曲目は「音楽のボイコットに反対する」と宣言して、「ウクライナとロシアの2人のセルゲイの曲」として、ボルトキエヴィチの「6つのピアノ組曲 Op.48」から第2番「3/4拍子」とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の主要メロディーを。ラフマニノフの後はちょっとかっつぁん、ウルウルしてた。。。

いつもならこの辺で終わるところなのに、久しぶりの来日でサービス。ショパンのお得意のワルツOp.64-2。いつもより裏メロ強調しておきましたバージョンwww。そして最後はさくらさくらのテーマによる即興演奏で、ちょっと短いバージョンのやつ(2011年のN響コンサートのアンコールのやつ)。

というホールの響きを除けば大満足だったのですが、あの荘厳なオルガンシンフォニーをしっかりとしたホールで聴きたいとの思いが強くなり、予定していなかった兵庫公演も参戦することを決意。。。オルガンシンフォニーは本当に71歳が魂削って弾いているような鬼気迫る感じがするので絶対に今回聞き逃すと後悔します。何度でも言います。

「推しは推せるときに推せ」

もう71歳、あと何回日本に来てどれくらいのパフォーマンスができるか分からない。まして、心筋梗塞も脳梗塞もやってその都度奇跡の復活を遂げている人なだけに。ピアニストが老いるパターンはいくつかありますが、かっつぁんは老いても老いたなりのプログラミングや弾き方をするような人ではないので、本当にもうこんな曲をこんなに全開で弾くことはいつまでできるのだろう・・・。

あと、終わってから少し話せたのですが、
・(オイラ)いいプログラムやったでー → (かっつぁん)オルガンシンフォニーは前半の簡単なとこだけ弾きたかったのにー (それじゃ意味ないって!!! いや大変なのは分かるけどw)
・(オイラ)ベートーヴェンの協奏曲第4番弾いたってマジ? → (かっつぁん)キプロスのオケと初めてやったわー。ギリシャの指揮者でウンタラカンタラ(よくわからなかった)
・(かっつぁん)チャイコの交響曲第4、5,6番のトランスクリプションの録音したいけど、忙しくて手がつけられないわー(マジで早く!)
てな感じで、元気で嬉しそうでした。
 
それから、最近ベヒシュタインばかり弾いているかっつぁんですが、今回やはり日本ではヤマハ。しかもCFXの新モデルをこの日も兵庫も弾くということで、スーパー神調律師の曽我さんも帯同。万全の体制です。
兵庫はまだまだチケットがあるみたいですので、是非是非是非。

パパイオアヌーの新録音の配信販売開始?

ギリシャの作曲家、ヤニス・パパイオアヌーのプレリュードがおそらく配信のみで3月25日にリリース予定です。
https://music.apple.com/jp/album/papa%C3%AFoannou-24-pr%C3%A9ludes-pour-piano-constantinidis-8/1611687471

このパパイオアヌーの曲は昨年の生配信コンサートのときに少し弾きましたが、今回全曲を発売するようです。
どうもPIANO21からではなさそうなので、モーツァルトのコンチェルトのようにおそらく配信限定だと思います。
しかし、こんなのよほどのマニア以外に売れるんでしょうか・・・。

↓56:42くらいからプレリュード2曲

DVD映画「ギーズ公の暗殺」のシーン解説&字幕訳

サン・サーンスの新譜CDの付録だった映画「ギーズ公の暗殺」の字幕訳とシーン解説です。字幕だけではよくわからないところもありますが、想像で。
CDの解説にはあらすじも載ってないんですよね。まさか、1908年の無声映画のあらすじを載せても「ネタバレやめろ!」とかネタバレ警察が出てこないですよねw?

DVDチャプター1
序曲

DVDチャプター2

(字幕訳)ノワールムーティエ侯爵夫人宅に滞在中のギーズ公爵は、国王が悪巧みをしているという警告を受ける。
場面説明:夫人とギーズ公がいる部屋に、使いの者が手紙を持ってやって来る。


(字幕訳・手紙)ノワールムーティエ侯爵夫人、ギーズ公を議会に行かせてはなりません。あなたのそばから離さないように。国王は暗殺を企てているのです。
場面説明:夫人はギーズ公を止めようとして手紙を見せる。


(字幕訳・手紙下部)彼がそんなことをするはずはない!
場面説明:ギーズ公が手書きで書き足し、出かけてしまう。ちなみにこの夫人はギーズ公の愛人らしい。

DVDチャプター3

(字幕訳)国王アンリ3世はギーズ公の暗殺の準備をしている。
場面説明:アンリ3世登場。会議室があるブロワ城の隠れ小部屋に自分の護衛「45人隊」を引き込む。暗殺の手順を指示し、隊員にギーズ公を呼びに行かせ、国王は物陰に隠れる。

DVDチャプター4

(字幕訳)議会の部屋
場面説明:ギーズ公が入ってきて議員たちに挨拶をする。雑談しているところに「45人隊」の隊員が入ってくる。


(字幕訳)国王がギーズ公をお呼びです。
場面説明:会議室を出て国王のところへ向かうギーズ公。

DVDチャプター5

(字幕訳)国王の護衛「45人隊」がギーズ公を短刀で刺す。
場面説明:隊員が先ほどの小部屋にギーズ公を連れてくる。国王はこっそり指示を出す。国王を待っているギーズ公だが、隊員たちに短刀で刺され暗殺される。国王が裏から出てくる。


(字幕訳)ギーズ公の死を確認する国王。


(字幕訳)ギーズ公は死んでもなお影響力のある人物だった。(このあたりの意味がよくわかりません)


(ギーズ公の持っていたメモ 訳)フランスで戦争を続けるには、1ヶ月700,000エキュ(当時の通貨単位)かかってしまう。(このあたりも意味がよく分かりません)
場面説明:そのメモを見つけて、ファイルのようなものにしまってしまう国王。そして、死体の処理を命じる。

DVDチャプター6

(字幕訳)護衛「45人隊」の控え室
場面説明:隊員たちがギーズ公の死体を運んできて暖炉で燃やしてしまう。そこへ、お面を被った国王が夫人を連れて入ってくる。お面を外した国王の顔を見て失神する夫人。

終わり。

途中ちょっとよくわからないことがあるのですが、宗教戦争のことではないかと???
この時代のことはこれを読めばわかるかも!
王妃マルゴ -La Reine Margot- 1 (マーガレットコミックスDIGITAL) 萩尾望都

な、な、懐かしすぎる・・・1987年週刊FMの切り抜き

いや、もう、これ見たときに懐かしすぎて声が出ました。

https://www.ebay.com/itm/334324179042?hash=item4dd7462062:g:GjUAAOSwmsliBLRl

1987年の週刊FMの記事なのですが、なぜか切り抜きがe-bay に出品されていて、しかも出品者がアメリカのユタ州という謎www
これは週刊FMの1987年5月くらいなのですが、サントリーホールで英雄をやったときの3回目の来日公演のときのインタビュー記事です。
記事の内容は別にどうということはないのですが、この横についている写真は、若い人は分からないと思いますが、これを切ってカセットテープのケースに入れてオリジナルのカセットケースにするというやつなんです!
まさにこの号のこれをワタシも切り抜いて使ってましたよ!!! 
若い人にはなんのことかさっぱりわからないかもしれないので解説しますと。

週刊FM → 昔はFM雑誌が週刊で4誌出てました。週刊FM、FMレコパル、、FMfun、FMステーション。みんなこの雑誌を買ってアチェックしてましたよ! クラシックの記事は週刊FMが多いので自分も買ってました。ちなみにFM Station買ってるやつはリア充グループだったと思う・・・。
エアチェック → FMをカセットで録音すること!
FM?ラジオ? → むかしはAMがモノラル、FMがステレオでした。ラジオはラジコで聞けるやつな!
カセット? → もうググれ!!!

そんなわけで自分もエアチェック少年で、片っ端からしまくっていた時代、まさしくこの記事をみて喜び勇んで録音しましたよ。
この左側に書いてある「クラシックコンサートNHKFM5月29日の放送予定」というのは、1986年5月30日のベルゲン音楽祭のライブで英雄を弾いた時の放送です。英雄の正規のライブ録音というのは後にも先にもこれだけなので本当に貴重な録音です。自分もこの録音テープはいまでも持ってますが、この写真カバーはなぜかいつの間にか無くなっています。
あまりに懐かしいので落札しようかと思いましたが、ただの切抜きをアメリカから取り寄せて送料で20ドルもかかるのはばかばかしいのでやめますwww

あー、懐かしい。

 

You Tube動画情報:1986年ZDF放送での演奏

You Tube動画を紹介します。これは初出ではありませんが、これまで細切れになってたり、1曲抜けてたり、白黒だったりと何回かアップされてるものの、イマイチ引っ掛かりにくい映像でした。
今回アップされたものは丸ごと1本、カラーバーションということで文句なし保存版です。
この動画は、1986年のドイツの放送局ZDFで放送されたものです。そのときの映像はあまりいい画質で残っておらず、これは2009年10月3日にドイツ国内で再放送されたものの録画です。
1986年といえばカツァリスが英雄のピアノ版を世界中で弾きまくって初来日ソロでも弾いた年で、この番組で弾いている曲もまさしくその当時のレパートリーです。全盛期直前バリバリのかっつぁんが楽しめます。

https://www.youtube.com/watch?v=OkCFkTdwDUw

シューベルト(リスト編曲):鱒
シューベルト(リスト編曲):アヴェマリア
リスト:孤独の中の神の祝福
リスト:眠られぬ夜、問いと答え
リスト:灰色の雲
ベートーヴェン(リスト編曲):交響曲第3番英雄より第4楽章

まさにお宝映像。鱒はもう1980年代にコンサートでは弾かなくなってしまったし、孤独~も最近弾いていない(確か日本で最後に弾いたのは2010年)。
そしてもちろん英雄の演奏は超ド級のお宝映像!といいたいところなのですが、実はこれだけCD音源のかぶせで、口パクならぬ指パク? 
ぱっと見は気づきませんが、音が明らかにこの曲だけ違います。何よりさすがに若い時のかっつぁんでもここまでエロイカ終楽章を実演では完璧に弾けません。。。
ですが、本当にブレイク直前の若かりし頃の貴重映像です。

ストリーミング動画情報&インタビュー:9月12日エネスク音楽祭

9月12日の現地午前中に行われたエネスク音楽祭での名歌手の息子チェリストのマニュエル・フィッシャーディスカウとの共演動画があと数時間下記サイトから見られます。
https://www.festivalenescu.ro/en/events/cyprien-katsaris-manuel-fischer-dieskau/#.YT2XwJAFIHM.twitter

ブラームスのチェロソナタNo.2っていうのがいいですな。
Schumann Adagio and Allegro Op. 70
Enescu Trois mélodies, arr. for cello and piano (Le desert, Le galop, Soupir)
Enescu Allegro in F minor for Cello and Piano
Brahms Cello Sonata No. 2 in F major Op. 99

これに先立ち、下記のサイトでルーマニア語のカツァリスのインタビューが掲載されていますが、CDについて新しい情報がありました。
https://www.romania-muzical.ro/articol/festivalul-george-enescu-2021-interviu-cu-pianistul-i-compozitorul-cyprien-katsaris/3218631/15/2

以下、翻訳抜粋。
「コンサートがすべて中止になったため、新たに録音用のプログラムを用意し、2020年5月から10枚のCDを制作しました。そのうち5枚は私のレーベルであるPiano 21のために、3枚はショパン・インスティテュートのためで1枚はショパンの友人や弟子の作曲家の作品、そして前にお話したモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』のディスク、そしてフランスのレーベルであるMelismaのためのあまり知られていないギリシャの作曲家のCD2枚です。そんなわけで、私はとても忙しい日々を送っています」
全部足しても10枚にならないのですがw

それから、今回のコンサートの相方であるマニュエル・フィッシャーディスカウのインタビューもありましたが、カツァリスについて言及している部分。前に一度共演があったみたいです。
https://www.romania-muzical.ro/articol/festivalul-george-enescu-2021-interviu-cu-violoncelistul-manuel-fischer-dieskau/3218651/15/2?fbclid=IwAR0swovIr4YLPh-8Yn4Mb_mTw5kHVZks5IUhw-1CyQ3OxYFpVzR9Cgn_cxA

「エネスク音楽祭では、ピアニストのシプリアン・カツァリスさんと一緒にお話を伺います。以前にもコラボレーションしたことがあるのではないでしょうか?」
「はい、一度だけですが、数年前にスイスで、彼と一緒に演奏したときは本当に楽しかったです。私は彼の音楽性に魅了されています。彼はまるで19世紀の芸術家のようで、例えばフランツ・リストのようです。 私たちはベルリンの同じエージェンシーと仕事をしていますが、彼とステージで再会できるのは私にとっても嬉しいことです」

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