日々是カツァリス2010 10月17日大阪公演

今日、実は大阪公演があったのね・・・。
さすがに追っかけ隊メンバーは誰も参加できず、関西在住MOREさんにレポートしてもらいます。

2010年10月17日 中之島国際音楽祭2010 
ショパン生誕200年記念 ショパンのサロン
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曲目: 
・即興演奏
・ショパン 春 (ショパン自身による編曲)
・ショパン=リスト 6つのポーランドの歌から 春
・ショパン アレグレットとマズール
・ショパン ノクターン op.9-2
・ショパン ノクターン 20番 遺作
・ショパン ノクターン op.15-3
・シューマン ショパンのノクターンの主題による変奏曲
・シューマン アラベスク 
・シューマン 子供の情景
・ゴットシャルク バンジョー
<アンコール>
・チャイコフスキー 10月 秋の歌
・ショパン コンチェルト 第2番2楽章(ピアノ独奏版)
ピアノ:YAMAHA

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今日は、中之島国際音楽祭の1コマということで、通常のピアノリサイタルの半分という長さでありましたが、ショパンとその時代を生きた作曲家&ピアニスト達といった感じで、個人的にはかなり好きなプログラムでした。昨年のベートーベンのプログラムを彷彿とさせる感じで、心の奥底まで染み渡る素晴らしい音色の音楽を聴くことができました。

場所は、特別会議場ということで、ホールのように音響板もないので、音が室内の壁にかなり吸収され、響きはいまひとつ、さらに、ピアノの、特に、ペダルの調子がかなり悪く、環境的には決して良くないところでした。しかし、観客は非常に集中して音を立てずに没頭して聴いており、本当に目の前で聴くことができて、私は幸せでした。通常のコンサートと違ってピアノとの段差が全くない場所というのは初めてでしたので、聴きに行った甲斐がありました。

カツァリス氏のピアノの音は、皆様ご存知のように、非常に柔らかく、心地よく聴けるとても美しいものです。前の連弾の組の音とあまりにも違いすぎることを改めて認識しました。これが同じピアノなのかと思うくらいに・・・。

カツァリス氏の頭の中には、一体、いくつの楽器の音色が飛び交っているのでしょうか。バイオリン、ビオラ、チェロといった弦楽器の音色かと思えば、何かの笛の音、鈴の音など、様々な楽器が、それぞれのパートとして鳴り響き、それが、一つのハーモニーとして奏でられている感じです。内声を浮き上がらせるのも、ある一つのパートの響きを目立たせる、あるいは音色を変えて目立たせるテクニックの一つですね。鍵盤の上には、見えない羽、あるいは、ふわっとした風のような空気が感じられます。観客の心をつかみ、カツァリスワールドに引きこむ魅力をもっています。

私のピアノの先生は、楽譜上に、例えば和音があったとしても、和音1つの塊として、縦に区切ってそれを弾いてはいけない、一つ一つの音は横につながっており、様々な楽器のパートがそれぞれ意味をもって存在するのです、と言います。今、あなたは、どんな楽器をイメージしていますか、旋律はバイオリン?、伴奏はクラリネット?、何ですか、と。私はいつもこの質問には困ってしまうのですが、そのことの重要さを今日は、目の前で感じることができました。

今日は、ショパンの命日、トロイメライの後など、時々祈るようなしぐさをしてました。ショパンに捧げる祈りの音楽、真珠の玉のように非常に美しい輝きをもつ音の数々・・ 天国にいるショパンにも通じるものがあったかもしれません。

そして、アンコール最後の曲は、天上の音楽ともいうべき、ショパンコンチェルト第2番の2楽章。先月の兵庫のコンサートのときほどではないですが、目の前で奏でられる音は、このままで終わるのはとても惜しいような、いつまでも輝く音に浸っていたいような気分でした。

今回、本当に残念だったのは、べダルを踏むとき、ノイズが入るため、ノクターンの直前で、一旦演奏中止して、調律が入ったことです。

最後にもう一つ。今回の大阪でのコンサートにご尽力くださった、U夫妻に感謝いたします。本当にありがとうございました。

(報告者:MORE)

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