長年カツァリスの正規・非正規録音のコレクターをやってますが、まだ知らなかったものが出てくるなんて思わなかったですが、運よく入手できました。
《NUIT DE LA QUATRA 74-75》
リスト:メフィストワルツ第1番 S.514
バッハ:ラルゴ(ピアノ協奏曲BWV1056)
1975年5月23日パリ・ギメ美術館でのライブ録音。
AAAA(Association of Armenian Artistic Action)主催による1975年のライブの一部に出演したときの非売品LP。
このときの出演についてカツァリスにきくと、この年1975年4月24日に例のシフラの前で演奏した熊蜂の飛行のTV生放送があり、それをみたアルメニア人アートディレクターのグレゴール・ハンパルツォミアン(Gregor Hampartzoumian)が急遽依頼してきたとのこと。ライブのタイトルは「NUIT DE LA QUATRA(クアトラの夜)」となっており、クアトラというのは1972年にこのハンパルツォミアンが設立した「アルメニア芸術活動協会」のこと。
なぜカツァリスに依頼があったかといえば、このTV放送があった4月24日というのはアルメニア人にとって重要な20世紀初頭にあったオスマントルコによる「ジェノサイド追悼記念日」(Wiki)らしく、カツァリスの演奏にこのハンパルツォミアンが感激したことに加え、この前年1974年にトルコによるキプロス侵攻があり、カツァリスを同じトルコによる被害国出身者としてシンパシーがあったのでは?ということらしい。
演奏については若きカツァリスの才気あふれる元気のいい演奏で、しかもテルデック録音以外の生演奏のメフィストワルツ第1番というのは非常に珍しく貴重な記録。(いままで協奏曲バージョンは生演奏で弾いた記録はあるが、ソロはこれが唯一)
ディスコグラフィー → https://wp.me/PaBulV-9O
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