2022年6月ベルリンコンツェルトハウスでのコンサート

先週、ベルリンコンツェルトハウスでコンサートをしたようですが、凱旋公演と記事が出ていました。
https://www.bechstein.com/die-welt-von-bechstein/neuigkeit/die-triumphale-rueckkehr-des-cyprien-katsaris/
なぜかといえば、10年前に脳梗塞になったのがこの場所でのコンサートの最中だったからです。ご存じの通り、大事には至りませんでしたが、その後の復活ぶりをみると確かに「凱旋公演」かもしれません。
当時のブログ記事はこちら

以下記事の訳です。

シプリアン・カツァリスの凱旋公演

シプリアン・カツァリスが、ベルリン・コンツェルトハウスでのリサイタルの最後に脳卒中で倒れてから10年が過ぎた。先週の金曜日、C.ベヒシュタインのピアノリサイタルの冒頭で、そのとき彼を救ってくれたベルリンの医師たちに感謝の言葉を述べた。その後の彼の演奏は、畏敬の念を抱かせるものだった。今回のコンサートは、重要なピアニストの凱旋公演である。

ベルリン・コンツェルトハウスの常連演奏家とは一線を画す、独自の即興演奏で幕を開けたカツアリス。愚かな戦争とレパートリー禁止令に対抗して、ウクライナの作曲家セルゲイ・ボルトキエヴィチとロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフのテーマを即興で演奏したのである。そして、これらのテーマをカンタービレ風にセンスよく組み合わせ、ヴィルトゥオーゾ的なクライマックスを展開し、C.ベヒシュタインのコンサートグランドから、実にスリリングなソノリティを引き出したのだから驚きである。

「このグランドピアノは本当に素晴らしい」と、リハーサルのときからカツァリスは言っていた。そして実際、この楽器は、続くバッハ、ハイドン、シューベルト、リスト、ショパンの作品を、絶大な差別化、音色の美しさ、色彩感、そして広いダイナミックレンジでピアニストに展開させることを可能にした。他の多くのピアニストが平坦に音を鳴らすことを良しとするのに対し、カツァリスはリラックスした奏法で個性的な演奏を聴かせる。

後半のハイライトは、サン=サーンスの無声映画「ギーズ公の暗殺」のための音楽を演奏したことである。コンサートホールが映画館に変身し、舞台脇で陰謀渦巻くドラマチックな展開にふさわしい音楽的雰囲気を作り出した。最後に「動物の謝肉祭」はまさしく絵画的で、3回のアンコールが続いた。

シプリアン・カツァリスは、6月15日(水)にパリのサル・ガヴォーでベヒシュタイン(同じプログラム)と、6月19日(日)にトビリシ(グルジア)のトビリシ・ピアノ・フェストでベートーベンのピアノ協奏曲第3番と、さらに体験する機会がある。

ベルリンでもパリでも「ギーズ公の暗殺」は映像付きで生演奏するみたいですな。

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