日々是カツァリス2010 9月30日山梨公演

急に決まった山梨公演。平日だし、とにかく遠いのですが、シュタイングレーバーを弾くという注目のコンサートだったので、Copin姉さんに行ってもらいました。。。以下レポートをどうぞ。。。

山梨KINGSWELLでのコンサートは予想外の驚きの連続だった。これぞまさしく”サプライズ?”

まずはまだ5月にオープンしたばかりだという建物と小さなガーデン。これがなんとも素敵でちょっとおしゃれな雰囲気なのだ。中にはレストランも併設されており、「前菜、パスタ、コーヒー」で2000円というお手ごろ価格。味も本格的なイタリアンで大満足。あたりを見渡すと正装した上品なセレブっぽいお客様ばかり。「ここは南青山か六本木か?」と目を疑うほど。

そしてホールの中に入ると、そこはヨーロッパの教会のような雰囲気だった。座席数は200。急遽決定したコンサートだというのに満席だった!かなりビックリ!

今日の注目度No.1はなんといっても「カツァリス、シュタイングレーバーを弾く」でしょう。舞台に設置されていたのはC212というモデルでコンサートグランドではなく、もう少し小さいピアノだった。なんとドイツからシュタイングレーバーの社長が聴きにいらしていて、後半の冒頭にはカツァリスとの出会いなどについてのお話もしてくださった。

♪コンサート開始♪
今日はカツァリス自身が曲目紹介をしながら進めていくというサロンコンサート形式。話はシュタイングレーバーとのなれそめ?から。12歳のときカメルーンからパリに引っ越してきたときに両親に買ってもらったベビーグランドがシュタイングレーバーだったそうだ。ピアノについていろいろと語ってくれたのだが、カツァリスも通訳さんも、「スタインウェイ、ベーゼンドルファー」などと思わず違うピアノの名称を言ってしまったりして慌てているところがなんともおかしかった(クスクス)。シュタイングレーバーというのはたしかにちょっと難しい名前だし、ふだんあまり口にすることないですものね。

♪プログラム♪
即興演奏(ワルキューレの騎行、タンホイザーから巡礼の合唱と夕星の歌、愛の夢第3番、アルハンブラの思い出、モーツァルトの魔笛から恋人か女房があればいい、ラフマニノフのピアノコンチェルト第2番)
リスト:灰色の雲
リスト:孤独の中の神の祝福
ワーグナー:黒鳥館に到着して
ワーグナー:イゾルデの愛の死
ショパン:ピアノ協奏曲第2番独奏版

アンコール
シューマン:アルバムの綴りから子守歌 、バッハ:アリオーソ

まずはピアノの感想から書いてみます。新品か新品に近い楽器だったようで、後半は良くなったが、最初のうちは鳴りがいまひとつだった。第一印象としては「楽器内部を鳴らして音を出すというベーゼンドルファーのような響き。マイルドで上品な感じ。ちょっと響きにものたりなさも感じた。」たぶん、理由は小さめのグランドということだけではなく、きっとまだあまり弾きこんでいないピアノなのでしょう。最後にカツァリスが「今日は小さいピアノを弾いていただきますと言われたのだが、いやいや素晴らしいピアノでした。でもコンサートグランド
だったらさらに素晴らしい演奏ができます。」と語っていた。本音はちょっとものたりなかったのかな??

さて、いよいよ演奏に移ります。
1曲目は恒例となった即興演奏。今日はシュタイングレーバーがドイツバイロイトで製作されているということで、バイロイトつながりのワーグナーから始まりリストへ。またまた新曲が!なんと誰もが知っている超名曲「愛の夢」。この曲1度でいいからカツァリスの生演奏で聴いてみたいと思っていたのだが、「こんな名曲、あまのじゃくのカツァリスは絶対弾かないだろうなあ~。」とあきらめていたのだった。が、やってくれました!そしてまたまたラフのPコンも。う~~ん。うっとり感動!!今日はドイツつながりを大切にしたプログラミングということで、前半はワーグナーとリストでまとめられていた。ピアノもだんだん良く鳴るようになってきた。

そして後半は・・・・・・予想どおりショパン:ピアノ協奏曲第2番独奏版だった。ここで今日の困ったちゃん登場!それは「ハエ」。弾いている途中で急に横を向いたのでどうしたのかと思っていたら、「ハエ」と日本語で言って手ではらっていた。気の毒だと思いつつもちょっと笑ってしまった。その後も「ハエ」はピアノの外枠のまわりを歩いたりしていたが、そのうちにどこかへ行ってくれたようだ。一件落着。「ハエ」に悩まされつつもカツァリスは今日もおそろしいくらい集中していた。「再び神降臨」の瞬間を見た!素晴らしい演奏だった。

アンコールは、久しぶりに披露すると紹介した「シューマンのアルバムの綴りから子守歌」。とても深く優しさのこめられた音色で幸せな気持ちにさせてくれた。2曲目はアリオーソ。これまたドイツつながりでバッハファミリーのことを語った後に演奏された。そしてお開きに。

実はこのコンサートに行くことは半ばあきらめていたのだ。というのも、とても不便な場所にあり車じゃないと行けないようなところだったから。しかし、救いの神現る!北京旅行でお世話になった森岡さんが一緒に連れて行ってくださることに(喜)。素晴らしいプログラムを聴けたのは彼女のおかげです。この場を借りて厚くお礼申し上げます!

さてさて身体も財布も疲れたので(笑)私はここで一休みです。 明日の宮崎公演行きはうーさんにおまかせします。 Good Luck!

(報告者:Copin)

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