カテゴリー: 来日公演情報

日々是カツァリス2018: 7月17日横浜みなとみらい公演

 さて、はじまりました、2018年のカツァリス来日公演。

 なんと今年から来年にかけ、7月、9-10月、2月と3回も来日し、ちょこちょことコンサートをやってくれます。
 しかも、同じフレンチプログラムで(笑) (全国日程はこちら)

 このフレンチプログラムは、前々から、本人もやりたいやりたいといってたものなんですが、メインを謝肉祭にしてくるとは思わなかったので意外でした。ただし、前半のドビュッシー、ラヴェルは想定どおりでしたが・・・。

 フレンチプロといえば、NHKFMでもサントリーホール公演が放送され、名古屋公演は一部CDにも収録されている1988年の来日公演が記憶に残ってます。しかし、昔からのファンはよく知ってると思いますが、カツァリスは国籍はフランスですが、フランス人としてのアイデンティーはほぼなく、ほとんどギリシャ人(しかもキプロス系)なわけで、フランス物を得意なレパートリーにしていたという時代はありません。この1988年の公演が本格的にはじめて取り組んだフランス物だったと記憶しています。余談ですが、デビュー当時から、シューベルト、ベートーヴェン、シューマン、ブラームス、モーツァルトと独墺系ばかり弾いていた人なので、フランス人=フランス作曲家弾きみたいなイメージで語られがちだった昔はかなり変人扱いされていました。(まあ変人扱いの理由はそれだけではありませんでしたが・・・笑)

 では今回のプログラムです。
20180717yokohamaS.jpg

ちょっと今回は1988年プロとは趣が違います。バロックから始まるのだけ同じ。

まずバロック時代から、フォルクレとリュリ。フォルクレは今回が初めて弾くはず、リュリはおなじみガヴォットではなく編曲物とパヴァーヌ。そこから、パヴァーヌ縛りでラヴェル、フォーレと続いて、次はシシリエンヌ縛り(笑)でフォーレ、プーランク、そして月の光縛りでフォーレからドビュッシーと、なんとも統一感あるようなないような、テーマ性あるようなないような(笑)。

これはよくカツァリスがやるプログラミングなんですが、同じテーマとか曲名で違う作曲家をならべるという・・・きっとカツァリスとしては「どうだ、考えてるぜ~ヘッヘッヘ」感いっぱいなんだと思いますが、実際聞いてるほうとしてはふーん、くらいという・・・(笑)

まあ、前半の感想としては、「まあいいんじゃない?」でしょうか。。。
細かく聞くと、バロックものでのチェンバロ風の響きとかやっぱカツァリスらしくていいなと思うところもあるのだけど、とにかく地味で長い・・・。もし、これからの公演に予定があって、前半間に合わないので行こうか迷ってる人がいたら、

「前半聞かなくてOKっす、後半勝負で!」といえますな。

その他、ボニスは以前、室内楽でやってたりしたけど、ソロは初、ドビュッシーは月の光以外初めてだったりとか、ですかね。

 で、後半、なぜかカルメンの前に知らないエクスターズって曲から始めたりして、相変わらずよく分からんわ(笑)
カルメンはカツァリス編曲。PIANO21のCD「111ピアノヒッツ」に収録されていたハバネラは、カツァリス編曲ではなかったので、それも含めてこれは初公開。編曲自体は、カルメン、闘牛牛の歌で、パラフレーズとは言わないまでも、単純な編曲ではない味付けをしてて面白かったですな。

 メインは謝肉祭。意外にも、このまま小品プロで終わらせるかと思いきや、ガッツリしたものを最後にもってきてようやくプログラムとしては収まりがいいものに。事前に編曲者は発表されていなかったので、まさかのカツァリス本人編曲か?と思ったら、ガルバン編曲で一安心?  以前の1988年プロで弾いた白鳥は有名なゴドフスキー編曲だったので、これも含めて初披露。こういう曲ってカツァリスに合うと思うんだが、何回か日本で弾いていくうちにもっと良くなるだろうし、これは次回も期待!

今回は即興演奏は冒頭でなく、アンコールで。やはり、フランスと恒例の日本のメロディーでチョイチョイと。

まあ、前半はちょっと退屈だけど、後半は面白いのでトータルでは満足度高し。
10月の聖地・浜離宮公演に期待ですな。

で、いま気づいたんですけど、これって、ドビュッシー没後100年記念公演??? ドビュッシーNo印象!

 
続きを読む

2018-2019年来日公演情報

今年から来年にかけて、おもにフレンチプロにて、複数回来日するという変則日程ですが、本サイトに来日公演予定をアップしました。
(予定)と書いてあるところは、あくまで非公式情報ですので、主催者やホールに問い合わせしないようにお願いします。
公式発表になりましたらツイッターでお知らせします。

まあ、フレンチプロ自体は、うーん、どうなんでしょう・・・。

なお霧島でのガラコンサートはカツァリスのフレンチプロから数曲弾く単独ソロで予定されていますので、アンドレア・ロストとの共演などはないようです。海外では共演してますので残念です。
続きを読む

2016年来日公演情報

2016年のカツァリスは、10月と12月の2回来日します。

10月はソロコンサートにコンチェルト、12月は広瀬悦子さんとのピアノデュオコンサートとなります。
現時点でオフィシャルに発表されているのは以下のとおりです。
他にもまだ日程は追加される予定です。

10月1日(土)14:00 兵庫県立芸術文化センター (ソロ、4月17日発売)
    http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/html/01_shousai/4280611317_0000000001.html

10月9日(日)14:00 霧島国際音楽ホール (みやまアンサンブルとの協奏曲、7月31日発売)
    http://miyama-conseru.or.jp/event/%E3%82%B7%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%80%80with%E3%80%80%E3%81%BF%E3%82%84%E3%81%BE%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%96/

10月14日(金)19:00 浜離宮朝日ホール (ソロ、5月14日発売)

10月15日(土)15:00 藤沢市民会館大ホール (ソロ 発売日未定)
    前半の曲目はショパン。
    
12月1日(木)19:00 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール 広瀬悦子とのデュオ(5月14日発売)

12月4日(日)14:00 しらかわホール 広瀬悦子とのデュオ(発売中)
    http://tokai-tv.com/events/sp2016katsaris/

12月7日(水)11:30 オペラシティ デュオ(7月2日発売)
  http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=531/

ソロコンサートでの予定曲目は「ありがとうショパン、さよならラフマニノフ」と副題がついたよくわからんマニアックなものです。
またいずれ解説します。

ベートーヴェン : エグモント序曲 
メンデルスゾーン/リスト : 7つの歌より「ズライカ」作品34−4
シューマン : ノヴェレッテ 作品21−1
プーランク : ノヴェレッテ 第3番
ジャン=バティスト・ルイエ : クーラント ホ短調
ゴドフスキー : ルネッサンス 第10番 
          ルイエのクーラントの自由な編曲
リスト: ハンガリアン狂詩曲 第13番
ヨハン・シュトラウスII  : ウィーン気質
ラベル : 「マ・メール・ロア」より 第3番パゴダの女王レドロネット
フォンタナ :  マズルカ 作品21−2
ショパン : マズルカ 作品63−3
シューマン : 謝肉祭 作品9 第12番 ショパン
カツァリス : ありがとう ショパン
パンチョ・ヴラディゲロフ : パッション
ガーシュウィン : The Man I Love
エイブラム・チェイシンズ : プレリュード 作品12−3
ラフマニノフ:プレリュード 作品23−2
カツァリス : さよなら ラフマニノフ

霧島での協奏曲は以下の3曲です。
バッハピアノ協奏曲第3番ニ長調
モーツァルトピアノ協奏曲第21番
ベートーヴェンピアノ協奏曲第3番

藤沢では前半はショパンとなります。
ノクターン 作品9−2、15−1、20遺作
ワルツ 作品64−2、70−2、34
ポロネーズ 作品26−1、40−1(軍隊)
マズルカ 作品67−4 、幻想即興曲、子守唄 昨品57

12月の広瀬悦子さんとのデュオは以下のとおり予定されています。
チャイコフスキー:《くるみ割り人形》組曲より 小序曲/行進曲/金平糖の精の踊り/ロシアの踊り/アラビアの踊り/中国の踊り/葦笛の踊り/花のワルツ
《白鳥の湖》より ロシアの踊り/スペインの踊り/ナポリの踊り (オペラシティのみ)
ストラヴィンスキー:「火の鳥」 (世界初演) 
ベートーヴェン:交響曲第5番 第1楽章 (独奏:広瀬悦子)
交響曲第7番第2楽章 (独奏:シプリアン・カツァリス)
交響曲第9番第4楽章 (広瀬&カツァリス) 
  
続きを読む

日々是カツァリス2015 : まとめ、その他情報 ~まだまだ元気やね~

2015年のツアーも終わりましたので、簡単にまとめを。

《ソロコンサートの曲目について》
・ 今回のツアーは、始まる前は、初めて生で弾くショパンバラードNo.2が話題だったわけですが、終わってみればモーツァルトソナタNo.11とワーグナーの編曲物が出色。
・ 特にモーツァルトは随所にカツァリスらしさをちりばめ、内声えぐり、独特のアクセントをつけ、それでいながら意外にゆっくりと全体としてはがっちりした演奏でした。都合3回弾きましたが、後になるほど固まっていったかも。
・ ワーグナーの編曲物は文句なし。意外なことに初披露のワルキューレも超絶だが、エルザ(リスト編)の美しさにため息。
・ 一方、期待のショパンバラードNo.2は特別な驚きはない演奏。テルデックのCDを基準にするといかんね。
・ 前半のブラームスは、悪くはないが、どうも譜面めくりが気になって集中できず。特に聞くのに集中力がいる曲なのに・・・。
・ そんなわけでショパンの「へ調」縛りのプログラミングは結局?だったし、全体通してみると、モーツァルトとワーグナーの印象しか残っていないけど、新しいプログラムとしては大成功だったのでは。

《シマノフスキー弦楽四重奏団との共演》
・ 2011年にドヴォルザーク、ショパンP協2番の演奏で共演したシマノフスキー弦楽四重奏団との再会は今年のスマッシュヒット。
・ とくに日経ホールの翌日に当初予定になかった浜離宮でのシマノフスキーSQ単独公演にサプライズ(というより無理矢理)出演して急遽演奏したシューマンのピアノクインテットは、他人とも立派な演奏ができることを証明したわけでw
・ そんなカツァリスにピッタリあわせたシマノフスキーSQ、地味ながら、腕の立つ職人集団でした。
・ またどこかで共演できたらよいですな。

《PACとの皇帝》
・ 予想通り、ちょっと残念な結果。
・ 特にピアノが鳴らずに、カツァリスも戸惑い気味。
・ 水を得た魚のアンコールの即興演奏での「赤とんぼ」にライト層じいちゃんばあちゃんがした拍手が救いだったわ。

《その他情報》
・ 今回、比較的、いろんなピアノを弾いたカツァリス、一部ではピアノが合わず苦労したみたい。結果的にしらかわホールのヤマハが一番コンディションがよく本人も納得の出来だった模様。
・ というのも、カツァリスが日本で演奏するときにはヤマハの最新CFXを、カツァ曰く「スペシャルで別格な」調律師である曾我さんが調律するというのがお決まりだったわけですが、その「神の手」曾我さんが海外転勤してしまい、別の方が担当されたようで。いや、本当に曾我さんの調律だとカツァのテンションが違うんですよねえ。
・ 次のPIANO21の新譜予定は、来年早々に、モーツァルトのピアノ協奏曲全曲シリーズをBOXで出すと。これまで7枚で止まっていて、早く出してほしいけど、なら最初からBOXで出してくれよ。。。なんかいろいろ珍しいコンチェルトも入ってるらしい。本人いわく「これがほんとのコンチェルト全曲だ」と。
・ このチャイコフスキーコンクールの記念CDに、ブーレーズのソナタが収録されているので教えたら、初耳だったらしく驚いていた。このチャイコンの演奏はPIANO21から発売されているが、ブーレーズだけは音源が見つからないと言われていたので収録されていることにニックリ。本人いわく「舞台では曲を忘れてしまって即興演奏したからむちゃくちゃだった」と笑って、「ぜんぜん違う曲なので、これが収録されているということは誰もブーレーズの曲は知らないんだな」、とwww。 でもこのCDに収録されている中では唯一の非入賞者なのでご満悦でした。

《どうでもいい情報》
・ 生魚を絶対食べないカツァリスだが、スモークサーモンとイクラは食べる。スモークサーモンはほぼ生だろという総ツッコミにもスモークされていると力説。
・ このお菓子が大好きでパリに売っていないらしく、今回日本で見つけて大量に持って帰った。みなさん今度これをプレゼントしたら喜びますよ。
・ えー、外見はさすがに64歳で年取ったと思いますが、まだまだ、まだまだ元気です。

そんなわけで、ここ数年、腱鞘炎、心筋梗塞、脳梗塞と心配続きでしたが、なんだか通常モードで元気な姿を見せてくれてほっとした今年の来日公演でした。

すでに発表されていますが、来年は10月と12月に来日公演があります。10月はひさびさに九州ツアーもありそうです。コンチェルトも予定されていたり。そして12月は、広瀬悦子さんとのデュオになります。内容は12月らしく、クリスマス関係だったり、年末のあの曲だったりするかも? 

帰りがけには、いつかラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をソロバージョンとオケバージョンで1枚のCDになどとポツリとつぶやいていましたが、さていつか実現するのでしょうか。

そんなわけで2015年追っかけ終了です。お疲れ様でした。
明日よりカツァリスを忘れて別のヲタ道に邁進いたします。
続きを読む

日々是カツァリス2015 : 10月23日 名古屋・しらかわホール ~今年のベストパフォはこの日かね~

いよいよ今年2015年のツアー最終日です。ラストは名古屋しらかわホールです。
何回も今回と同じ東海テレビさん主催で名古屋でコンサートをしているカツァリスですが、
意外なことにしらかわホールには初登場。

実は今回このしらかわホールでは、主催者の東海テレビさんからの依頼で、昔のカツァリスの資料を貸し出してまして、それがロビーに展示されておりましたw
送ったものは、これまでの来日コンサートのパンフレット(ほぼすべて)、昔の写真が使われているLP、昔の雑誌記事なのですが、
当日は中から東海テレビさんが選んだ一部のものだけ展示されていました。また来年も同じ企画があるかもしれません。
IMG_1601.jpgIMG_1605.jpg

それでは箇条書きで感想を。

《開演前》
・ 何気にしらかわホール初登場、おめ!
・ ロビーでは上のような展示。はじめて家ではガラクタ扱いされているものが陽の目を!
・ カツァリスお薦めのマロンスイーツってw 
・ カツァリスサイン入りのプリザーブドフラワーも売ってた。(買ってもうた。激しく後悔)
   IMG_1610.jpg

《前半》
・ 恒例、即興演奏からスタート。若干長め?
・ ラフP2(長め)、モルダウ、赤とんぼなど順番と味付けが若干変わってるけどいつものやつ。
・ お、今日明らかにちょっと調子いいぞ
・ モーツァルトソナタ、逗子、浜離宮に比べて明らかにカツァ風味に崩してきてるw
・ かなり内声エグッてきてるw
・ 何回も言うけど、ブラームス、美しいけど、楽譜めくりはなんとかならんのか。

《休憩中》
・ モンシュシュの特製マロンスイーツを食ってみる。まあマロンクレープだな。

《後半》
・ ショパンマズルカ2曲、相変わらず調子いいぞ
・ ショパンノクターン、ワルツ。ああ、やっぱカツァリスのワルツはええのう。全曲やってくれんかのう。
・ 今年一番心配だったバラード2番も、最後まで嫌がらずに弾いてくれたw
・ ワーグナーローエングリンの2曲(リスト編)、やっぱ究極に美しい。ほんとにリスト編の妙技。
・ 他の編曲ものでもそうなのだが当時家庭用としてリストがあえて音を少なくして編曲したであろうことが結果的に曲のプロポーションを崩していなくてよい。(だから自分で編曲するとあの男は弾けるから詰め込みすぎるんだよなあw)

・ ワルキューレ。対照的に、ここまでやるかという編曲。こういうのをコンサートの最後にもってくると、全部これの印象でおわっちまうよ。あーもう結局これかよ!って。(この感覚嫌いではない)

《アンコール》
・ 1曲目、ピンクパンサー。笑いが聞こえる客席にしっかりパフォーマンス。でもこれ弾くときの音なんともいい音だよね。
・ ちなみに私の世代はこの曲を聞くとこれを思い出すのだがw
・ 2曲目、チャイコ四季より10月。いつもこの時期の来日でのアンコール定番だったけど今年はこれが初披露。
・ この曲よほど好きらしく、自分で感動して弾いた後泣くこともあるのだが、この日も舞台をはけるときに手で目を。。。
・ 3曲目、ブラームス子守唄(ムーア・カツァリス編)。途中までムーア編のかわいらしい曲が途中からおどろおどろしいカツァ編の曲に・・・涙。
・ これ別の意味の子守唄では???と思いながら、終わったあとにご陽気に「オヤスミナサーイ」爆笑終了。

《まとめ》
・ 最終日はホール、ピアノのコンディションともによく、今年のツアーではこの日が一番の出来。
・ 本人もゴキゲンで何より!
・ やはり本人曰く、ピアノは今日のが一番よかったと。一番悪かったのは、まああの日だそうで。
・ 東京までの帰り、一緒に帰るべく拉致られる・・・。

明日は、その他情報もあわせて最終まとめ回!
続きを読む

日々是カツァリス2015 : 10月21日 浜離宮朝日ホール シマノフスキー弦楽四重奏団と ~サプライズにもほどがあるやろ~

さて、この日はカツァリスの演奏会の予定はなかったのですが、2日前に急遽、21日のシマノフスキー弦楽四重奏団(以下:シマちゃん)の浜離宮単独コンサートにでるかもと連絡が入り、拡散したわけですが、本当に実現しました。

どうやら、シマちゃんとリハしてたら、気持ちよくなってきて、もう1日やったるかーと本人が言い出したらしいw
いや、いうてもシマちゃんの演奏会なんだから、勝手に決めるなよ、って話なんですが、
そこはシマちゃん、ノリノリでOKしてくれたらしいwww いい人達だ!

10月21日(水)浜離宮朝日ホール
ハイドン:弦楽四重奏曲ロ短調op33-1 Hob III37
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第6番ヘ短調 op80
シューマンピアノ五重奏曲(カツァリス急遽出演)

ではいつものように箇条書きで。演奏会本編感想は前日に続きマーブル嬢担当。

《開演前》
・ いやさすがに急に来れる人は少ないのか、いつもの常連さんの姿少なし。
・ 明らかにいつものピアノと客層が違う。男性率高し。
・ 自分も開演に遅れたので、前半聞いてない。

《後半シューマン》 ※マーブル嬢談
・ ピアノはホール所有の珍しい木目のスタインウェイ。やや重くくぐもった音色で、カツァリスの好みではないかもしれないが、抜けが良すぎない分、弦とは柔らかく調和する感じで、却って良かったのではないかと思う。
・ 出だしから暫く、ピアノも弦もかなり慎重に進めていた感じがしたが、徐々にそれぞれの主張や、パート間のキャッチボールを楽しみ始めた感じ。シューマンのピアノ五重奏曲はピアノと弦がユニゾンや対になる部分も多く、お互いがアイコンタクト・イヤーコンタクトで敏感に反応しながら寄り添っているのが見てとれた。
・ 前日、ブラームスにはやや線が細く感じた1stVnのアガタさんの音色、シューマンではクールながらもつややかに明るく鳴り、彼女の持ち味が良い方に作用した印象。
・ やはりチェロのマルチンさんの、室内楽職人的な仕事ぶりが光る。シューマンらしいリズムの複雑な部分では、前日のブラームスにも増して、ピアノと、そして他の弦のパートの動きに目を配り、敢えてはっきりめに発音なさっていた様に感じた。
・ 前日アンコールで3楽章を弾いた時には、ぶっ速い連続のオクターブで鳴り切らない部分もあったが、この日は深く鳴り切っていて爽快だった。
・ カツァリスも、室内楽でもプルミエプリな合わせ名人なのである。抜群の相棒を得れば、絶妙のバランス感覚を魅せてくれる。

《まとめ》
・ こんな急な変更ってアリ?と思ったが、結果、大成功! 
・ 何人か「変更なんてきいてない!」と詰め寄ってたが、納得はしてくれたみたい(シマちゃん目当てなら、そりゃそうだ)
・ あらためてシマちゃんGJ! 全員ステージ上ではニコリともしないけど素顔はフレンドリーらしい。
・ 第1Vnのお姉ちゃんのドS感ハンパないが、実はまだ若い乙女らしい。
・ なんかどっかで一緒にツアーやろうよとか盛り上がってるみたい。
・ シマちゃん、また来てね。
・ カツァ、やっと室内楽で本領発揮してくれた!  
続きを読む

日々是カツァリス2015 : 10月20日 日経ホール シマノフスキー弦楽四重奏団と ~やればできる子~

10月20日(火)は日経ホールにて、以前に浜離宮で、ドヴォルザークとショパンPコン2番(弦楽四重奏版)を共演したシマノフスキー弦楽四重奏団(以下:シマちゃん)と再び共演で、今回はブラームスのピアノクインテットです。

で、実はこの前の日に、翌日21日の浜離宮でのシマちゃん単独コンサートの後半の曲を急遽変更し、カツァリスがスクランブル出動してシューマンのピアノクインテットを演奏することが決まっておりまして・・・。
そのことはさておき、この日の感想です。

《開演前》
・ ブラームスのクインテットなんて、大昔のメロスSQとのラジオ放送とか、カツァリス五重奏団のとき以来?
・ まして、西宮で、「ひとりでしかできないもん」を見せつけられた後だし
・ 「こんなノリではブラームスのクインテットなんて無理だろう…」と、不安いっぱい

《前半シマちゃんのみ》 ※マーブル嬢談
・ カルテットは、昨年第一ヴァイオリン奏者が交代し、これから更にしっくり馴染んでくるのかな、という感じ
・ それでも、奏者間のバランスやキャッチボールは相変わらず素晴らしい。
・ 前半のベートーヴェンやシマノフスキ、愉しかった。

《後半カツァ登場、ブラームス》 ※マーブル嬢談
・ ピアノはCFXではなく、ホールの持ち物のヤマハ。
・ 出だしからしばらく、ややタッチが浅くなったり、弦とうまく噛み合わない場面もあったけれど、徐々に「らしさ」が出てきて、ブラームスのこの曲に相応しく重厚に鳴り始めた。
・ カルテットの感覚の鋭さも光り、カツァリスがどんな「キラーパス」を出してもそれをにっこりと柔らかく受けとめ、「じゃあこんな歌い方はどう?」ってボールを投げ返したり。
・ そんな音でのやりとりがカツァリスも楽しかったらしく、笑みが浮かぶ瞬間も多々。
・ 美しい第二楽章ではカツァリスの美音が前面に。デリケートな世界を壊さぬよう、そっと大切に寄り添うカルテット。
・ 昨日は特に、真ん中のお二人(第二VnとVc)の職人技が印象的。
・ チェリスト氏は、深い音色で鳴らしながらも、常にカツァリスを見やり、その動向に鋭敏に反応しておられ、それによりアンサンブルがぐっと引き締まったように。
・ 緊張感を高めながら熱く盛り上がり幕切れ。全員完全燃焼、ブラボーの声もたくさん。

《アンコール》
・ 翌日21日演奏予定のシューマンのピアノ五重奏曲から第三楽章で、翌日への期待が膨らんだ。

《感想》
・ なんかリハでは不安いっぱいだったらしいけど、本番ではバッチリ。
・ カツァ、やればできる子ね。
・ シマちゃん、職人だねえ(ちょっと強面だし)
・ いや、翌日楽しみだわ。
続きを読む

【緊急告知】 10月21日(水)浜離宮朝日ホールのシマノフスキー弦楽四重奏団コンサートにカツァリスが出演します

緊急告知、拡散希望です。

10月20日(火)に日経ホールで、シマノフスキー弦楽四重奏団とブラームスのピアノクインテットを演奏するカツァリスですが、翌日の21日(水)に浜離宮朝日ホールで予定されていた同楽団の単独コンサートに緊急出演し、シューマンのピアノクインテットを演奏することとなりました。

シマノフスキー弦楽四重奏団とは、以前浜離宮ホールでドヴォルザークとショパンを共演しましたが、シューマンははじめてです。

詳細は以下のとおりです。

10月21日(水) 18:30開場 19:00 開演 浜離宮朝日ホール
【曲目】 ハイドン:弦楽四重奏曲 ロ短調 op33-1 Hob III37
     メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第6番 ヘ短調 op80
シューマンピアノ五重奏曲(カツァリス出演)
【料金】全席指定 一般 4,000円  学生 2,000円

【チケット】 当日券のみの対応となります。予約はレガーレさんへメールのうえ、当日券窓口でお支払いください。
メールには名前と予約枚数を明記ください。
E-mail: legare.yumi@jcom.home.ne.jp
電話:046-872-4537 (レガーレ)

急な話ですが、シマノフスキー弦楽四重奏団は上手いので、ぜひぜひ、連日のお出かけを!
続きを読む

日々是カツァリス2015 : 10月17日 PACオケ名曲コンサート「皇帝」 ~ひとりでできるもん~

さて本日は、兵庫芸術文化センター管弦楽団の第33回名曲コンサートのゲストとして登場し、
なんと皇帝をオケ伴で弾きました。

10月17日(土)15:00開演 
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
指揮:ロベルト・フォレス・ヴェセス
オケ:兵庫芸術文化センター管弦楽団(PACオケ)

ではいつものように箇条書きで。

《はじめに》
・ 皇帝をカツァリスが日本でオケ伴で弾くのはもちろん初めて(で、たぶん最後)
・ そもそも皇帝なんて確かいままででも5回くらいしか弾いたことないはず。
・ 興味はソロ版と違って、オケ伴という希少価値のみだが・・・。
・ いつものように会場ほぼ満席。PACの集客力ハンパない。ほぼじーちゃんばーちゃんのみだが。

《前半皇帝》
・ 出だしから冷や汗。
・ たびたびソロからオケが入ってくる寸前で迷子になりそうになる。。。
・ 明らかにソロバージョンと一瞬迷っているに違いないwww
・ とにかく慎重に慎重に。 
・ 第二楽章、オケもピアノも音量押さえた演奏は美しいけどね。
・ 静かなところで狙って咳きする後ろのオッサン市ね。
・ 第三楽章、そのドヤ顔トリル、わざとだろwww
・ PACオケ、うん、まあ、仕方ない。
・ 指揮者、知らない。進撃の巨人に兵士で出てきそう。

《アンコール》
・ 予想通り、即興演奏。
・ 最初の赤とんぼのフレーズがかすったとき、じーちゃんばーちゃん、少しざわつく。
・ はっきり赤とんぼが出てきたら拍手も起こったwww
・ 次のアルハンブラではまたざわつく。
・ 明らかに即興演奏ってことがわからなかったようで(ついでにそういうやつだとも)
・ アルハンブラの連打を興味津々でクビを伸ばして手元を見るビオラの姉ちゃん!
・ 曲が変わるたびに、すごいうれしそうな顔をするサブコンマスの兄ちゃん!!
・ 皇帝のことなどなかったことのように、水を得た魚のように弾くおっさん!!!
・ 終わって拍手喝采!!!!

《結論》
・ わかっちゃいたけど、オケ伴だから何かが生まれるということはないのね。
・ 一人で弾きたいんだから、これからも自由にやらせてあげましょう。
・ 次はシマちゃんよろしく頼む。
続きを読む

アーカイブ