1970年代 若き日のカツァリス(DG/EMI/Decca他)
1980年代 TELDEC時代のカツァリス
1990年代 SONY CLASSICAL 時代のカツァリス
1993年 「ショパンを弾く」のカツァリス
2000年代以降 PIANO21時代のカツァリス
2000年代 その他の録音
未発売録音・映像
2002年![]() PSCK001 |
《Cyprien Katsaris : LIVE AND STUDIO RECORDING》
1. バッハ:プレリュード第1番BWV846 |
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関係者に配られたサンプラーCD。このサンプラーCDにしか含まれていないライブ音源もあり、なかなか貴重。 以下の録音が未発売音源 2. 2000年10月メキシコでのLIVE(未発売) 6. 2002年2月メキシコシティでのLIVE(未発売) 8. 2002年2月メキシコシティでのLIVE(未発売) 9. 2002年2月メキシコシティでのLIVE(未発売) 14. 2002年2月メキシコシティでのLIVE(未発売) |
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2002年![]() PRODUCTIONS LVC1024 |
《ヴィクトル・ユーゴーの詩による歌曲集》
サン・サーンス:期待/夢想/鐘/海に乗り出す人々の歌/鼓手の婚約者 メゾ・コントラルト:セシル・エロワール 録音時期:1999年9月2-3日 |
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久しぶりに、ソロでなく歌曲のピアノ伴奏。フランスの若いコントラルト歌手のエロワールがヴィクトルユーゴーの詩による歌曲を集めた地味な一枚。歌曲好きで、ユーゴーの詩好きで、メゾコントラルトとという極めて地味な声質にガマンできる人なら買ってもいいかも・・・。カツァはコンサートでこの人とたびたび共演している。 |
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2004年![]() Piano Magazine |
《2004年Piano Magazine43号付録CD》
1. .ヨハン・セバスチャン・バッハ:チェンバロ協奏曲No.4 BWV1055より第1楽章 |
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2004年に発売されたPIANO MAGAZINEというフランスのPIANO雑誌の付録CD。1-9まではすべてPIANO21からリリースされている音源。10はこのサンプラーCDにしか収録されていないベートーヴェンのヴァリエーションで1977年のパリでのライブ録音。11はユネスコLPに収録されていた音源のCD化。演奏も彼らしく超絶技巧爆発で軽快に弾き飛ばしなかなか聴き応えある。12は1975年のノアンのプライベート録音。しかしなんといってもこの付録CDの最大の目玉は、13のカツァリス自作のきよしこの夜変奏曲(クリスマスバリエーション)。1989年12月20日に津田ホールで行われたコンサートのアンコールで、チャーミングなこの曲を丁寧にセンス弾いてくれた感動の演奏。クリスマスの時期に聞くとバッチリ雰囲気つくりができる。長らく正式発売はなかったが、PIANOヒッツ111の3枚目に収録された。 |
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2005年![]() KR622 |
《映画「アレグロ」オリジナル・サウンドトラック》
1. J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV.1056より第2楽章 セバスチャン・テウィンケル指揮南ドイツ室内管弦楽団プフォルツハイム(1-4) 録音時期:(1-10)2005年10月録音、(11-14)2001年1月録音 |
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クリストファーボー監督の映画「アレグロ」のサウンドトラック。映画自体はかなりマニアックなものでピアニストの物語らしいが、そのサウンドトラックでカツァリスがバッハをこのCDのためにオリジナル新録音している。(映画本編の演奏はカツァリスではないらしい)どういう経過でこのような話が出たのかわからないが、新しいレパートリーも多く、それは貴重なのだが、演奏はいまいち。伴奏のオケは14名編成の若い室内オケ。これが縁でたびたび演奏会で共演している。このCDは2005年に発売されたときは入手困難だったが、その後2009年に再発売され、比較的手に入れ易くなった。 |
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2007年![]() Classic DVDINT221201 |
《ドメニコ・スカルラッティ ドキュメンタリーフィルム》 DVD
スカルラッティ:ソナタK470 |
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友人だというだというダンブリクールというというハープシコード奏者の主演しているスカルラッティのドキュメンタリーフィルムにゲスト出演している。カツァリスが新しいレパートリーにしようとしているスカルラッティを先駆けて聞ける一枚。 |
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2008年![]() PSCK003 |
《Cyprien Katsaris : Selected Recordings》 サンプラーCD うち以下の未発売音源を収録 シューベルトピアノソナタD960 第2楽章(2002/02 メキシコシティでのLive) |
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最近関係者に配られているサンプラーCD。ほとんどが、PIANO21の既発売済み音源だが、上記の4つのみ未発売音源で貴重。シューベルトピアノソナタD960 第2楽章は2002年のメキシコシティでのライブだが、前のサンプラーCDにも収録されていた。ゴッドシャルクのバンジョーは1980年のミュンヘンでのLiveでおそらく初出。ラベルのピアノ協奏曲は、ニュージーランドのオークランドフィルとの共演。正直言って、オケがかなり下手でツラい。まさかこれを正式発売しようとしているのでは・・・? しかし、なんといっても最大の聞き物は、2006年の来日公演の浜離宮ホールの2日目のアンコールで演奏された、カツァリス自作の「さくらの主題による日本風即興曲。NHKが収録していたにもかかわらず、TVでもFMでも放送されなかったこの曲の演奏がやっと日の目を見たことに。北京でも披露した、○○風即興曲というものに自信みなぎるカツァリスの快演。 |
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2009年![]() PSCK004 |
《Cyprien Katsaris : Liszt 5 Concerto》 サンプラーCD
リスト:ピアノ協奏曲第2番(ベルリン・ドイツ交響楽団 2007年5月1日ベルリンLive)※PIANO21から発売 |
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2011年のリストイヤーの際に世界各地の関係者に配られていたプロモーション用CDがこれ。カツァリスのリスト関係のコンチェルトはこの5曲がレパートリーですよ、と知らせるのが目的だったそうで。レパートリーとしては、その際に新しく弾き始めたバーマイスター編のメフィストワルツが珍しい。このCDに収録されている演奏がまさに彼にとっての初演だったようだが、なかなか快調でよい演奏。ベルリンでのピアノ協奏曲第2番は、インターネット中継され、リストアーカイブVol.2で発売済みだが、ブタペスト祝祭管とのハンガリー狂詩曲第5番は未発売。 |
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2012年![]() Itunesなど |
《 David Serero & Cyprien Katsaris Live Recording in Paris 》 モーツァルト:オペラ「フィガロの結婚」 もう飛ぶまいぞ この蝶々 モーツァルト:オペラ「フィガロの結婚」 もし踊りをなさりたければ ビゼー:オペラ『カルメン』 闘牛士の歌 ショーボートからオールマンリバー ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」から「金持ちだったら」 Avinu Malkeinu Rozhinkes Mit Mandlen Tumbalalaika 黒い瞳 Othello – Shakespeare & Liebestod Tillirkotissa Greek National Anthem デビッド・セレーロ(バリトン) シプリアン・カツァリス(ピアノ) 録音時期:2011年2月8日 |
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お世辞にも上手いといえない、フランス人(?)のバリトン歌手、デビッド・セレーロとの共演。CDにはなっておらず、ItunesやLINE Musicなどでのダウンロード販売のみ。オペラアリアあり、ミュージカルあり、民謡あり、朗読?ありで、もうなにがなんだか。この人との関係はよくわからないが、単に「友達」と本人は言ってたけど・・・。 |
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2013年9月![]() SM182 |
《 バイロイトの経験-ヴォルフガンク・ワーグナーの思い出 (Bayreuth erlebt 》
CD1 CD1 5,6 シプリアン・カツァリス(ピアノ) |
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2013年9月にオーストリアのSolo Musica というレーベルからリリースされたいわゆる企画もの。ワーグナーの孫にしてバイロイト総裁兼演出家だったヴォルフガング・ワーグナーの追悼企画としてのCD。主な内容は、1995年に行われた本人出席のシンポジウム?での関係者の講演やバイロイト音楽祭のライブなどが収録されている。講演も錚々たるメンバーだが、なぜかその中にカツァリスが含まれており、少し話している。 カツァリスはこのときに演奏もしており、それがトラック6に収録されているリスト編イゾルデの死で、この曲は意外ながらDVD以外のCD正規リリースとしてはこれが初。なぜ、こんなゴリゴリのワグネリアンの集まりにカツァリスが呼ばれたのか若干場違いな感もあるが、おそらくこの前年の1994年にSONY CLASSICALから「ワグネリアーナ」というワーグナー編曲ものアルバムをリリースしたばかりなので、ワーグナーものとしてはタイムリーなピアニストだったかもしれない。 ちなみにカツァリスの講話の内容はこんな感じらしい。 「私にとってWolfgang Wagner氏を前にして、ステージ上でオペラ的な演奏を皆様に披露するということはまことに感動的なことであります。ワーグナーの音楽は奥深く感動的でしかも緊張感があります。一般的に、全ての音楽は色彩的であります。たとえばレは青色、ファは緑色。そして音楽は彫刻や建築のような立体的なものでもあります。音楽は人に心理学のような感覚を与えることができるのです。だからどんな薬物よりも重要であるわけなのです。」 なお、カツァリス以外の演奏はタンホイザー、トリスタンとイゾルデ、ワルキューレなどでカールベームのバイロイトライブなど。ナクソスでも聞ける。 |
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2015年7月![]() Melodiya
MELCD 1002349 |
《チャイコフスキー国際コンクールの歴史より1958~86》
【1970年録音】 ショパン:練習曲ロ短調 Op.25-10 ラフマニノフ:音の絵 Op.39より第1曲ハ短調 ブーレーズ:スケルツォ |
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1970年に出場したチャイコフスキーコンクールのライブは2009年にPIANO21から発売されているが実はそのライナーノートでも本人か語っていたように、そのとき弾いたブーレーズは音源がないということだったが、2015年に発売されたこのコンクール記念10枚組CDに実は収録されている。本人に伝えると驚愕していた不思議なCD。ブーレーズの後半はほぼ即興演奏という・・・コンクールなのに。 |
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2016年9月![]() DACOCD779 |
《 Rarities Of Piano Music At Schloss Vor Husum 2015 》 フズム城音楽祭ライヴ2015 カツァリス:様々な主題による即興曲(リストへのオマージュ) 録音時期:2015年8月 |
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かつては「フズム珍曲フェスティバル」などといった、いわゆるピアノヲタが喜びそうなレア曲ばかりを弾く、知る人ぞ知る音楽祭のライブ。この音楽祭のライブはいつもCDになるので、かねてより常連であるカツァリスの演奏もいつか出ると思っていたらとうとう出た。曲目はいつもの即興演奏なのでちょっとがっかり。カツァリスのフズムライブなら、伝説のヘキサメロンとか出してほしかったのだが・・・。 |
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2017年9月![]() DACOCD789
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《 Rarities Of Piano Music At Schloss Vor Husum 2016 》 フズム城音楽祭ライヴ2016 ブラームス: ハンガリー舞曲第11番(4手連弾) シプリアン・カツァリス&エレーヌ・メルシエ(Piano) 録音時期:2016年8月27日 |
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2015年に続き2年連続カツァリスがフズムに登場したライブ盤。この年はソロではなく、例のメルシエとの連弾。このCDに収録されているのはアンコールのハンガリー舞曲。 他に、シューマンのピアノ五重奏(2台4手版)などが演奏されたが、それは一部DVDとして発売された。(下欄参照)。 |
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2018年3月![]() DACO991 |
《 Pianocrazy-husum Piano Festival 2016 》 DVD
シューベルト(ブラームス編曲1台4手): 20のレントラーから シプリアン・カツァリス&エレーヌ・メルシエ(Piano) 録音時期:2016年8月27日 |
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フズム音楽祭2016の映像。ただしフル演奏が収録されているわけでなく、他の出演者や関係者のインタビューを交えた紹介風DVD。カツァリス&メルシエは、数分つづの収録程度。おまけになんとシューベルトピアノ五重奏曲の2台4手版はカメラがメルシエに固定されており、カツァリスは1秒も映らず。その代わりかどうか、インタビューはカツァリスがメイン扱い。うーん・・・。DVDタイトルが「ピアノクレージー」というのも・・・。しかしフズムってこんな小さなサロン会場みたいなとことは思わなかった。。。 ちなみにこのDVDはPAL形式なので、日本の通常のDVDでは再生できない。 |
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2018年8月![]() 9029563666 |
《ブラームス 21のハンガリー舞曲と16のワルツ》
1-3. ワルツ第3番嬰ト短調 / 第5番ホ長調 / 第6番嬰ハ長調 4-9. ハンガリー舞曲第3番ヘ長調 / 第4番ヘ短調 / 第5番嬰ヘ短調 / 第6番変ニ長調 / 第7番イ長調 / 第8番イ短調 10-13. ワルツ第7番嬰ハ短調 / 第8番変ロ長調 / 第14番イ短調 / 第4番ホ短調 14. ハンガリー舞曲第9番ホ短調 15-16. ワルツ第9番ニ短調 / 第10番ト長調 17. ハンガリー舞曲第10番ホ長調 18-19. ワルツ第15番イ長調 / ワルツ第1番ロ長調 20-21. ハンガリー舞曲第1番ト短調 / 第2番ニ短調 22. ワルツ第16番ニ短調 23-30. ハンガリー舞曲第11番ニ短調 / 第12番ニ短調 / 第13番ニ長調 / 第14番ニ短調 / 第15番変ロ長調 / 第16番ヘ短調 / 第17番嬰ヘ短調 / 第18番ニ長調 31-33. ワルツ第11番ロ短調 / 第12番ホ長調 / 第13番ハ長調 34. ハンガリー舞曲第19番ロ短調 35. ワルツ第2番ホ長調 36-37. ハンガリー舞曲第20番ホ短調 / 第21番ホ短調 シプリアン・カツァリス(ファーストパート:ハンガリー舞曲) エレーヌ・メルシエ(ファーストパート:ワルツ) 録音時期:2016年5月16-18,20日 録音場所:サン・マルセル福音教会(パリ) |
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メルシエとのコンビでの新譜はなぜかPIANO21ではなく久々の WARNER から発売。どうもレーベルの企画にのったとのことらしい。ハンガリー舞曲とワルツの全曲という意欲作だが、なぜか曲順が入り乱れてぐちゃぐちゃ。飽きはこないが、何を聞いているのかよくわからなくなる。ハンガリー舞曲のファーストをカツァリス、ワルツのファーストをメルシエが担当。音質もいいし、まあまあ楽しめる一枚。 |
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2018年8月![]() Challenge
Classics CC72787 |
《ロマン派の歌曲とピアノ編曲集》
シューベルト:『ます』 Op.32, D.530 リスト:6つのシューベルト歌曲集 S.563より『ます』(第1稿)(カツァリス独奏) シューベルト:白鳥の歌 D.957 より 第1曲『愛の使い』 ゴドフスキー:『愛の使い』独奏用編曲(カツァリス独奏) メンデルスゾーン:6つの歌曲 Op.34より第2曲『歌の翼に』 リスト:メンデルスゾーン歌曲集 S.547より第1曲『歌の翼に』(カツァリス独奏) ロベルト・シューマン:リーダークライス Op.39より第12曲『春の夜』 クララ・シューマン:30のロベルト・シューマン歌曲集より第28曲『春の夜』(カツァリス独奏) クララ・シューマン:6つの歌曲 Op.23より第3曲『ひそやかな語らい』 リスト:クララ&ロベルト・シューマン歌曲集 S.569より第10曲『ひそやかな語らい』(カツァリス独奏) リスト:『ラインの美しい流れの』(第2稿) S.272 リスト:歌の本 第1巻 S.531より第2番『ラインの美しい流れの』(カツァリス独奏) ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集 WWV91より『夢』 アウグスト・ストラダル:『夢』独奏用編曲(カツァリス独奏) ヴォルフ:アナクレオンの墓 ブルーノ・ヒンゼ=ラインホルト:ヴォルフの歌曲による10のピアノ小品より第6曲『アナクレオンの墓』による牧歌(カツァリス独奏) R. シュトラウス:5つの歌曲 Op.48より第1曲『懐かしの幻影』 ギーゼキング:『懐かしの幻影』による自由な編曲(カツァリス独奏) キルヒナー:10の歌曲 Op.1より第4曲『春の歌』 キルヒナー:自作歌曲による10のピアノ小品 Op.19より第10番『春の歌』(カツァリス独奏) ブラームス:8つの歌曲 Op.59より第5曲『アグネス』 キルヒナー:『アグネス』独奏用編曲(カツァリス独奏) ブラームス:5つのロマンスと歌曲 Op.84より第4曲『甲斐なきセレナーデ』 エドゥアルド・シュット:『甲斐なきセレナーデ』によるパラフレーズ(カツァリス独奏) ブラームス:5つの歌曲 Op.49より第4曲『子守歌』 ジェラルド・ムーア:『子守歌』独奏用編曲(カツァリス独奏) クリストフ・プレガルディエン(テノール) 録音時期:2018年5月4-8日 |
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2015年に冬の旅で共演して意気投合したテノール歌手プレガルディエンと歌曲とそれにまつわるピアノ編曲ものを交互に収録したというなかなかおもしろい1枚。これもPIANO21ではなくプレガルディエン側のCDレーベルから発売。この中ではなんといってもかつてシューベルトリスト歌曲を好んで弾いていた1980年代にはレパートリーだったシューベルトリストの「ます」が、なんとスタジオ録音としていきなりの2曲目に収録されているということ。現在でもコンサートレパートリーには復活していないこの曲をこのような形で再び聞けるとは! 企画ものだがなかなかおすすめの1枚。 |
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2019年7月 ![]() NIFCCD113 |
《モニューシュコ: ピアノ作品&トランスクリプション集》
スタニスワフ・モニューシュコ: マズルカ 変ホ長調(歌劇「ハルカ」より)(モニューシュコ編曲) ポロネーズニ長調(歌劇「ハルカ」より) ユゼフ・ノヴァコフスキ: スタニスワフ・モニューシュコ: |
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2019年に突如として手がけた新レパートリーは知る人ぞ知るポーランドの作曲家「モニューシュコ」。ワルシャワのショパン研究所から直々にモニューシュコの生誕200周年のアニバーサリーイヤーであるこの年にライブとCD録音を依頼されたらしく、3月のレコーディングからすぐのリリースとなった。誕生日がカツァリスと同じ5月5日というのも本人が気に入っている点らしく、今年はしばらくモニューシュコ推しの様子。 曲調は完全に古典でかつてボルトキエビチをやったときのような不思議さはないが、ピアノオリジナル曲よりもオペラのトランスクリプションのほうがより楽しめる。なお、モニューシュコの作品はPIANO21から発売されているピアノレアリティーズの第1弾、第3弾に1曲づつ他人によるトランスクリプションが収録されている。 ライナーノートはカツァリス直筆、日本語訳はこちらでどうぞ。 |
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2020年10月 |
《 Rarities Of Piano Music At Schloss Vor Husum 2019 》 ユリアン・フォンタナ:マズルカ Op.21-2 録音時期:2019年8月 |
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ここのところすっかり常連となったフズムピアノ音楽祭のライブ盤。カツァリスの演奏が収録されるのは、2015年、2016年に続き3回目。このときはショパンの弟子&モニューシュコプロで登場。収録されているのは来日公演でもやったフォンタナのマズルカと当日のアンコールで弾いたショパンの歌曲枯葉をペンソンが編曲したもの。 |
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《ギリシャのピアノ作品集 パパイオアヌ / コンスタンティニディス / レヴィディス》 ヤニス・パパイオアヌ(1910-1989):ピアノのための24の前奏曲集 録音時期:2020年7-8月 |
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ギリシャ人の友人が設立したMelismというレーベルからギリシャ人作曲家3人の作品を集めたCD。これまでギリシャの作品は盟友テオドラキスで2枚出していたが、そのほかはヴォヤージュVol.1の中でコンスタンティニディス1曲のみ。コンサートでは最近パパイオアヌーをたびたび弾いていた。どうやらあと1-2枚はシリーズは続くらしい。 |
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《ショパンの時代:ショパンの弟子と友人のピアノ作品集》 [CD1] 録音時期:2020年10月13日-16日 |
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ショパン研究所からの第2弾リリースは、来日公演でも披露した「ショパンの弟子・友人」作品集。上記の収録曲のうち、来日公演でも弾かなかった曲は、CD2-3~8のロスチャイルド作品、テレフセンのCD2-9マズルカ、CD2-13/14/15のノクターン、ワルツなど。ロスチャイルドはかの大富豪ロスチャイルド家の娘で作曲家だそう。 |
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2023年2月 |
《モーツァルト ドンジョバンニピアノ独奏版》 モーツァルト: 歌劇《ドン・ジョヴァンニ》全曲 (ビゼー編曲ピアノ独奏版) 録音時期:2021年8月1日-8日 |
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立て続けのリリースになったNIFCからの第3弾はショパンとは関係がない「ドンジョバンニ」のトランスクリプション。しかも全曲盤! ひとりシンフォニーに始まり、ひとりコンチェルトときて、とうとうひとりオペラって!?だが、この曲はビゼーの編曲でカツァリスの編曲ではない。レシタティーヴォを除くほぼ全曲のトランスクリプションでもちろん世界初録音のようだが、単に聴くにはちょっと厳しい。ビゼーの編曲はそれなりに工夫しているが、いくらなんでもピアノ1台でというのは単調で、それほどピアニスティックな編曲ではなく(比較としてタルベルクとかリスト)、やはりオペラものは単なるトランスクリプションではなくパラフレーズじゃないと厳しいのかも。カツァリスの演奏はかなり声を弾き分けていて素晴らしいとおもうが、なぜか今回は原曲に忠実で、むしろいつものように補筆したほうが良かったような気がする。1993年ソニークラシカルからリリースされた名盤「モーツァルティアーナ」には今回のビゼー編曲と同じで有名な「お手をどうぞ」のアリアだけ収録されているが、このときの演奏はちょっと遊びがあって今回との違いがよくわかる。カツァリス本人に聞いたところでは、今回の録音ではビゼー編曲に忠実にとのことなので、本人としては意図はあったのだろうが。なお、なぜショパンと関係ないのにNIFCからこれが発売されたのかというと、単にこのNIFCの代表にカツァリスが「こんな面白い楽譜あるで」と見せたところ、それいい!となってすぐ録音となったらしい。カツァリスもPIANO21から出すとなるとなにかと大変なのでノーリスクで渡りに船ということだったと。 |
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《メランコリック&ヒロイック・ポロネーズ集》 ユリウシュ・ザレンプスキ:メランコリックなポロネーズ ホ短調 Op.10 録音時期:2022年6月27-30日 |
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さすがのカツァリスでも自主レーベルPIANO21ではコスト的に見合わないようなこのようなマニアックな企画内容でもNIFCにとっては問題ないらしい。カツァリスにとってはオファーされてリスクもないので断る理由もないということかも。そんなNIFCレーベルでの第4弾はショパン以外のポーランド作曲家によるポロネーズ集。正直次から次へ似たようなポロネーズ曲調が続き、聴くのがツライ。 |