ディスコグラフィー : 1990年代 ソニークラシカル 時代のカツァリス

1970年代 若き日のカツァリス(DG/EMI/Decca他)
1980年代 TELDEC時代のカツァリス
1990年代 SONY CLASSICAL 時代のカツァリス
1993年 「ショパンを弾く」のカツァリス
2000年代以降 PIANO21時代のカツァリス
2000年代 その他の録音
未発売録音・映像

1993年1月
SONY
ショパン:ソナタ第1・2・3番

《管理人の独断による推薦度》A
実演で弾くことがない2番が貴重

カツァリスのショパン全集は、彼の性格らしく、徹底的な全集を目指していたようで、この第一弾でも珍しい1番ソナタを収録してくれている。いまさらながら、「編曲物」だけでない真の実力をみせつけた1枚。期待に溢れた全集スタートとなった。
1993年2月
SONY
《モーツァルティアーナ》

ゲリネク:「魔笛」のパパゲーノのアリアによる変奏曲
リスト:アヴェ・ヴェルム・コルプス
ツェルニー:フィガロのモティーフによる華麗な幻想曲
ベートーヴェン:フィガロの結婚より「もし踊りをなさりたければ」による11の変奏曲
タルベルク:ラクリモーサ
タルベルク:「ドンジョバンニ」のセレナーデとメヌエットによる幻想曲
ビゼー:お手をどうぞ
フィッシャー:雷雨
ケンプ:田園変奏曲
カツァリス:モーツァルトを偲んで
カツァリス:モーツァルティアーナ

《管理人の独断による推薦度》S
いわゆる編曲物の入門編としては最適。

管理人が選ぶソニー時代のベストCD。モーツァルトに因んで作られた編曲物や変奏曲の数々を抜群のセンスとテクニックで何気なく料理。チェルニー、タルベルクの曲と、カツァリスの自作「モーツァルティアーナ」は必聴。自作はピアノコンチェルトの主題をこれでもかというほどこねくり回して、最後は超絶技巧で圧倒。とにかく最初の瞬間から音色の美しさに度肝を抜かれる。テルデックからSonyへ移籍して録音レベルは格段に上がった。絶対に手元に置かなければいけない名盤中の名盤。
1993年7月
SONY
ショパン:24の前奏曲Op28
ショパン:前奏曲嬰ハ短調
ショパン:前奏曲変イ長調遺作
ショパン:歌曲集「ポーランドの歌」より春
ショパン:アレグレット&マズール
ショパン:2つのブーレ
ショパン:3つエコセーズ
ショパン:ボレロ
ショパン:アレグレット嬰ヘ長調
ショパン:カンタービレ変ロ長調
ショパン:フーガ イ短調
ショパン:コントルダンス
ショパン:ギャロップマルキ
ショパン:アルバムの一葉

《管理人の独断による推薦度》B
プレリュード以外の小品が貴重

ショパン第二弾はプレリュード集。世界初録音曲を3曲含む。発売時にはショパンを弾くがNHKで放送されており、一時期とはいえかなり「ショパン弾きのカツァリス」というイメージが一般音楽ファンに定着した。
1994年6月
RCA
ショパン:チェロソナタOp65
フランク:チェロソナタ

Vc:オーフラ・ハーノイ

《管理人の独断による推薦度》C
ハーノイどこいってしまったんでしょう?

最近、あまり話題をきかない元祖アイドルチェリストとの共演盤。ツェートマイヤーとの共演に続く「カツァリスなんでそんなCDを」シリーズの第2弾、究極の理解不能CD。しかも初登場のRCAに。あえて、カツァリスがでてきた理由をさがせば、「美人」だから、に違いない。ちなみに、RCAの宣伝文句には「ハーノイがこの2曲を録音するにあたりカッツァリスを選んだ」と書いてある・・・。
1994年9月
SONY
ショパン:ポロネーズ(全17曲)
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
ショパン:葬送行進曲(3バージョン)

《管理人の独断による推薦度》A
英雄ポロネーズだけでもA判定

ショパン第3弾はポロネーズ集の2枚組CD。リズム感抜群のカツァリスの快演。ただ明らかにやりすぎのところもあるので好き嫌いが分かれるアルバムだが実演で弾くことのない英雄ポロネーズだけでも必聴。第10番と葬送行進曲はバージョン違いを収録。結果としてこれが最後のSONYからのショパンのリリースとなり、結局ショパンの全集計画は、「ソナタ」「プレリュード」「ポロネーズ」のみで終了することになった。
1994年10月
SONY

《ワグネリアーナ》

タンホイザー序曲/黒鳥館に到着して
ワルキューレより ジークムントとジークリンデ/ジークムントの愛の歌/ワルキューレの騎行/魔の炎の音楽
神々の黄昏より 葬送行進曲
ニュルンベルクのマイスタージンガーの回想 第4番より 優勝の歌/ギルド組合員たちの行進の場面
トリスタンとイゾルデより前奏曲

《管理人の独断による推薦度》B
さすがにこれは一般受けしないので・・・

SONYからモーツァルティアーナに続く編曲物第二弾はなんとワーグナーもの。もっともピアノ音楽に合いそうに無いワーグナーのオペラを主題にした編曲物。1曲目のタンホイザー序曲を聴けば、このすごさがわかる。これでもかと異次元空間に放り出され、気づいたら、カツァリスワールドに。ただ、有名で実演でもよく弾くリスト編曲「トリスタンの愛の死」が収録されていないのは明らかに意図的。ちょうど来日していたため、来日記念盤として、日本先行リリースだった。
1995年12月
SONY

《イタリア風バッハ》

バッハ:イタリア協奏曲/協奏曲ニ長調BWV972/ト長調BWV973/ト短調BWV975/ハ長調BWV976/ハ長調BWV977/ヘ長調BWV978/ト長調BWV980/トッカータト長調BWV916

《管理人の独断による推薦度》B
中にはピアノ1台ではつらいものもある・・・

少しづつバッハに手を染めていた彼らしいコンセプト物。バッハのイタリア風作曲様式の編曲物で、意外性はあまりないが、1枚のアルバムとして、非常によくできた1枚。実はVol.1とタイトルにはついてあるので続編がレコーデング済みだったが、その後完全にお蔵入り。しかし突如2022年にPIANO21からバッハ未発表アルバムとして陽の目を見た。
なぜかヨーロッパのSONYでは再発売繰り返され比較的手に入れやすい1枚。
2015年1月

SONY CLASSICAL
88875060542

《 PIANO MASCARADE 》

CD1:
1.バッハ:バディネリ(原盤PIANO21「バッハトランスクリプション」)
2.ハチャトリアン:仮面舞踏会よりワルツ(原盤PIANO21「ピアノレアリティーズVol.3」)
3.ハチャトリアン:ガイーヌより剣の舞(原盤PIANO21「ピアノレアリティーズVol.3」)
4.ショスタコーヴィチ:ジャズ組曲第2番よりワルツ第2番(原盤PIANO21「111ピアノヒッツ」)
5.ヘンデル:メサイヤよりハレルヤ(原盤PIANO21「111ピアノヒッツ」)
6.モーツァルト:アイネクライネナハトムジークより(原盤PIANO21「モーツァルトトランスクリプション」)
7.Jシュトラウス2世:美しく青きドナウ(原盤PIANO21「旅のアルバムVol.1」)
8.ヴィヴァルディ:四季冬よりラルゴ(原盤PIANO21「111ピアノヒッツ」)
9.ワーグナー:ワルキューレの騎行(原盤SONY「ワグネリアーナ」)
10.アルベニス:タンゴ(原盤PIANO21「旅のアルバムVol.1」)
11.オルフ:カルミナブラーナより(原盤PIANO21「111ピアノヒッツ」)
12.マーラー:交響曲第5番よりアダージョ(原盤PIANO21「ピアノレアリティーズVol.1」)
13-16.ラフマニノフ:2台のピアノのための組曲第2番(原盤PIANO21「ピアノレアリティーズVol.3」)

CD2:
1.Rコルサコフ(シフラ編曲):熊蜂の飛行(原盤テルデック「アンコール」)
2.モーツァルト:交響曲第40番より第1楽章(原盤PIANO21「モーツァルトトランスクリプション」)
3.シューベルト(ゴドフスキー編曲):美しき水車小屋の娘より朝の挨拶(2013年新録音)
4.シューベルト:交響曲第8番未完成より第1楽章(原盤PIANO21「ウィーンコネクション」)
5.カツァリス:いろいろなテーマによる即興演奏(2014年新録音)
6.ホセ・ローロン:ローザス「波涛を越えて」によるワルツカプリース(原盤PIANO21「ラテンアメリカリサイタル」)
7-9.バッハ(ヴィヴァルディ):オルガン協奏曲第2番BWV593(2000年新録音)
10-15.リスト:6つのポーランドの歌S.480(2011年新録音)
16.ルイ13世(カツァリス編):汝、太陽を信ずる者(原盤PIANO21「フレンチミュージック」)
17. ド・リール(リスト&カツァリス編):ラ・マルセイエーズ(原盤PIANO21「フレンチミュージック」)

《管理人の独断による推薦度》B
即興演奏が新録音なので、それくらい・・・

2015年最初の驚きのリリースはなんと1990年代に喧嘩別れしたはずのソニークラシカルからの新譜リリース。しかもソニー音源の再発売ものかとおもいきや、PIANO21やテルデックの録音に加え、新録音も含んでいるというサプライズ物。どうやらなんらかの事情で関係が修復された模様。ファンにとっては朗報だがこれからのリリース予定などは不明。
上記のうち、CD2の3、5、7-9、10-15の4曲が完全に初出の新録音。

2015年5月SONY
CLASSICAL
88875050462

《 Cyprien Katsaris THE SONY RECORDINGS 》

Disc1:『イタリア風バッハ』
Disc2:『ショパン:ピアノ・ソナタ全集』
Disc3:『ショパン:前奏曲集』
Disc4-5:『ショパン:ポロネーズ全集』
Disc6:『モーツァルティアーナ』
Disc7:『ワグネリアーナ』

これまでのソニークラシカルでの録音をBOXで再発売。
全盛期の才気あふれるカツァリスの演奏にはため息しか出ず。こういう流れだと、中断したショパン全集の再開はあるのか? ノクターン、エチュードの録音はあるのか?? とは思うものの、このソニーの録音を聞いていると当時のクオリティーで、いま現在果たして録音できるのかどうか、とも思う。