新譜情報:Hope for an Ideal Ocean

突如として発表された新譜は「Hope for an Ideal Ocean」と題したカツァリスの自作集。
副題に「Inspired by ‘The Outlaw Ocean’ a book by Ian Urbina」とありますが、これはニューヨークタイムズのジャーナリスト、イアン・ウルビナの著書「The Outlaw Ocean(海の無法者)」の内容に触発されたということ。また、この録音は、この本だけではなく音楽などいわゆるマルチメディアでの展開にてこの運動を大きくしようという「The Outlaw Ocean Project」のいわば音楽部門でほかにも数多く録音が配信されており、クラシック畑だとスティーブン・ハフなども参加しているそうです。
この本自体はかなりゴリゴリの硬派なノンフィクションで数々の賞を受賞している問題作らしく、特に近年の中国の乱獲漁業や領有権強奪をやり玉に挙げていてなかなか頼もしい。どこかの北欧の中二病娘と違って気骨あふれる本物のジャーナリストって感じ。ディカプリオが版権を買ってネットフリックスで映像化するらしいのでそうなればもっと話題になるかも。
肝心の曲はといえば、カツァリスの曲はムード音楽仕様で美しく、ちょっと物悲しい。ただ、この本に触発されて書いたという建前ですが、この中の10曲目「Poem of the Ocean」,17曲目「Souvenirs」,18曲目「Tale of the Deep」 の3曲は、2009年の新宿文化センターで弾いたことがある曲なので新曲ではないのはご愛敬。また1曲目の「Appassionato」は2020年1月のルイヴィトンコンサートで弾いています。
おそらく配信のみでCD化はされないと思います。配信は全曲買わなくてもYou Tubeで聞けます(13曲目が途中で欠けてますが)

カツァリスのメッセージ

演奏
1:Appassionato https://www.youtube.com/watch?v=kUNopWtyvN0
2:Dédicace  https://www.youtube.com/watch?v=Xc2OhlQTFyc
3:Endless Ripples  https://www.youtube.com/watch?v=xEhjcjzLQvE
4:Espérance  https://www.youtube.com/watch?v=Fp60pbNyXXM
5:Hope for an Ideal Ocean  https://www.youtube.com/watch?v=tjarh3BeC4M
6:Le Bal du Destin  https://www.youtube.com/watch?v=M3iM3W472Bc
7:Le Tango du Dandy  https://www.youtube.com/watch?v=0uZ7lTJbpAw
8:Méditation   https://www.youtube.com/watch?v=sSyv84n0xtQ
9:Pirates Are Approaching  https://www.youtube.com/watch?v=nlCqgYOjpdc
10:Poem of the Ocean  https://www.youtube.com/watch?v=ZOrjq_q6xCo
11:Réconciliation  https://www.youtube.com/watch?v=mXatdZzDPwc
12:Regrets  https://www.youtube.com/watch?v=cCM_CaPcsXA
13:Rêve Exquis  https://www.youtube.com/watch?v=dDi9d480wUQ (途中切れ)
14:Révélation  https://www.youtube.com/watch?v=TOJzbozX2Yc
15:Sea Sickness   https://www.youtube.com/watch?v=8H7Xhc9AizI
16:Solitude at the Ocean  https://www.youtube.com/watch?v=w7oOQF-R0SQ
17:Souvenirs  https://www.youtube.com/watch?v=OxrVf6ftDkk
18:
Tale of the Deep  https://www.youtube.com/watch?v=YCsZwmzMa6s
19:The Beautiful Waves  https://www.youtube.com/watch?v=qxmK_hbYKvM
20:The Captain Shouts at the Sailors  https://www.youtube.com/watch?v=c-F6-bdiASk
21:The Sailor’s Lament  https://www.youtube.com/watch?v=p-4Dq2BTZvU
22:The Salty Brine  https://www.youtube.com/watch?v=i0dpdMHT-ik
23:The Slave Dreams of Freedom  https://www.youtube.com/watch?v=kKzn0rp3YPk

動画情報:パトリック・デュポンとカツァリス(1985年)

本サイトのこちらのコーナーでも紹介していますが、まだ無料で見れるようですのであらためて紹介します。
カツァリスがお得意の「Happy Birthday to you」のテーマでの即興演奏をし、それにあわせてあのフランスバレエ界の大スター、パトリック・デュポンが踊るというなんとも珍しい動画です。TV番組なのですが、舞台上ではオーケストラが並び、二人の演奏、踊りはスクリーンに映されているというよくわからない状況です。。。

https://www.ina.fr/video/I00018369/patrick-dupond-danse-sur-happy-birthday-to-you-video.html

踊りが演奏にあわせているのか、演奏が踊りにあわせているのか、微妙なとこのようですが、それなりに息もあっていて奇妙さや無理矢理感はありません。
1985年1月4日の放送というので35年前の映像ですが、このサイト、INAというのはフランス政府が肝いりで過去の全TV放送をアーカイブ化して公開するという壮大な計画で、カツァリスも他に有料も含めていくつか動画が公開されています。日本ではTV番組のアーカイブ化を「事後検閲につながる」などと民放連が必死に反対しているのが情けない限り。

動画情報:2016年11月8日瀋陽でのコンサート(親和力プロ)

中国の動画サイトで、2016年11月8日に瀋陽で行われたコンサートの模様がなかなかの映像、音質でアップされているので紹介します。
おそらくカツァリス未公認です。

2016年11月8日 瀋陽音楽学院ホール
アップしている人がファイル名、曲順を間違えてアップしているので訂正しています。

1. カツァリス:即興演奏(https://v.qq.com/x/page/w315607dzx1.html
2. シューベルト:ソナタD.960(https://v.qq.com/x/page/u3156rcsfft.html
3. ジャン=バティスト・ルイエ:クーラント ホ短調(https://v.qq.com/x/page/b3156bvbttv.html
4. ゴドフスキー:ルネッサンス第10番(https://v.qq.com/x/page/c31560olprf.html
5. フォンタナ:マズルカ Op.21-2(https://v.qq.com/x/page/a31562kyogi.html
6. ショパン:マズルカ Op.64-7(https://v.qq.com/x/page/z3156bredm6.html)ファイル名が間違っています
7. カツァリス:ありがとうショパン(https://v.qq.com/x/page/q31566p2pb4.html)曲順が間違っています
8. ヨハン・シュトラウス2世:ウィーン気質より(https://v.qq.com/x/page/d31560qoj2u.html
9. リスト(カツァリス編):ピアノ協奏曲第2番(ソロバージョン)(https://v.qq.com/x/page/x31563auu5w.html
10. マルチェロ(バッハ編):アダージョ(https://v.qq.com/x/page/v3156cy3a76.html)曲順が間違っています。

明らかにカメラ数台(固定だけど)・マイク・曲名タイトル表示などきっちり作成している動画なのに、オフィシャルに上がっていないということはなんらかの理由で許可していないと思われます。
同時期の北京公演の映像でも最初に違うバージョンがアップされてカツァリスが怒っていましたので、これも結局本人が気に入らないのではないかと思います。

カツァリスの2021年はサン=サーンス?

2020年の音楽界は全世界的にベートーヴェンイヤーが不発に終わったわけですが、いまのところ2021年のカツァリスの来日公演もその予定です。(葛飾だけショパン)
しかし、カツァリスとしては2021年はどうもサン=サーンス推しのようです。サン=サーンスは2021年は没後100年となります。
というのも、2021年5月5日カツァリス満70歳の日にパリで誕生日コンサートが予定されていますが、そのプログラムが下記のとおりです。

バッハ:前奏曲(幻想曲) BWV922
モーツァルト:幻想曲 K.396
ブラームス:間奏曲 Op.117-2
シューベルト:ピアノソナタD.960
サン=サーンス(ガルバン編):動物の謝肉祭
サン=サーンス:ギーズ公の暗殺 Op.128

バッハは2000年のオールバッハプロ以来、そのほかはいつものレパートリーですが、後半2曲がサン=サーンス。ガルバン編の謝肉祭は既存レパートリーで、最後の「ギーズ公の暗殺」が新レパートリーです。この曲はよくカツァリスの出すクイズで「世界最初の映画音楽の作曲家はだーれだ?」というものの答えとなる曲です。1908年に作られた世界初の映画音楽のオリジナルスコアとして(しか)有名でない曲をサン=サーンスのアニバーサリーイヤーかつ自身の70歳バースデーコンサートの最後の曲にもってくるとは、やっぱり2021年もカツァリスはカツァリスなのだなあ。。。
まさか日本でフィルムコンサートとか? この曲だけじゃなくて他の映画も組み合わせて勝手にカツァリスが音楽付けてやったら面白いかも?
 

更新記録:ディスコグラフィーに「モーツァルト初期ピアノ協奏曲オリジナル作品集」を追加

ディスコグラフィーのPIANO21ページに、2020年6月から配信限定販売となっている「Original Works Used for Mozart’s Concertos」を追加しました。
モーツァルトのピアノ協奏曲は第1番K37から第4番K41と3つのピアノ協奏曲K107は同時代の作曲家の編曲を組み合わせたものとされており、これがその元ネタとなっているオリジナル作品だけを集めたアルバム。
サイト直リンク先はこちら。
絶賛配信中のピアノ協奏曲全集は来月全部配信が終わってからまとめて掲載します。

ウェブラジオ情報:11月13日にBR2で1984年のハンガリー幻想曲が放送

日本時間11月13日の昼12:03から、ドイツのバイエルン放送BR2で、1984年のハンガリー幻想曲の演奏が放送されます。何度か再放送されていますが、燃え燃えのおすすめ演奏です。

リスト:ハンガリー幻想曲
ピンカス・スタインバーグ指揮ザールブリュッケン放送交響楽団
1984年1月27日ドイツ・ザールブリュッケン

このときはめずらしい悲愴協奏曲も演奏されていますが、今回はハンガリー幻想曲のみです。
1984年といえば、初来日前年でN響との同曲の演奏よりも前のものです。カツァリスの演奏もとにかくやりたい放題で、オケ伴奏も繊細さのカケラもなく、でも逆にいまとなってはそれが魅力的です。
未聴の方はぜひ。

BR2番組表
https://www.br.de/radio/bayern2/programmkalender/ausstrahlung-2298120.html

参考ページ
カツァリス未発売音源・映像

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