日々是カツァリス2010 9月29日ヤマハホール

絶賛来日公演中のカツァリスですが、水曜日はヤマハホールで室内楽でした。室内楽ならマーブル嬢ということでよろしく!

9月29日(水)、リニューアルされた銀座・ヤマハホールでの、カツァリスと国内若手実力派の弦楽器奏者の皆さんによる、貴重な室内楽の演奏会の為にはるばる上京致しました♪
近年、室内楽大好きなワタクシ、これは絶対に聴き逃せない!!
 
会場のヤマハホールは、333席(覚えやすい!・笑)の、いかにも室内楽・リサイタル向けのホールと言った感じで、昔カツァリスがよく弾きに来ていた、名古屋の電気文化会館ザ・コンサートホールを少し狭めた感じ。
 
名古屋の職場から直行という強行スケジュールで、慌てるあまり道を間違え1曲目のVnの礒絵里子さんとのシューマンのVnソナタは聴けず…(T_T)
モニターを通して聴く限りでは、ピアノが良く鳴っていて、お~、カツァリス気持ち良さそうに弾いてるじゃん、と…。
 
カツァリス・ファンサイトのブログですが、この演奏会に関しては、
まずは何といってもヴィオラの柳瀬省太さんにブラボーを!
 
私が最も楽しみにしていた、ヴィオラとピアノによる、シューマンの「おとぎの絵本」。深くゆったりとしたつややかな音…。最初の一音で、すでに遠征の苦労が報われた様でした。特に終曲でのどこまでもあたたかく穏やかな表情、
そしてそれにカツァリスが左手のメロディをそっと際立たせて、ヴィオラに寄り添っているようで、
もう本当に美しくて切なくて思わず涙が…。
 
後半、メインのショパンのPコン2番(室内楽版)でも、アンサンブルが危うくなりそうな場面においても、
常に中低音を支えるヴィオラが安定しているお陰で、合奏が空中分解してしまうような事態にはならず。
 
ヴィオラっていうのは音域的にも音色的にも本当に鳴りにくく、埋もれやすい音の楽器なんだけれど、他の4名があれだけ弾いている中でも、あの存在感…。
さすが、国内トップクラスのヴィオリストです!
 
シューマンの「幻想小曲集」を弾いたVcの山本裕康さん、初めは少しピアノに遠慮していた様な印象だったけれど、
2曲目、3曲目と進むにつれて(曲も動きのある曲調になってくるし)ピアノとの生き生きした対話になってきましたね。
 
前半のラストは、札響のコンマス・伊藤亮太郎さんによる、シューマンがVnとPf用に編曲した、パガニーニのカプリースから3曲。
デュオに編曲と言っても、ピアノは合いの手程度(笑)。伊藤さんの圧倒的で鮮やかな妙技を楽しみました。
 
全編を通して出ずっぱりだったカツァリス。
ピアニストにとってはかなりしんどいプログラムだった筈なんだけど、終始、それはもう楽しそうに弾いていたのが印象的でした。^^
 
響きも気持ちいいし、ヤマハの新作のコンサートグランドも絶好調だし自分の出すパス(たまにキラーパス!・爆)を柔軟に受け止めてくれて、皆で音楽での対話ができるってのも嬉しいし…って感じで。
 
Pコンでは、逗子のシューマンP五重奏では残念ながらあまり感じられなかった、カツァリス「らしさ」がちゃんと出ていて聴き応えありました☆
 
第2楽章の美しさと言ったら…!
このツアーでソロ版・P五重奏版と聴いてきたけど、その中でも一番の素晴らしさで、ずっと終わってほしくなくて、気づいたらまた涙が…。
 
終楽章はリズムのキレも冴えていて、愉しい合奏でした♪
 
こういう演奏が聴けると、本当に幸せです、カツァリス・ファンとしても、室内楽好きとしても…。
 
さて、アンコール…シューマンか?それともショパンの2楽章再演か?
 
なんとカツァリス一人でステージに戻って、「ソッキョウキョク!」
 
カルメンのハバネラに始まり、聞いた事あるメロディ(苦笑)に続いて、超絶・アルハンブラの想い出、「魔笛」の『恋人か女房が』タンホイザー、そしてシメはパガニーニ・ラプソディ…何か忘れてる気がするけど(笑)
とにかくふんだんの素材でそれはそれは華麗に盛り上げてくれていやはやもう参りました(_ _)
 
カツァリスの、アンサンブル・ピアニストとしての非凡なセンス、そして、いつものヴィルトゥオーゾっぷり、両方を一度に楽しむ事ができた本当に幸せな夜でした。
(報告者:マーブル)

次回は、9月30日の山梨公演です。

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