カテゴリー: 日々是カツァリス2010

日々是カツァリス2010 9月23日茅ヶ崎公演

「これぞ、カツァリスの真骨頂!」

本日のおっかけレポートは、9月23日の茅ヶ崎公演です。

この茅ヶ崎公演、関東圏で唯一の休日開催で、また今回の来日公演でショパンのソナタ3番を弾く唯一の日でもあるため、コアな信者層から、You Tube の動画をみて興味をもったライト層まで幅広く集まってきた感もあり、そのような人たちにどのような演奏で答えるかが興味あるところでした。
ちょっと心配だったのは、そのメイン曲であるソナタ3番は、最近弾いていないため、仕上がり具合がどうかというところです。

ところが、その心配が的中。いきなりの当日プログラム変更で、ソナタ3番が3・4楽章のみとなり、代わりに、マズルカ、ノクターン嬰ハ短調遺作、ソナタ2番の第3楽章葬送行進曲が追加と、また変なプログラムに。このソナタ3番の3・4楽章のみというパターンは今年の5月のソウルで経験済みなのですが、はっきりいってソウルではよくありませんでした。
いきなり、凡演フラッグが立ってしまったか?という中でスタート。

登場したカツァリスは日本語で「ソッキョ キョク」と、即興演奏で本日はスタート。軽井沢ではアンコールに持ってきた即興演奏だったが、今日は冒頭で。
本日の材料は、「サムソンとデリラ」「アルハンブラ」「タンホイザー」「パガニーニラプソディ」の4品目。(会場出口の説明のボードには、ハンガリー舞曲とかいてあったが、それは軽井沢でのこと)
後半のタンホイザー、パガニーニラプソディはいつもの定食メニューだが、アルハンブラにはびっくらこいたな。あのCDピアノラリティーズで度肝を抜いた同音鬼連打炸裂! あれほんとに弾けるモンなんだ・・・。即興演奏はどうも毎日材料を変えてくれそうで、これは追っかけとしては、一つ楽しみが増えますな。

さて、本プロのショパン。前半は予定されていた曲から変更無しで、淡々とすすむ。まず、印象としては、ちょっとピアノの鳴りが悪いかなと。ただ、どうもピアノが悪いというよりはホールの響きがデッドだった影響のほうが大きいかもしれません。
カツァリス自身の調子としては、引き続き好調をキープ。また、定番レパートリーでのいろんな味付けも軽井沢とは変わってる部分もあって、やはりかなり意図的・即興的に変化をつけているのだなと再認識。とくにこの日の子守唄はゆりかご揺らしすぎ(笑)
相変わらずの弱音の美しさは健在で「ああ、やはりいいなあ」と思うことしきりでした。
ただ、カツァリスも少し弾きにくそうにしてる瞬間もあり、これは比較の問題なのですが、あの変幻自在のカツァリスマジックワールドを完璧に作り出してくれた軽井沢公演よりは、若干この日の出来は落ちるかなと思います。これは、ホールの音響のせいが大きく、あの精妙な弱音ピアニズムを実現するには、「本人の調子」「ピアノのコンディション」「ホールの音響」という3要素が完璧でないといけないのです。その点でこの日の茅ヶ崎市民会館はちょっと音響的に不利でした。いや、もちろんこの日の演奏もいい演奏だったですよ。でも逆に言えば、軽井沢が良すぎてあまりにハードルが上がってしまったのも事実ですなあ。

そんなことを考えながらも、後半スタート。この後半こそが、大半の聴衆が楽しみにしてくれていたソナタ3番がどうなるかで今日が成功かどうか決まるであろう重要なところ。まず、さらりとマズルカ。(このマズルカもずいぶん弾きかたが変わってたけど) で、本プロにもってきたカツァリス十八番のノクターン嬰ハ短調遺作。そして久しぶりにソナタ2番から葬送行進曲、この曲順、流れって妙に暗くなるよな・・・。

いよいよソナタ3番。予測されてた通りの4楽章は猛スピードで駆け抜ける超高速バージョン。実はソウルでもこのスピードで驚愕したのだが、ソウルと違ってカツァの調子が悪くはないので、破綻無く終了。(いまだからいうがソウルは悪かったんですよ・・・)
これなら、なんとかこれ目当てでやってきた人たちも満足できる内容だったのではないでしょうか。(しかし3・4楽章だけっちゅうのは、ソナタを聴いたって感じがまったくしない・・・聞いた気がしないという意味では春のポゴレリッチの演奏と同じだが、とても同じ曲とは思えんし・・・)

それなりに盛り上がった本プロ終了後は、アンコール突入、なにか変わった曲をやってくれるのだろうかという期待・・・。

1曲目、ショパンコンチェルト2番ソロバージョン2楽章。これは本当にいいアンコールピースになったね。おそらくノクターン嬰ハ短調遺作を本プロでやったからこちらがアンコールに回ったって感じかな。この曲は何回でも聞きたい。

2曲目、おなじみゴッドシャルクのバンジョー。バンジョーとカツァが言った瞬間、客席から歓声があがったくらい、お待ちかね!なのか。意外に期待してる人多いのね。確かに盛り上がるからな。花火のように終了、喝采。

3曲目、チャイコフスキー四季より秋の歌10月。カツァのチャイコフスキーっつたらこれしかないからなあ。

4曲目、バッハコンチェルトNo.5 BWV1056よりラルゴ。ここのところ、アンコールでバッハといえばシロティ編のプレリュードだったのだが、この日は珍しくラルゴ。伴奏の左手のスタッカートをこれでもかと効かせて、抑制された静寂バッハ。流れ出る音がコロコロと音色を変えて魅了されますた。

5曲目、これが本日のハイライト。シューマン作曲トロイメライ冒頭さくらさくら(笑) 当日聞いてない人はなんのことかさっぱりだと思いますが、冒頭に即興風にさくらさくらのテーマを弾いたあと、トロイメライになり、どうなるんだ?と皆が思っていながらも、そのまま普通にトロイメライが終わったという摩訶不思議な演奏でした。。。これはおそらく、さくらさくらをテーマにして即興的に弾きはじめたものの、続きを忘れたか、面倒くさくなったかで、トロイメライに変更、そのまま弾き切ってしまったという、これぞある意味ほんものの「即興演奏」というものだった思います。真相はカツァリスにきいてもごまかされるだけだとおもうので、やめておきましょう。面白かったからいいや。(笑)

で、いろいろあった茅ヶ崎公演も終了。カツァリスは相変わらず、ご機嫌で体調も良いし、好調をキープ。冴えまくっている弱音の魅力も堪能でき、もちろん定番のようなワルツ、幻想即興曲での内声えぐりはこれでもかと健在。アンコールでは、バンジョーで盛り上げ、バッハでしっとり、おまけに最後によくわからない謎トロイメライを平気な顔で弾き切って、まさにやりたい放題。で、冒頭の言葉へ戻ります。

「これぞ、カツァリスの真骨頂!」 

やりたい放題は、まだまだ続きます。次は、25日土曜日に西宮・兵庫県芸術文化センターです。

引き続き告知します。
↓↓↓

オフ会を開催いたします。
会の趣旨としては、カツァリスが好きな人なら誰でも気軽に参加していただけるものです。

「カツァリスを囲む会2010」

日時:10月16日(土)13:30-16:30

場所:東京・赤坂見附駅近辺(参加が決まった方にのみお知らせします)

参加費:5,000円(予定)事前振込
    ワンドリンク、軽食、デザートつき
内容:
 ・カツァリスからの近況報告
 ・カツァリスと自由に懇談、サイン、写真
 ・参加者同士の懇親
 ・希望者のみカツァリスと連弾
    (希望の方は、5分以内の曲を楽譜持参でご用意ください。希望者が
多い場合は抽選にさせていただきます)

申し込み方法など、詳しくはこちら。


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日々是カツァリス2010 9月22日逗子公演

今日は、逗子でのベートーベン弦楽四重奏団との共演だったわけですが•••。

13:30に名古屋から車で出発した管理人がホールに着いたのが、19:45。。。東名上りの清水インター付近でおきた渋滞に巻き込まれそんな時間に。。。もう今日は間に合わないと思ったがなんとか後半のカツァリスの出番には間に合いました。もう疲労困憊。。。

さてその後半のシューマンピアノクインテットですが、••• ••• ••• えー、はっきりいってベートーベン弦楽四重奏団さん、困ったちゃんです。。。以上

しかしアンコールで、ショパンコンチェルト2番の2楽章のカルテットバージョンをやってくれて、なんとか救われました。これがなければ厳しかったです。

これは銀座ヤマはホールの室内楽公演が楽しみになってきましたよ。
案外ソロバージョンよりも聞き応えあるかもしれませんね。

まあ今日はこれ以上何もなし。。。明日は茅ヶ崎公演。ソナタ3番はどうでしょうか。。。

引き続き告知します。
↓↓↓

オフ会を開催いたします。
会の趣旨としては、カツァリスが好きな人なら誰でも気軽に参加していただけるものです。

「カツァリスを囲む会2010」

日時:10月16日(土)13:30-16:30

場所:東京・赤坂見附駅近辺(参加が決まった方にのみお知らせします)

参加費:5,000円(予定)事前振込
    ワンドリンク、軽食、デザートつき
内容:
 ・カツァリスからの近況報告
 ・カツァリスと自由に懇談、サイン、写真
 ・参加者同士の懇親
 ・希望者のみカツァリスと連弾
    (希望の方は、5分以内の曲を楽譜持参でご用意ください。希望者が
多い場合は抽選にさせていただきます)

申し込み方法など、詳しくはこちら。


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日々是カツァリス2010 9月20日軽井沢公演

「シプリアン・カツァリスは、美しい」

内館牧子ならこう始めるでしょう。
そう、美しかった! カツァリスは美しかった。。。

管理人は、すでに25年くらいのカツァリスファン歴で、もういい加減「カツァリスジャンキー」といってもいいくらいです。つまり「慣れっこ」になってるわけで、だからこそ、新レパートリーを弾いて弾いて、とねだるわけですが、この日、カツァリスは何を弾いてもやっぱり「すごい」ということを再認識。。。

カツァリスさん、やっぱアンタはエライ!

この日カツァリスのパフォーマンスの最大の魅力になったのは、やっぱり美音。とくに弱音の美しさときたら、最近の出色の出来。一番のpppは、ポロポロと宝石のように響かせ、中弱音は、くぐもらせた音で手で撫でるように弾く音の心地よさ。。。これはやはりピアノ(もちろんヤマハ)のコンディションの良さと相性の良さも大きいのでしょう。後半になるにしたがって自由自在に音色をコントロールしておりました。今日のホールだと後ろのほうで聞いたほうがよかったかもしれない。

それから、ちょっとびっくりしたのが、前半のワルツやノクターンなどのおなじみの曲での味付け。たとえば、内声エグリで有名なワルツOp.64-2など、何十回聞いたことかわからないくらいだけど、今日の演奏ではいままでにない遊びを入れてて、ハッとしたところも。リピートしてエグリを入れる前にかなり意図的な Pause を入れたり、ちょっと rit したり。そのほかの曲でも、いままでffで弾いてたところを急にppに落としたり、調子に乗ってたのか、かなり味付けが変わってました。これが即興的なのか、意図的なのかは、何回か今後の公演で聞けば分かるでしょう。おそらく、ピアノが自分の思い通りに鳴るので、気持ちよくなって、思うがままにドライブした結果なのだと思います。
それから、前半はちょっとプログラムが長いかと思うけど、最後に幻想即興曲から子守唄に休みなくつなげたのは流れが途切れないでいい演出だったかも。

で、後半のショパン2番コンチェルトソロバージョンですが、やはり北京で聞いた時よりも、完成度は上がっていたと思います。北京ではかなり慎重に弾いてたのに、今回は遊びが少し加わった感もあるし。そして、やっぱりこの曲は2楽章の美しさがすべて。もう、ずっと続いてくれと思えるような美しい音が頭上から振ってくる何とも幸福な時間となりました。

それから、アンコール

①ゴッドシャルクのバンジョー
バンジョーは、その日の調子のリトマス試験紙みたいなもんで、やはり調子が良いとそれがあらわれます。今日は気持ちよさそうに弾いておりました。

②シューマントロイメライ
この曲だけをアンコールに弾くのは実は珍しい。あんまり記憶にありませんな。

③ショパンノクターン嬰ハ短調遺作
このショパンコンチェルト2番をメインプロにもってくるオールショパンプロなら、絶対に弾くだろうと思っていたこのカツァリス十八番がやはり出ました!

④バッハ(シロティ編)プレリュード
これでもかと、抒情的な曲の3連発アンコール。

⑤即興演奏
で、もう終わりだろうと思ったら、即興演奏!! この即興演奏はこれまでコンサートの冒頭にやるのが今年に入ってのパターンだったので、今日もそうかと思ってたら、最初ではなく、アンコールの最後に!! これはなかなかいい演出ですよ、カツァリスさん!! 演奏効果抜群。かなり客席盛り上がったですよ。残念ながら客入りはなか6-7割であまりよくなかったけど、スタンディング状態になりました! ちなみに今日の即興演奏のパーツは、ハンガリー舞曲1番にはじまり、魔笛、だったん人の踊り、タンホイザー、パガニーニラプソディ、というもの。後半はおなじみだけど、だったん人ははじめてだったかなあ。いや、これは最初にやるより盛り上がるよ。これから茅ヶ崎、浜離宮などへ行く皆さん、今回は最後にこのような即興があるかもしれません。決して途中で帰らないように!!!

そんなわけで、遠く軽井沢まで遠征した甲斐があってなかなかの満足度でした。次回は逗子のベートーベンカルテットとの共演です。

引き続き告知します。
↓↓↓

オフ会を開催いたします。
会の趣旨としては、カツァリスが好きな人なら誰でも気軽に参加していただけるものです。

「カツァリスを囲む会2010」

日時:10月16日(土)13:30-16:30

場所:東京・赤坂見附駅近辺(参加が決まった方にのみお知らせします)

参加費:5,000円(予定)事前振込
    ワンドリンク、軽食、デザートつき
内容:
 ・カツァリスからの近況報告
 ・カツァリスと自由に懇談、サイン、写真
 ・参加者同士の懇親
 ・希望者のみカツァリスと連弾
    (希望の方は、5分以内の曲を楽譜持参でご用意ください。希望者が多い場合は
     抽選にさせていただきます)

申し込み方法など、詳しくはこちら。


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日々是カツァリス2010 ウィーンクラブ主催公演

本日は名古屋ウィーンクラブというセレブな人達が集まる団体主催のコンサート&ディナー。かなり場違いな我々もビジター扱いで参加させてもらいました。 場所はメイカンこと名古屋観光ホテル。。。

会場は一番大きな宴会場。150名くらい入ってるかな。ピアノはヤマハ。
カツァリス登場して挨拶の後、最近お決まりの即興演奏。ウィーンの森の物語のメロディーが出てきたのはウィーンクラブ仕様か(笑)
本プロは、シューベルトのレントラー舞曲を数曲、シューベルトリスト歌曲3曲、マーラー第五シンフォニーアダージェットが前半。後半はシューマン子供の情景にはじまり、ショパンのワルツ、ノクターン幻想即興曲、子守唄で終了。アンコールで例のショパンコンチェルトソロバージョンから第二楽章で終了でした。
感想は手短にいうと、宴会場のピアノはやはりダメダメだったし響きももちろん悪かったけどカツァリス自身の調子はよく、ご機嫌で明日以降期待できそうで、ほっとしました。

さてコンサートがおわってからの食事会、我々は主催者さんの計らいで一緒のテーブルに。参加者リストの肩書きに「カツァリスファン」と書かれているのはワロタ。とうとう肩書きになってしまった。。。
みなでワイワイ話して食べて楽しかったですな。新しい出会いも多くありましたし。
最大の収穫はマーブル嬢の名フィル人脈をいかして、カツァリスの名フィル招聘にかなり前進できたことかな。理事長に直訴のマーブル嬢、GJ!

でもってこの日の最大の見ものは、モンシュシュの堂島ロールとカツァリスのコラボ(!?)だったわけですが、どういうことなのかは、その場にいた人だけの秘密ということで。(笑)
まあ、カツァリスがご機嫌でツアー初日をスタートできてよかったということで。ではまた明日。明日は軽井沢公演です。
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日々是カツァリス2010 スタート!

今週日曜日からいよいよカツァリスの来日公演がスタートします。管理人も珍しく結構おっかけます。
そこで、いつもの追っかけ日記「日々是カツァリス2010」はこのブログ上を中心に書きます。
このリンク先にアクセスください。

とりあえず日程だけおさらいしておきましょう。

9月19日   名古屋観光ホテル ウィーンクラブ主催公演
9月20日   軽井沢大賀ホール  
9月22日   逗子文化プラザ なぎさホール ベートーヴェンカルテットと共演 
9月23日   茅ケ崎市民文化会館 
9月25日   兵庫県立芸術文化センター 
9月26日   福知山市厚生会館 大ホール 
9月29日   銀座ヤマハホール 室内楽
10月1日 宮崎でマスタークラス
10月2日   宮崎県立芸術劇場 当日発表
10月3日   愛知県芸術劇場コンサートホール 公開レッスンあり)
10月8日   浜離宮朝日ホール
10月17日  グランキューブ大阪特別会議室 中之島音楽祭ミニコンサート
10月18日  銀座ヤマハホール マスタークラス1日目
10月19日  銀座ヤマハホール マスタークラス2日目
10月20日  広島・東区民文化センター 
10月22日  東京オペラシティコンサートホール

これに9月30日に山梨での公演が加わる予定です。レポートは、大阪公演以外は誰かができる予定です。

今回の来日公演は、浜離宮の後、一度ベルリンへ行ってからまた戻ってきての1か月以上の滞在となります。体調をくずさないように各地でいい演奏を繰り広げてほしいです。
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