カテゴリー: CD情報

最新CD発売情報:ショパン協会からモニューシュコのCD発売

今月、モニューシュコプロのライブで話題になりましたが、そのライブに先立ち3月にスタジオ録音していたCDが発売になります。
内容はライブでの曲目、オペラ、歌曲のトランスクリプションが中心になりそう。
いまのとこ、発売情報はショパン協会の通販でしか見当たりません。
CDは1枚15ユーロなのですが、送料が25ユーロと高いのですが、やむを得ずオーダー済み。。。
https://sklep.nifc.pl/?produkt=2_153&&&jezyk=pol

カツァリスの全CDの中でレコ芸特選盤に選ばれたのはどれか?

《超難問クイズ》
カツァリスは、いままでCDを約90枚弱リリースしていますが、実はそのうちレコ芸特選盤に選ばれたものはたった2枚(!)しかありません。
それはどのCDでしょうか? ツイッターまたはブログコメント欄でどうぞ。
(ズバリの当選者の方には、なにか秘蔵コレクションから差し上げます)

対象のCD
EMI:オーマンディとのリスト
テルデック/RCA/SONY:全CD
PIANO21:下記のみ
レコ芸の月評は原則として国内盤のみを対象としており、PIANO21は3分の2が輸入盤扱いで月評対象になっていません。
月評に載ったのは日本語解説をつけてリリースされた以下のCDのみです。
・モーツァルトピアノ協奏曲シリーズVol.1/2
・アーカイブシリーズVol.6 ベートーヴェン(協奏曲3番など)
・カーカイブシリーズVol.15 シューマン(パピヨンなど)
・バッハリサイタル Vol.2 トランスクリプション
・モーツァルトトランスクリプション
・モーツァルトファミリー
・アーカイブシリーズVol.1 ロシアンミュージック(ラフマニノフ、チャイコ協奏曲)
・旅のアルバム ヨーロッパ
・ウィーン・コネクション
・ショパンピアノ協奏曲第2番
・カツァリスプレイズリスト Vol.1
・ピアノレアリティーズ Vol.3 トランスクリプション
・ベートーヴェンピアノ協奏曲第5番皇帝
・親和力
・広瀬悦子とのチャイコ、火の鳥

なお、レコ芸の月評は、評論家2名ともが「推薦」マークをつけたものが「特選盤」となるシステムです。
正解は5月中にArticleコーナーのレコ芸月評一覧を更新して発表する予定です。

PIANO21情報:テオドラキスCDの解説文

2017年11月に発売されました、カツァリスの地元の大先輩、ミキス・テオドラキスに捧げるCDですが、中の解説をカツァリスが自分で書いていますので、紹介します。


CDの曲目:
カツァリス:テオドラキスの『その男ゾルバ』による大幻想曲~ギリシャ狂詩曲(世界初録音)
カツァリス:テオドラキスの歌曲による自発的な即興曲(世界初録音)
テオドラキス:11の前奏曲 AST.44より第7番「Andante semplice」
テオドラキス:12のメロス AST.541より第5番
テオドラキス:ピアノのための小組曲 AST.90

 
私が最初にギリシャの偉大な作曲家ミキス・テオドラキスに会ったのは、1978年3月1日にパリのサル・プレイユで開かれた1974年の戦争の難民犠牲者のためのチャリティーコンサートでした。
私はこのコンサートで自作の「キプロスのラプソディ」を初めて演奏しました。(注:このときの演奏はアンコール集CDに収録されている)

また、80年代の初めに、私はRTL交響楽団と2枚組のCDをレコーディングしました。テオドラキスのピアノ協奏曲第7番、組曲第7番、交響曲第2番「地球の歌」で、テオドラキス本人が指揮をしました。(注:これはPIANO21から発売済み) 私たちはこのプログラムをベルギやルクセンブルクのエテルナハ国際音楽祭でも演奏しました。

そして、ここ数年私は、映画ソルバのサウンドトラックをベースにした12分くらいのピアノ作品をリストが有名なハンガリー狂詩曲でやったようなスタイルで作曲しようかと考え始めてました。
 
1990年代に私はテオドラキスから彼のゾルバの楽譜を受け取りました。それはイタリアのヴェロ-ナ音楽祭から委嘱されたもので、彼がパリのアパートで8カ月かけて作った手書きの追加の音楽も含まれていました。
 
私はそれをじっくり読み込み、自分の最初のアイデアを膨らませることができる音楽性に感銘しました。しかし、私はコンサートやレコーディングが忙しく、2005年から2007年1月17日にフロリダで完成するまで、ときどきなんとか合間をみつけて、結局数年かかりました。
 
この曲は53分もの大曲でギリシャの人々に捧げます。しかし、とにかく練習、演奏するのには難曲です。私は常に楽譜を広げ、離れることができませんでした。難しいだけではなく、私は常にコンサートとレコーディングに追われているのです。
 
この状況に、とにかく早くこの新曲を聴きたいテオドラキス氏はイライラしてきました。
 
2012年2月、アテネでのコンサートでテオドラキス氏の前で彼のピアノ協奏曲を演奏したあと、私はゾルバの抜粋を即興演奏し、ステージから聴衆の前で彼にこう呼び掛けました。
「あなたが立腹されているのは分かってます。私はこれを練習し、レコーディングする時間がなかったのです。しかし、とうとう私はあなたにこの52ページの楽譜を捧げます」

2017年の春、このプロジェクトをなんとかやり終えました。これに加え私はいくつかの有名な彼の歌曲を主題にした15分の即興曲も録音しました。さらに、彼の音楽的才能の多面性を示すオリジナルのピアノ曲も数曲加えました。

私は、このレコーディングプロジェクトを完全なギリシャ人によるものにしたかったのです。作曲家、ピアニスト、すばらしいレコーディングエンジニア、そして写真家、すべてギリシャ人です!

Cyprien Katsaris                            

注:ちなみにこれがこのゾルバ曲の自筆譜!!! なんじゃこりゃ!!??

 

新譜情報:次のPIANO21新譜リリースはモーツァルトピアノ協奏曲全集

長らく止まっているPIANO21からの新譜リリースですが、Vol.7まで発売済みのモーツァルトピアノ協奏曲を一気に全集で発売する予定だそうです。
これまで買ってきたものは・・・というところもありますが、全集になることがまずはめでたいことで。
2-3ヶ月のうちに発売予定とのとこですが、どうでしょうか。
ご存知の通り、カデンツァに相当こだわりがあるようで、解説を書くのに1週間かかったと言ってました。。。
まさか2万円とかしないよな???

PIANO21新譜情報: カツァリス 111 ピアノヒッツ 録音データについて CD3-5

前回の続きです。今回はCD3-CD5です。

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まずはCD3-1、1曲目からピンクパンサーのテーマ! これは1996年の来日公演のバルカロールプロのアンコールで突如披露して、それ以来弾いていないというものです。なかなかおもしろいです。

CD3-2の白鳥は、フレンチミュージックからの再録です。1988年来日公演名古屋でのライブです。

CD3-4のバッハのアリアなのですが、これは新録音ではなく、サウンドトラックアレグロからの再収録です。

CD3-6のスカルラッティのソナタは、新録音です。これまでは、ゲスト出演したDVDで一部弾いていたのみです。コンサートでも弾いたことがある形跡はありません。

CD3-7のファリャの火祭りの踊りも、なんとスタジオ録音での新録音。この録音は非常に良い状態でフランスラジオでの公開録音音源が残っているので、てっきりこれかと思ってましたが。この曲も1980年代前半はコンサートで弾いていたので、日本でも弾いてほしいものです。

CD3-10 ショパン別れの曲。これもさすがにショパンライブ集からの再収録です。

そのあと、CD3-11から16まで新録音が続きます。とくに12のトルコ行進曲なんて、いまさらどうしたのって感じ。この曲は個性派ピアニストが好き勝手弾くのが最近の定番ですが、カツァおじさん、なぜかその流れには加わらず。。。

CD3-17 バッハのバディネリ。これは例のバッハトランスクリプション集からの再収録です。が、CD解説に書いてある録音データは間違っています。正しくは2003年1月です。これは確認済みです。

CD3-18から20までも新録音です。アリランのやつはよくわからん。

CD3-21 クリスマスの思い出。とうとう正規で発売。これは1度だけフランスのピアノ音楽雑誌の付録CDに収録されました。それにしても、この季節になるとついつい聞いてしまう。あの鐘の音をどうやって弾いているのか未だに謎。

CD3-22 月光1楽章も新録音。ベートーヴェンプロのアンコールで少し弾いたことがあるだけだが、第1楽章だけといわずに全部録音してほしい。というか、1980年代はベートーヴェンのソナタは全曲録音すると豪語していたのに。。。

CD3-23 ドビュッシー月の光。CD3-2と同じく日本公演ライブでフレンチミュージックからの再収録。

CD3-24 シューベルト軍隊行進曲も初出新録音。今回はこういうシューベルトとかシューマンで新録音が多い。

CD3-25 ワルキューレはさすがにSONY CLASSICALからの流用。

CD3-26 シューマン「ウィーンの謝肉祭の道化」から間奏曲。新録音。だから全曲やってくれってば。

CD3-27 プロコ7番終楽章。もちろん新録音であるはずなく、例の変態超速演奏の最終録。アルバム唯一のモノラル録音。

続いてCD4。

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CD4は再発売ものが多いです。

新録音の初出ものは、CD4-4・6・7・9・11・12・13のみです。

CD4-3のバッハトッカータとフーガは、CD3-17同じくバッハトランスクリプション集からの再収録ですが、これも同じく録音データは間違っています。

CD4-12は、よくアンコールやコンサート冒頭でやる即興演奏でおなじみのフレーズをつなぎ合わせて仕上げたという感じです。こういうのもスタジオ録音するというのも意外です。

CD4-13も上海公演のアンコールで披露していましたが、ライブではなく新録音ですね。

最後にCD-5です。

111_piano_hits_cd5.jpg拡大できます。

CD5にはなかなか面白い演奏がつまっています。

CD5-1 剣の舞、再収録ですが、これもなかなかの変態演奏です。しかも、1度だけ浜離宮公演でも披露し度胆をぬかれました。。。

CD5-2 サティジムノペディ第1番。サティはフレンチミュージック集でグノシエンヌを弾いていましたがこれははじめてです。昔からカツァリスは一応フランスで教育を受けたフランス人ピアニストの位置づけですが、フランス物はあまり弾きません。

CD5-4 このバッハも新録音です。イギリス組曲は初録音です。フランス組曲は第2番を録音していますが。

CD5-5 ショパンピアノ協奏曲第1番2楽章ソロバージョン。2番でなく1番なので新録音です。来日公演でもこれは弾きました。

CD5-6のシューベルトレントラーもこれまで弾いたことがない新しいものです。

CD5-7のブラームスワルツは弾いたことあるようで実はない。浜離宮のアンコールにサプライズで宮沢メイコさんと連弾したくらい。

CD5-9 エリーゼのために。今回トルコ行進曲とかエリーゼのためにまで新録音。キーシン君みたいにアンコールで弾いたらベタに盛り上がるぞ。

CD5-12 結婚行進曲。メンデルスゾーンの編曲らしいけど、やはりピアノ版は違和感あるな。新録音。

CD5-13 花のワルツ。新録音。おそらく今後発売が予定されているロシアものアルバムから先行収録になったのでは? これは浜離宮公演でも披露した曲。

CD5-14 ペールギュント朝。テルデック盤ではなくアーカイブシリーズのライブバージョンを再収録。

CD5-15から21 すべて新録音か初出。即興演奏でたまにでてくるアランフェス。CD3-21と同じ津田ホールライブで披露したハッピーバースデー変奏曲は意外にも初出。ユーチューブで見られるメニューヒンの誕生会で弾いてたやつです。
ガーシュイン、バーンスタインも新レパートリーかな。効果音入り。

CD5-22 ピアソラは新録音。DVDになっている上海ライブには入っていました。

CD5-23 おなじみアディオスは、初出のライブバージョンです。

以上、なんかぐちゃぐちゃしててわかりにくいけど、初録音のものが多くなかなか楽しめます。
あと2013年と2014年に録音したものはこれまでと違って音が良いと思います。
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PIANO21新譜情報: カツァリス 111 ピアノヒッツ 録音データについて CD1‐2

5枚組の 「111 PIANO HITS」がとうとうリリースされましたが、意外なものが再録音されていたりして、なかなか興味深いので録音データをまとめてみました。

カツァリスは基本飽き性なので、一度自分のレパートリーにして録音したものは、再録音するということはありません。また、ライブで弾いた曲もそのときに録音せずに、後になって録音するということもありません。

ところが、今回その両方の点で予想を裏切ってくれました。結果かなり多くのものが新録音、初出ということになっています。

まずはCD1からです。

111_piano_hits_cd1.jpg

いきなりCD1-1のバッハプレリュードBWV.846 が初出の再録音です。このあたりは確実に既存音源の使い回しかと思われましたが、意外にも新録音でした。特にこのバッハは、2000年6月録音のP21007「バッハVol.1」と、2005年10月録音の「アレグロサウンドトラック」に引き続き、3回目の録音となり、カツァリスにとって異例中の異例となります。よほど前のものが気に入らないのだろか・・・。

CD1-2,3 のバッハ・グノーのアヴェマリア、ワルソーコンチェルトは初出新録音、とうとう録音したかという感じ。

CD1-4の英雄ポロネーズ、これはさすがにSONY CLASSICAL録音からの再収録です。

CD1-5、6も初披露。5のシューマンは何曲かこのアルバムに散りばめられているのだが、なんか煩雑で聴きにくい。。。

CD1-7のアルハンブラは、再発売です。

CD1-8からCD1-18まで、ずっと初出の新録音。とくにバルトークとかカツァリスにしては珍しい。
あと、CD1-17でJ.シュトラウスのシュット編でウィーンの森の物語がありますが、おなじシュット編でドナウはすでに録音済みなので、それを再収録してもよさそうなのに、あえてもう1曲新録音というのが、らしくなく、やる気に満ちていますな。

CD1-19/20も再収録もの。さすがに革命をもう一度とはいかないわな。

CD1-21 さくら即興曲は、これまでライブのアンコールなどで弾いていたものをスタジオ録音して収録。ライブ音源があるはずなので、それを収録せずに、録音しなおしたところが、これまた、珍しくやる気満々。。。

CD1-22 初出の新録音の威風堂々第1番。これもまた意外で、数年前のライブでよく弾いたので、すでに消化済みの曲にもかかわらず、今回あらためてスタジオ録音するとは。。。

CD1-26 バンジョーはライブ録音ですが、これまで出てなかった別テイクの初出音源です。

続けてCD-2

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CD2-1 ハンガリー狂詩曲第2番は、既発売ものの再収録です。

CD2-2から5のハイドン、クープラン、シューマンまでは初出、新録音。

CD2-6のトロイメライがなんとまた新録音。カツァリスのトロイメライは、テルデックスタジオ録音盤に、アーカイブシリーズに収録されている1989年津田ホールでのライブがあるので3回目のリリースとなります。映像ではエテルナハライブもあります。

CD2-7のシューベルトリストのアヴェマリアは新録音ではないものの、2000年のライブで、これまでリリースされておるものとは別テイクライブなので初出です。トロイメライとかも新しくスタジオ録音するなら、これもすればいいのに。。。(ていうかシューベルトリストの歌曲ははやくスタジオ録音で1枚アルバム作ってほしい。。。)

CD2-8は再収録もの。

CD2-9のマルチェロバッハのアダージョは、山ほどライブで弾いてるし音源もあるのに、これまたスタジオ録音の新録音。またスタジオ録音でも例のアレグロのサウンドトラックにあるので、2回目の録音となります。

CD2-10 無言歌より春の歌。初出、新録音なのだが、これはうれしい! とうとう無言歌やるか? 他も録音してほしい!

CD2-12 ショパン前奏曲7番。なんとこれも新録音。これなんか、SONY CLASSICAL盤があるんだから絶対再収録だと思ったのに! 一方、CD-4-10に収録されている同じショパン前奏曲16番は、ソニー盤の再収録なのだから、ますますわけわからんぞ。

CD2-13,14 ハバネラ、ファランドール、名曲アルバム集らしい曲。案外来日公演とかで弾くかも?

CD2-16 ブラームス間奏曲2番。いままでも弾いてもおかしくない曲だったと思うが、とうとうここで録音。

CD2-17 バターブレッド。これもアンコールでよく弾く曲だが、あらためてスタジオ録音。CDではテルデック盤のライブ集以来なので40年ぶりくらい?

CD2-18 シューベルトもかつてEMI盤以来の再録音。

CD2-20/21 第九第四楽章とショパンワルツ7番は再収録。さすがにね。。。

以上CD1/2の録音データ&ミニ解説でした。残りは後日。つづく。。。
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PIANO21新譜情報: カツァリス 111 ピアノヒッツ

以前に年末くらいに発売されそうとツイートしましたいわゆる名曲集ですが、とうとう5枚組で発売されるようです。
なかなか面白い内容なので、ちょっと興味深いところを青でコメントします。
曲目フォーマットはタワーレコードよりコピペ。

タワーレコード→http://sp.tower.jp/item/3732809/Katsaris—111-Piano-Hits
HMV→http://www.hmv.co.jp/artist_%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E4%BD%9C%E5%93%81%E9%9B%86_000000000017977/item_Katsaris-111-Piano-Hits_6037615

『シプリアン・カツァリス 111・ピアノ・ヒッツ』

<CD 1>
J.S.バッハ:前奏曲第1番ハ長調 BWV.846(平均律クラヴィーア曲集第1巻より)
グノー(グノー編):アヴェ・マリア*
アディンセル(ギール/カツァリス編):ワルソー・コンチェルト*
ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53 《英雄》
シューマン:兵士の行進(子供のためのアルバム Op.68より)
ブラームス(ムーア編):子守歌 Op.49-4
タレガ(ペンソン編):アルハンブラの思い出
アルビノーニ/ジャゾット:アダージョ*
ショスタコーヴィチ(ノアック編):ワルツ第2番*(ジャズ組曲第2番より)
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 Sz.56
シューベルト:ワルツ第10番(12の高雅なワルツ Op.77, D.969より)
ヨハン・シュトラウスII世(パラフレーズ:シュット):ウィーンの森の物語
グルック(チェイシンズ編):メロディー(バレエ音楽《オルフェウス》より)*
マスネ(マスネ編):瞑想曲(歌劇《タイス》より)
ショパン:練習曲第12番ハ短調 Op.10-12 《革命》
カツァリス:日本の歌《さくら》による即興曲*
エルガー(シュミッド編):行進曲《威風堂々》第1番Op.39-1*
ヘンデル(即興アレンジ:カツァリス):サラバンド(組曲第11番ニ短調 HWV.437より)
C.P.E.バッハ:行進曲ニ長調 BWV.Anh.122(アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳より)、ソルフェジエット ハ短調 H.220, Wq.117:2
ゴットシャルク(カツァリス編):バンジョー ~ ゴットシャルク・ファンタジー, アメリカン・スケッチ

名曲集らしく、ワルソーコンチェルト、ブラームス子守唄、アルビノーニのアダージョ、あたりは新録音かと。
あとシュット編ドナウではなくウィーンの森の物語ならこれも新録音か?
その他、革命、英雄ポロネーズは、既存のCDからの収録だと思われます。
ゴッドシャルクもバンジョー以外は新録音ですね。

<CD 2>
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
ハイドン(クレメンティ編):第2楽章 アンダンテ(交響曲第94番ト長調 Hob.I-94 《驚愕》*
クープラン:収穫をする人たち(クラヴサン曲集第2巻より)
シューマン:収穫の歌(子供のためのアルバム Op.68より)、楽しい農夫(子供のためのアルバム Op.68より)、トロイメライ(子供の情景 Op.15より)
シューベルト(リスト編):アヴェ・マリア Op.52-6, D.839
ラフマニノフ:前奏曲ト短調 Op.23-5
マルチェッロ(J.S.バッハ/カツァリス編):第2楽章 アダージョ(オーボエ協奏曲ニ短調 Op.1より)
メンデルスゾーン:春の歌 Op.62-6(無言歌集より)
シューマン:乱暴な騎手(子供のためのアルバム Op.68より)
ショパン:前奏曲7番イ長調 Op.28-7
ビゼー(ホフマン編):ハバネラ(歌劇《カルメン》より)*
ビゼー(編曲者不詳):ファランドール(劇音楽《アルルの女》より)*
作曲者不詳:メヌエット ニ短調 BWV.Anh.132(アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳より)
ブラームス:間奏曲第2番変ロ短調 Op.117
モーツァルト伝(カツァリス編):バター付きパン
シューベルト:コティヨン変ホ長調 D.976
スクリャービン:アルバムの綴り(3つの小品 Op.45より)
ベートーヴェン(リスト/カツァリス編):第4楽章 プレスト:アレグロ・アッサイ《歓喜の歌》(交響曲第9番ニ短調 Op.125より)
ショパン:ワルツ第7番嬰ハ短調 Op.64-2

カルメン、ファランドールというあたりは確実に新録音ですね。第九の四楽章などはテルデック音源でしょう。
シューマンの子供のためのアルバムってのは新録音かな。

<CD 3>
マンシーニ:ピンク・パンサーのテーマ*
サン=サーンス(ゴドフスキー編):白鳥(動物の謝肉祭より)
作曲者不詳:ミュゼット ニ長調 BWV.Anh.126(アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳より)
J.S.バッハ:アリア(ゴルトベルク変奏曲 BWV.988より)
リュリ:クーラント*
スカルラッティ:ソナタ ハ長調 K.159
ファリャ:火祭りの踊り(バレエ音楽《恋は魔術師》より)
オルフ(エリック・チュマチェンコ編):全世界の支配者なる運命の女神~1.おお、運命の女神よ – 2.運命の女神に傷つけられて(カルミナ・ブラーナより)
シューベルト:ワルツ第19番(36の独創的舞曲《最初のワルツ》 Op.9, D.365より)
ショパン:練習曲第3番ホ長調 Op.10-3 《別れの曲》
ラヴェル(シャルロ編):眠りの森の美女のパヴァーヌ(組曲《マ・メール・ロワ》より)*
モーツァルト:トルコ行進曲(ピアノソナタ第11番イ長調 K.331より)
ダンドリュー:小笛 – ロンドー
シューベルト:楽興の時第3番ヘ短調(6つの楽興の時 Op.94, D.780より)
ヴィヴァルディ(ファリーナ編):第2楽章 ラルゴ(ヴァイオリン協奏曲集《四季》 – 協奏曲第4番ヘ短調 Op.8, RV.297 《冬》より)*
ヘンデル(ツェルニー編):ハレルヤ(オラトリオ《メサイア》より)*
J.S.バッハ(カツァリス編):バディネリ~バーレスク・スタイル・アレンジ(管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV.1067より)
シューベルト:ワルツ第35番(36の独創的舞曲《最初のワルツ》 Op.9, D.365より)
ワイル(編曲者不詳):タンゴ・バラード(歌劇《三文オペラ》より)*
カツァリス:韓国の歌《アリラン》による即興曲*、クリスマスの思い出(ファースト・ヴァージョン)~グルーバーの《きよしこの夜》による幻想曲*
ベートーヴェン:第1楽章 アダージョ・ソステヌート(ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2 《月光》より)
ドビュッシー:月の光(ベルガマスク組曲より)
シューベルト:軍隊行進曲第1番ニ長調 Op.51-1, D.733(リスト:演奏会用大パラフレーズ)
ワーグナー(ブラッサン/カツァリス編):ワルキューレの騎行(楽劇《ワルキューレ》より)
シューマン:間奏曲(ウィーンの謝肉祭の道化より)
プロコフィエフ:第3楽章 プレチピタート(ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83 《戦争ソナタ》より)

ピンクパンサー、きよしこの夜、月光1楽章、なんかはおそらくアンコールでのライブ録音ですね。
なにをおもっていまさらトルコ行進曲??? もちろん新録音です。
プロコ7番3楽章は新録音ではなく例の超ハイスピード演奏のライブ再収録だろ思いますが。
ワルキューレもソニー音源かな。あといくつか編曲ものも新録音がありそう。

<CD 4>
シフラ:演奏会用練習曲第1番(リムスキー=コルサコフの《熊蜂の飛行》による)
モーツァルト:第2楽章 アンダンテ(ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467 《エルヴィラ・マディガン》より)†
J.S.バッハ(カツァリス編):トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565
チャイコフスキー:6月 舟歌(四季 Op.37aより)
ブラームス(カツァリス):ハンガリー舞曲第1番ト短調
ブラームス(レーガー編):第3楽章 ポコ・アレグレット(交響曲第3番ヘ長調 Op.90より)*
ルビンシテイン:メロディー ヘ長調 Op.3-1
ドリーブ(ドホナーニ編):ワルツ(バレエ音楽《コッペリア》より)
パッヘルベル(カプドヴィーユ編):カノン*
ショパン:前奏曲第16番変ロ短調 Op.28-16
ボロディン:夜想曲(小組曲より)
カツァリス:様々な主題による即興曲(ブラームス:ハンガリー舞曲第4番、オッフェンバック:歌劇《ホフマン物語》より 舟歌
モーツァルト:歌劇《魔笛》より 恋人か女房が
サン=サーンス:歌劇《サムソンとデリラ》より あなたの声で心は開く
ヴェルディ:歌劇《椿姫》より プロヴァンスの海と陸、他)*
任光(王建中編):彩雲追月
ラフマニノフ:第3楽章 フィナーレ(ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30より)‡

コッペリア、パッヘルベルのカノンとか新録音ですね。カノンをピアノ1台で普通に弾くのでしょうか?
他は割と既発売ものか、アンコールのライブ録音が多そうです。
即興演奏は上海のライブと思います。
最後のラフ3コンチェルトは先日発売されたエリザベートコンクールのものですね。

<CD 5>
ハチャトゥリアン(ソリン/カツァリス編):剣の舞(バレエ音楽《ガイーヌ》より)
サティ:ジムノペディ第1番
フォーレ(コルトー編):ドリーの庭(組曲《ドリー》 Op.56より)*
J.S.バッハ:ミュゼット ト長調(イギリス組曲第3番 BWV.808より)
ショパン(ショパン編):第2楽章 ロマンス – ラルゲット(ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11より)
シューベルト:レントラー第5番(8つのレントラー D.681より)
ブラームス:ワルツ第15番変イ長調 Op.39-15
ドヴォルザーク(カツァリス編):スラヴ舞曲ホ短調 Op.72-2
ベートーヴェン:バガテル第25番イ短調 WoO.59 《エリーゼのために》
マルティーニ(ビゼー編):愛の喜びは – ロマンス*
リスト:夜想曲第3番 《愛の夢》
メンデルスゾーン(メンデルスゾーン編):結婚行進曲(劇音楽《夏の夜の夢》より)*
チャイコフスキー(タネーエフ編):花のワルツ(バレエ音楽《くるみ割り人形》 Op.71より)*
グリーグ(グリーグ編):朝の気分(ペール・ギュント組曲第1番 Op.46)
ロドリーゴ(ロドリーゴ編):我が心のアランフエス(アランフエス協奏曲より)*
カツァリス:マイルドレッド・J&パティ・S・ヒルの《ハッピー・バースデー・トゥ・ユー》による幻想曲(ファースト・ヴァージョン)*
ガーシュウィン(ガーシュウィン編):ライザ(ソングブックより)
バーンスタイン(スミット編):ジェッツ、ジャンプ、チャチャ(ウェスト・サイド・ストーリーより3つの楽章)
ヴィラ=ロボス(グセー編):アリア《カンティレーナ》(ブラジル風バッハ第5番より)*
ピアソラ:ラ・ミスマ・ペーニャ*
カラスコ:アディオス

いくつか、日本でやったロシアプログラムのものが入っていますが、これがスタジオ録音かその公演のライブなのか、興味深いです。ガイーヌとか実はあの浜離宮公演で一回やっただけでどうも他では演奏していないようですし。
あと新録音では、結婚行進曲に、エリーゼのために??? なんかどうしてしまったんでしょうカツァリス。。。

こうみると半分以上新録音っぽいので、なかなか楽しみなアルバムです!
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PIANO21《シプリアン・カツァリス・アーカイヴス Vol.14》「エリザベート王妃国際音楽コンクール・ライヴ1972」から本人手記 「ブリュッセルの思い出」

ブリュッセルの思い出

 国際ピアノコンクールは数あれど、特別に権威あるものは3つか4つでしょう。ベルギーエリザベス王妃国際音楽コンクールはその1つです

 私はまず最初にベルギーに対しては、非常に鮮やかなマンガ絵に出会って親近感がありました。私は、たくさんのベルギーの偉大なアーティストの9人のマンガコレクションを持っています。例えば、エルジェ、フランカン、ペヨ、モーリス、ヤコブ、ファンデルステーンなどです。

 私がパリ音楽院で勉強していた1960年代、エリザベス王妃国際コンクールが注目され始めており、私は当時ほとんど経験がないのもかかわらず、1972年にエントリーを決意しました。私が1次審査のときに弾いたものは、ショパンエチュードOp.25-10,Op10-10、リスト超絶技巧練習曲4番マゼッパ、5番、ドビュッシー練習曲opposite sonorities、プロコフィエフ練習曲Op.2-4、ショスタコーヴィチソナタNo.1 Op.12、それにこれは主催者に感謝すべきですが、ヘンデルのsublime Suite もありました。これは、ほとんど弾かれることはないものです。

 27か国68人の参加者は、まず、24人に絞られました。審査員には有名なピアニストも多く、エミール・ギレリス、レオン・フライシャー、アニー・フィッシャー、モニク・ド・ラ・ブリュショルリ、などです。モニークはいうまでもなく私の先生でしたが、私に投票することは禁じられていました。あくまで公平に、ということで。

 二次審査では私は39度の熱をだしてしまいました。ブルガリアの審査員のLiuba Entchevaが私の額に手をあてて熱を測ってくれたことを覚えています。私は、リストのロ短調ソナタ、バッハの前奏曲とフーガNo.4、モーツァルトソナタk333、メシアンの愛の眼差し、ウェーベルン変奏曲Op.27を二次審査では弾き、ベルギーの曲では、Peter Benoit の第3,4番幻想曲を選択しました。二次審査での指定曲は、Paul Baudouin michelの難曲 Concentric variationsでした。

 そこから12人のファイナリストが選ばれました。ファイナリストは、オーケストラと自分で選ぶコンチェルトを1曲、ソロ曲で二次審査でのリストに入っていない曲を一曲、1972年にこのために作曲されたベルギー人作曲家のJacques Leduc のコンチェルトを指定曲として弾きました。私はラフマニノフの第3協奏曲とショパンのポロネーズOp.44を弾き、課題曲の20分間3楽章から成るコンチェルトをたった8日間で勉強して弾きました。幸いなことに暗譜する必要はなかったのですが、日本人の神谷郁代さんだけは暗譜したのです!

 私たちファイナリスト12人は、アルジャントゥイユというウォータールーの近くにある町に隔離され、最終審査に備えるという気が重い要求の準備をしました。私たちはみな、このJacques Leducのよく書けているものの難しいコンチェルトを練習するのに時間がなく、ほとんどパニックになっていました。しかし、みな日が経つにつれだんだんとマスターできました。
教訓:どうしようもなければなんとかなる!

 いよいよ最終日が始まりました。ソビエトからの参加者は当局が十分に準備させておりコンチェルトもコンサートで弾いているなどしていましたが、私はそれとは違い、ラフマニノフの第3協奏曲もほとんどはじめて演奏するようなものでした。TVやラジオも入り、無慈悲な審査員を前に、私のプレッシャーは最高潮でした。

 本番のDefossez指揮ベルギー国立管弦楽団とのリハーサルの前に1回だけマニュエルローゼンタール指揮のパリ音楽院の学生オケとリハーサルできました。私は何よりもDefossezとベルギー国立管弦楽団の働きぶりに感嘆しました。午前中に2人の参加者のコンチェルトを4曲(つまり2曲は選択した曲、課題曲を2回)やり、午後も他の2人と同様に4曲、一方同じ午後には、前日リハーサルした2人とも再度4曲リハーサルをします。そんな感じで12人で計24曲のコンチェルトを6日間でやり遂げるのです!

 1972年6月3日にようやく授賞式でした。審査員が舞台に並び、審査委員長Mr.Marcel Pootから順に名前が呼ばれていきます。呼ばれたら審査員と順に握手します。私は9位で名前が呼ばれやはり失望しましたが、2200人の聴衆のすごい歓声と審査員へのブーイングにより救われました。私は目を丸くしている審査員達に誇りを持って挨拶しました。これはTVとラジオでベルギーにて中継されていました。

 この驚くべき聴衆とメディアの後押しは、まだ鉄のカーテンが存在した当時の西ヨーロッパ側からの唯一の入賞者という満足な結果以上に、意味のあるものだったと言わざるをえません。Baudouin 国王は「この若いピアニストはほとんど革命だった!」と言ってくれました。

 現地を去る際は、ベルギー人ピアニストの Alex de Vriesの未亡人に車に乗せてもらいました。彼女を待っている間、私は彼女の友人であったエミール・ギレリスと彼女が話しているのに気づきました。ギレリスは車の中の私をみて、右手でお祝いの親指アップをしてきました。彼女が戻ってきて言いました。「ギレリスがあなたに“なんの心配もない。君は偉大なキャリアを築くよ”と言ってくれって」と。

 ギレリスがソ連のピアニストを優勝させなければ審査員を辞めると机をたたきながら脅したという噂がありますが、もうお分かりでしょうが、単なる噂でしかありません。

 私はアントワープへの帰りの電車で、この特別なコンクールの驚くべき人気を目撃し、いろいろな人々から声をかけていただいたことに深く感動していました。

 それだけでなく、コンクールが終了する前から、ベルギーDeccaのPaul Bertinchamps から私とDavid Livelyの2人はそれぞれレコーディングのオファーを受けていました。彼は私たち2人ともトップ3に入賞すると確信していました。Davidは6月5日に、私は6月6日の午前中になんとたった4時間半でモーツァルトソナタK333とリストのロ短調ソナタを録音しました。その日の午後には国王と王妃の主催するレセプションに出席しなければならなかったのです。

 6月9日には優勝者であるヴァレリー・アファナシエフのコンサートがあり、そのときにはレコードディストリビューターのAntonie に初めて会いました。彼は私のベストフレンドとなりました。それからベルギーDeccaはレコーディングからなんと3-4日で私たち2人のレコードを販売し始めました。また、ドイツグラモフォンベルギーはファイナル進出者のトップ3のコンチェルトのレコードを発売する予定でした。しかし、聴衆やメディアの後押しのおかげで私のレコードも発売することになりました。

およそ20年以上前に私はこの録音の版権を購入し、それがこのCDとなりました。

私はエリザベス王妃コンクールの関係者、ベルギー国立管弦楽団のみなさん、指揮者のDefossez 、ベルギーの聴衆のみなさん、メディア、すべてのベルギーの友人と忘れられない思い出を共有できたことに感謝します。

2012年9月4日 フロリダ
シプリアン・カツァリス

レコーディング情報 : これ完全にフライングですけど(情報解禁前)

下記のリンク先は、ビオラ奏者のHPなのですが、
http://www.stephenupshaw.com/events/

この人のスケジュールにASMIFの活動予定が入っており、

Academy of St. Martin in the Fields
April 5, 2014
Recording with pianist Cyprien Katsaris and Sir Neville Marriner.

と書いてあります。

これ、実は「皇帝」のレコーディングです。

このマリナー指揮でのオケ伴奏皇帝と楽団ひとりバージョンの皇帝でCDを、というわけですな。

こんなの書いていいんかいな。知-らないっと。
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PIANO21新譜情報:1972年エリザベートコンクールライヴ

前々から、情報はありましたが、とうとう出ます。

カツァリスの実質的なデビュー盤でDGから発売されていた1972年エリザベートコンクールの本選ライブの復刻CD化です。オリジナルのLPはとっくに廃盤で、中古市場ではなかなかのプレミアが付いていました。

PIANO21_Rachmaninov.jpg

《カツァリスアーカイヴスVol.14》
エリザベート王妃国際音楽コンクールライヴ1972年

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ショパン:ポロネーズ第5番
ルデュック:ピアノ協奏曲Op.31

シプリアン・カツァリス
ルネ・デフォセ指揮ベルギー国立管弦楽団

1972年5月31日 ブリュッセルライヴ

LPでは、ラフマニノフのコンチェルトだけの収録でしたが、今回は、ショパンのポロネーズとルデュックという人の協奏曲の2曲が追加収録されています。

このルデュックのピアノ協奏曲というのは、ベルギーの現代作曲家であるジャック・ルデュックという人のこのコンクールのための委嘱作品です。

カツァリスによれば、それはそれは訳が分からない曲で、楽譜が配られたときは参加者はパニックになったらしく、しかし、わずかな準備期間で唯一完璧に暗譜したのが、日本人の神谷郁代さんだったとのこと。

有名な話ですが、カツァリスはこのコンクールで、エミールギレリスのせいで9位に終わり、物議をかもしたというエピソードでそこそこ有名になり、その後のシフラコンクールにつなげています。

ちなみにこのときの1位はギレリスがゴリ推ししたアファナシエフで(ギレリス絶許)、4位がいまでもときどき共演する David LIVELY 、6位神谷郁代、7位、エマニュエル・アックス、という感じでした。

これがリリースされるということは、PIANO21の財政難は一息ついたのだろうか。

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