カツァリスがベルリン・フィルとラフマニノフの協奏曲???

というのは、エイプリルフールでもないのだが、そういう予定があるのでもない。

家の資料を整理したらでてきた本。
小澤幹雄のやわらかクラシック(1998年刊)
 
ご存知、マエストロセイジの弟さんで、同じタイトルでFM番組なんかも持っていたのでこの本も知ってる人が多いかも。
なんでこんな本を自分が持っているのかいまいち分からずパラパラめくると、カツァリスの項があった。
ああ、それで買ったのか、とまったく記憶なく読むと、筆者の小澤幹雄氏が、Hanako創立1周年記念コンサートでカツァリスのコンサートにいったときのエピソードが。
これは1989年9月14日に浦安の東京ベイヒルトンホテルでカツァリスのディナーコンサートが行われたときのハナシなのだが、後半のディナーでカツァリスと同じテーブルになった小澤幹雄氏がカツァリスから話しかけられ・・・
 
「こんどベルリン・フィルとラフマニノフの協奏曲やることになってるんだけど、指揮者は未定なんだ。できれば僕は君のお兄さんにやってもらいたいけど・・・・」

ふぁ? ふぁ??? 何それ??? マジか???
ご存知の通り、カツァリスとベルリン・フィルは、1984年6月に定期演奏会で共演し、テオドラキスのピアノ協奏曲を弾いたのが、最初で最後のはずだが???(詳細はこちらでも)
その後、1989年にあったのか??? もしかして、自分が知らないだけ??? やばい、FMでやったか???

まあ、もし本当に共演していたら、音源も残っているでしょうし、おそらくこの話は流れてしまったのでしょうが、セイジでなくても、なんとも惜しい・・・。
というか、この本買ってあるのに、読んでなかったんかな、まったくこのエピソードも記憶にない・・・。

PIANO21情報:テオドラキスCDの解説文

2017年11月に発売されました、カツァリスの地元の大先輩、ミキス・テオドラキスに捧げるCDですが、中の解説をカツァリスが自分で書いていますので、紹介します。


CDの曲目:
カツァリス:テオドラキスの『その男ゾルバ』による大幻想曲~ギリシャ狂詩曲(世界初録音)
カツァリス:テオドラキスの歌曲による自発的な即興曲(世界初録音)
テオドラキス:11の前奏曲 AST.44より第7番「Andante semplice」
テオドラキス:12のメロス AST.541より第5番
テオドラキス:ピアノのための小組曲 AST.90

 
私が最初にギリシャの偉大な作曲家ミキス・テオドラキスに会ったのは、1978年3月1日にパリのサル・プレイユで開かれた1974年の戦争の難民犠牲者のためのチャリティーコンサートでした。
私はこのコンサートで自作の「キプロスのラプソディ」を初めて演奏しました。(注:このときの演奏はアンコール集CDに収録されている)

また、80年代の初めに、私はRTL交響楽団と2枚組のCDをレコーディングしました。テオドラキスのピアノ協奏曲第7番、組曲第7番、交響曲第2番「地球の歌」で、テオドラキス本人が指揮をしました。(注:これはPIANO21から発売済み) 私たちはこのプログラムをベルギやルクセンブルクのエテルナハ国際音楽祭でも演奏しました。

そして、ここ数年私は、映画ソルバのサウンドトラックをベースにした12分くらいのピアノ作品をリストが有名なハンガリー狂詩曲でやったようなスタイルで作曲しようかと考え始めてました。
 
1990年代に私はテオドラキスから彼のゾルバの楽譜を受け取りました。それはイタリアのヴェロ-ナ音楽祭から委嘱されたもので、彼がパリのアパートで8カ月かけて作った手書きの追加の音楽も含まれていました。
 
私はそれをじっくり読み込み、自分の最初のアイデアを膨らませることができる音楽性に感銘しました。しかし、私はコンサートやレコーディングが忙しく、2005年から2007年1月17日にフロリダで完成するまで、ときどきなんとか合間をみつけて、結局数年かかりました。
 
この曲は53分もの大曲でギリシャの人々に捧げます。しかし、とにかく練習、演奏するのには難曲です。私は常に楽譜を広げ、離れることができませんでした。難しいだけではなく、私は常にコンサートとレコーディングに追われているのです。
 
この状況に、とにかく早くこの新曲を聴きたいテオドラキス氏はイライラしてきました。
 
2012年2月、アテネでのコンサートでテオドラキス氏の前で彼のピアノ協奏曲を演奏したあと、私はゾルバの抜粋を即興演奏し、ステージから聴衆の前で彼にこう呼び掛けました。
「あなたが立腹されているのは分かってます。私はこれを練習し、レコーディングする時間がなかったのです。しかし、とうとう私はあなたにこの52ページの楽譜を捧げます」

2017年の春、このプロジェクトをなんとかやり終えました。これに加え私はいくつかの有名な彼の歌曲を主題にした15分の即興曲も録音しました。さらに、彼の音楽的才能の多面性を示すオリジナルのピアノ曲も数曲加えました。

私は、このレコーディングプロジェクトを完全なギリシャ人によるものにしたかったのです。作曲家、ピアニスト、すばらしいレコーディングエンジニア、そして写真家、すべてギリシャ人です!

Cyprien Katsaris                            

注:ちなみにこれがこのゾルバ曲の自筆譜!!! なんじゃこりゃ!!??

 

カツァリス氏、フランス大統領選出馬を決意

フランスの世界的ピアニスト、シプリアン・カツァリス氏(67)が、次期フランス大統領選への出馬を目指していることが4月1日明らかになった。
カツァリス氏は20年以上にわたってユネスコ平和アーティストとして、数々のチャリティーコンサートなどに出演し、「ドラッグ、戦争よりも音楽を」と訴えており、今回の出馬の決意を固めたとみられている。
また、日本との関わりも深く、親日家であるカツァリス氏は常日頃から「日本のミニスカート流行周期」などを気にかけており、今回の出馬にあたっての公約も「膝下丈スカートの禁止」などの独自性を打ち出す予定だ。

新譜情報:次のPIANO21新譜リリースはモーツァルトピアノ協奏曲全集

長らく止まっているPIANO21からの新譜リリースですが、Vol.7まで発売済みのモーツァルトピアノ協奏曲を一気に全集で発売する予定だそうです。
これまで買ってきたものは・・・というところもありますが、全集になることがまずはめでたいことで。
2-3ヶ月のうちに発売予定とのとこですが、どうでしょうか。
ご存知の通り、カデンツァに相当こだわりがあるようで、解説を書くのに1週間かかったと言ってました。。。
まさか2万円とかしないよな???

最新情報:シルクロードプロとモニューシュコプロ

先月、カツァリスと少し話したときに、とにかく忙しい忙しいと。で、その忙しい理由が、2つの新しいプログラムを準備しているそうです。

まず1つ目がこれ。
http://www.eyeshenzhen.com/content/2019-02/26/content_21433386.htm
中国の深センで開かれる「一帯一路国際音楽祭」で、「シルクロード」プロです。
音楽祭の名前からして、お国のイベントの香ばしい香りがします・・・。
ま、いわゆるシルクロードに関係する国の音楽を集めてきて弾くというものですが、ロシア、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャン、トルクメニスタン、からずっと東欧まで続くのでしょうか。
カツァリスはノリノリでいろいろ曲を集めたらしいです。

2つ目がこれ。
「ショパンの弟子&モニューシュコ」プロ。
なんでも、ショパンと彼のヨーロッパ音楽祭の関係者からじきじきにリクエストらしく、レコーディングも予定されているとか。
そこそこ有名なフォンタナなどショパンの弟子(または関係者)の曲を前半、ポーランドの作曲家でショパンとよく比較される作曲家、モニューシュコの曲を後半というプロです。
モニューシュコは現在のカツァリスのお気に入りらしく、ピアノラリティーズのVol.1と3にも収録されています。
8月27日にショパンと彼のヨーロッパ音楽祭で弾き。8月31日にはフズムでも弾く模様です。
ショパンと彼のヨーロッパ音楽祭は、いつもウェブラジオ放送されますので、カツァリスの演奏もそれで聴けると思います。

プログラムを張っておきます。

Julian Fontana:Mazurka in E minor Op. 21 No. 2
Julian Fontana:Lolita – Grand Valse Brillante in F major Op. 11
Thomas Tellefsen:Mazurka in B flat major Op. 3 No. 3
Thomas Tellefsen:Mazurka in F sharp minor Op. 3 No. 4
Thomas Tellefsen:Nocturne in E major Op. 11 No. 2
Thomas Tellefsen:Nocturne in G flat major Op. 39 No. 4
Adolf Gutmann:Le Tourbillon (Galop Brillant in E flat major) Op. 37
Adolf Gutmann:Nocturne in A flat major Op. 8
Adolf Gutmann:Polonaise in E flat major Op. 21
Carl Mikuli:Mazurka in G major Op. 10
Carl Mikuli:48 Romanian national songs (selection)
Carl Flitsch:Mazurka in E flat minor
Carl Flitsch:Barcarolle in G flat major
Carl Flitsch:Adieu! C minor (Farewell of Venice)
Stanisław Moniuszko:Waltz in E flat major
Stanisław Moniuszko:”Spring” Polka in F major
Stanisław Moniuszko:Fraszka in B flat major
Stanisław Moniuszko:Polonaise in E flat major
Stanisław Moniuszko:Nocturn A flat major
Stanisław Moniuszko:Villanella in D flat major
Stanisław Moniuszko:Prząśniczka (trans. Nicolai von Wilm)
Stanisław Moniuszko:Znasz-Li Ten Kraj (trans. Henryk Melcer-Szczawiński)
Stanisław Moniuszko:Dumka (trans. Henryk Melcer-Szczawiński)
Stanisław Moniuszko:Gwiazdka (trans. Bernhard Wolff) ピアノラリティーズVol.1に収録
Stanisław Moniuszko:Kozak Op. 123
Stanisław Moniuszko:Mazurka in E flat major from the opera Halka by S. Moniuszko
Józef Nowakowski:Fantasy on themes of the opera “Halka” by S. Moniuszko

来日公演情報:2019年7月来日公演は霧島

既報の通り、2月にフレンチプロを終えたカツァリスは、次回7月に霧島国際音楽祭のためだけに来日する予定です。
霧島ではマスタークラスと、7月19日(金)に鹿児島市民文化センターでコンサートを開く予定です。
実はこの鹿児島で、絶対いままで弾かなかったあのショパンの曲を弾くというハナシも・・・。
本人が否定しなかったので可能性は高いですが、発表されたとしても、当日までわかりません・・・。
とりあえずお楽しみに。

その後は12月に、ソロとデュオですが、ソロはベートーヴェンプロが怪しくなってきたぞー。。。
2020年は来日公演はありません。

来日公演情報: 2019年の来日情報アップデート

2018年に続き、2019年もやってくるわけですが、2019年も3回に分けて来日になりそうですね。

まず2月がすでに発表されている通り、関西で3公演に東京は日経ホールの計4回
これらは今年のフレンチプロでまったく同じ。
2月17日(日)宝塚ベガホール
2月19日(火)日経ホール
2月23日(土)高槻現代劇場(中)
2月24日(日)貝塚市民文化会館(コスモスシアター)大ホール

それから夏にはまた霧島に来そうです。

3回目は12月に、ソロと広瀬悦子とのデュオをやるようです。
ソロは12月9日のアクトシティが発表されていますが、前々からの予定通り、ベートーヴェンプロ。

ベートーヴェン:7つのバガテル Op.33
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 Op.31-2「テンペスト」
ベートーヴェン:創作主題による6つの変奏曲 ニ長調 Op.76
ベートーヴェン(リスト編曲):交響曲 第7番 イ長調 Op.92より 第2楽章 ほか

でも予想に反して、新レパートリーのテンペストきたーーーー。
むかしはベトのソナタ全曲やりたいとかいってたんだから、何曲か弾いてくれよー。
ソロは中止になった豊田コンサートホールも追加されるかも?

それから、広瀬悦子とのデュオは、前回2016年では第九の4楽章だけでしたが、今回は全曲という話も?
これも各地でありそうです。
2019年も忙しいですなー。

日々是カツァリス2018: 10月3日浜離宮朝日ホール公演

7月に続いて今年2回目の来日となった恒例の秋公演は7月と同じオールフレンチプログラム。
残念ながら、予定されていた9月30日の豊田公演は台風のために中止、払い戻しになったため、コンサートはこの浜離宮公演だけになってしまいました。
20181003hamarikyuS.jpg

まず前半は全体的な印象でいえば、横浜公演で最初に聞いたときと変わって、曲は地味だけどとにかく音色が明るくて多彩に聞こえてまったく退屈しなかったです。とくにフォーレからプーランク、ドビュッシーの流れでは音色の深さもあってかなり好印象に変わりました。

ただ、これはカツァリスのいつものプログラミングの特徴で、このような小品をならべるときの曲順が、理屈ではこだわりがあって考え抜かれているんだろうなーとは理解できるものの、演奏効果というところでは、せっかく高ぶってきたところで冷静に元へ戻されるような流れが多く、イマイチ盛り上がりに欠ける印象に終わってしまうのがいつも残念。

まあ、もういくら言っても仕方ないんだけど、ベルガマスク組曲でもピアノのためにでも丸々どちらかでも全曲やってくれるだけでプログラミングのまとまりがグッとでて、全然印象変わるんだけどなー(棒) あー。イヤですか、そですよねー(棒)

後半のカルメン組曲。普通に序曲やって、いやむしろやらないわけにいかないから一応やります的にサラサラやって、ところどころん好き勝手な編曲、演奏に。場末のシャンソン風ハバネラやって、間奏曲はふつうだけど、なぜか闘牛士の歌のあとに、フィナーレをファンファーレからの子供の合唱って、曲順おかしいけど、これは逆に演奏効果的にはかなりよいのでほんとにカツァリスの考えてることはよくわかりませんなw 
でもこのカルメンの最後の、ファンファーレ音の華麗さと、その後のピッコロ、フルートのかけあいのところから子供の合唱の高音部の音色の弾き分けは本当に見事で、宝石のような音の洪水が圧巻。特に高音ppの美しさといったら、かの有名な「ショパンを弾くレッスン編」の子犬のワルツフィナーレ部分で生徒の小学生さっちゃんに「空から真珠が降ってくるように」といいながらノンペダルで弾くように要求した無茶ブリを思い出しましたよ。

では、脱線しますが、その場面、全員で「無理無理無理」という突っ込み弾幕をご覧ください。

いや、無理でしょ、そりゃ。このころのカツァリスって本当にキレッキレ・・・。プードルからブルドックへの歴史も感じる・・・。

で、まあ謝肉祭はガルバン編曲をベースに案の定、音追加したり、いじりまくって完全に後半はいつものカツァリスワールド。でも編曲のベースは同じだし、なにより謝肉祭っていう曲がそういうカオスな曲調がまじっても全体の印象がぼやけない組曲仕立てだから前半のようなボンヤリ印象にはならないんですなー。この謝肉祭、カツァリスの近年の新しいレパートリーの中では久々のヒット作だと思います。

さて、いつもならアンコールは即興演奏ということろですが、今回はちょっと趣向が違いました。
「ミナサン、コンバンワ、スイマセン、ニホンゴワカリマセン」といういつものつかみからはじまり語りだしたところでは、

(フランス語と英語で交互に)
・今夜はフランス大使ローラン・ピックさんに来ていただいています (ワー、パチパチ)
・ここで美しい物語を語ります (ん?)
・私が50年前にパリ音楽院で勉強していたころ、すばらしい若いピアニストがいました。
・覚えているのは彼女がフランツ・リストの美しい曲「ため息」ですばらしい演奏をしたことです。
・彼女の演奏はドビュッシーのプレリュードをYou Tubeで見ることが出来ます。
・彼女はマダカスカル共和国出身で名前は、ミレイユ・ラクトゥマララといいます。
・それから私は彼女の名前を50年間まったくききませんでした(ほー)
・彼女は実はその後政治家の道を歩み、いま実はここ東京にいて駐日マダガスカル大使なのです(おー??)
・私たちはこの東京で50年ぶりに再会しました。
・どうぞ舞台へ(おおおお、パチパチ)
・今夜はドヴォルザークのスラブ舞曲4手を演奏したいと思います (ワーーーパチパチパチ)

その後、大使から通訳を介して、あいさつとカツァリスへの謝意があり、演奏へ。
通訳の女の子にもっと大きい声でと促すカツァリスに笑いwww

という、なんとも心温まるエピソードと飛び入りゲストアンコールでした。
ちなみにカツァリスがいってた大使が弾くドビュッシーのプレリュードはこちら。

飛び入りゲストは、いつかの宮澤明子さん以来となりましたw

さて、今回とくにフレンチプロにピッタリだったカツァリスの音色についての裏話を。

今回のピアノはかなりこのプログラムを意識して調整されているようで、お気に入りヤマハCFXをハンマーを変えたりして仕上げたんだとか。とにかく鍵盤が軽くて軽くて、パラパラ音がなるものだったそうです。この日使ったピアノは実はマスタークラスでも使ったようで、そのときに生徒さんがこのピアノを弾くと音割れしてとても弾けなかったそうですが、カツァリスが弾くとまったく音割れしないという神業ぶり。そんな代物を駆使しての今回のプログラム、結果的には大成功だったのではないでしょうか。確かに、今回のピアノでシューベルトとかシューマンとかはちょっとミスマッチだと思いますなー。

最後に、ここ2枚の新譜、ブラームスハンガリー舞曲の連弾と、テノール歌手との共演盤がPIANO21から出なかった件は、あくまでスポットでワーナーからオファーがあったり、歌手側のレコード会社から出したりで、PIANO21は無事だそうですwww

さて、次は来年2月に関西3公演と日経ホールでまたフレンチプロです。今回聞けなかった方はぜひどうぞ。
また12月にはソロ公演、加えて、また広瀬悦子さんとの共演で今回は第九も予定されているようです。
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来日公演情報: 2/17宝塚、2/24貝塚公演チケット発売情報

来年の関西2公演のチケット発売情報

2019年2月17日(日)
宝塚ベガ・ホール
http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/kanko/event/1000041/1027339/1027350/1027382.html
友の会 ネット・電話: 10月26日(金)
窓口: 10月27日(土)
一般: 11月2日(金)

2019年2月24日(日)
貝塚市民文化会館(コスモスシアター)大ホール
【開 場】13:30 【開 演】14:00
全席指定(当日¥500増)
一般 ¥4,000 / 友の会¥3,500
小・中学生 ¥1,000
一般10月13日(土)
友の会10月6日(土)
(Pコード:129174 / Lコード:54293)
チケット取扱い:コスモスシアターチケットカウンター 072-423-2442 / ホームページからも購入可能 http://cosmostheater.or.jp
チケットぴあ 0570(02)9999 / ローソンチケット 0570(000)777 / CNプレイガイド 0570(08)9999
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日々是カツァリス2018: 7月17日横浜みなとみらい公演

 さて、はじまりました、2018年のカツァリス来日公演。

 なんと今年から来年にかけ、7月、9-10月、2月と3回も来日し、ちょこちょことコンサートをやってくれます。
 しかも、同じフレンチプログラムで(笑) (全国日程はこちら)

 このフレンチプログラムは、前々から、本人もやりたいやりたいといってたものなんですが、メインを謝肉祭にしてくるとは思わなかったので意外でした。ただし、前半のドビュッシー、ラヴェルは想定どおりでしたが・・・。

 フレンチプロといえば、NHKFMでもサントリーホール公演が放送され、名古屋公演は一部CDにも収録されている1988年の来日公演が記憶に残ってます。しかし、昔からのファンはよく知ってると思いますが、カツァリスは国籍はフランスですが、フランス人としてのアイデンティーはほぼなく、ほとんどギリシャ人(しかもキプロス系)なわけで、フランス物を得意なレパートリーにしていたという時代はありません。この1988年の公演が本格的にはじめて取り組んだフランス物だったと記憶しています。余談ですが、デビュー当時から、シューベルト、ベートーヴェン、シューマン、ブラームス、モーツァルトと独墺系ばかり弾いていた人なので、フランス人=フランス作曲家弾きみたいなイメージで語られがちだった昔はかなり変人扱いされていました。(まあ変人扱いの理由はそれだけではありませんでしたが・・・笑)

 では今回のプログラムです。
20180717yokohamaS.jpg

ちょっと今回は1988年プロとは趣が違います。バロックから始まるのだけ同じ。

まずバロック時代から、フォルクレとリュリ。フォルクレは今回が初めて弾くはず、リュリはおなじみガヴォットではなく編曲物とパヴァーヌ。そこから、パヴァーヌ縛りでラヴェル、フォーレと続いて、次はシシリエンヌ縛り(笑)でフォーレ、プーランク、そして月の光縛りでフォーレからドビュッシーと、なんとも統一感あるようなないような、テーマ性あるようなないような(笑)。

これはよくカツァリスがやるプログラミングなんですが、同じテーマとか曲名で違う作曲家をならべるという・・・きっとカツァリスとしては「どうだ、考えてるぜ~ヘッヘッヘ」感いっぱいなんだと思いますが、実際聞いてるほうとしてはふーん、くらいという・・・(笑)

まあ、前半の感想としては、「まあいいんじゃない?」でしょうか。。。
細かく聞くと、バロックものでのチェンバロ風の響きとかやっぱカツァリスらしくていいなと思うところもあるのだけど、とにかく地味で長い・・・。もし、これからの公演に予定があって、前半間に合わないので行こうか迷ってる人がいたら、

「前半聞かなくてOKっす、後半勝負で!」といえますな。

その他、ボニスは以前、室内楽でやってたりしたけど、ソロは初、ドビュッシーは月の光以外初めてだったりとか、ですかね。

 で、後半、なぜかカルメンの前に知らないエクスターズって曲から始めたりして、相変わらずよく分からんわ(笑)
カルメンはカツァリス編曲。PIANO21のCD「111ピアノヒッツ」に収録されていたハバネラは、カツァリス編曲ではなかったので、それも含めてこれは初公開。編曲自体は、カルメン、闘牛牛の歌で、パラフレーズとは言わないまでも、単純な編曲ではない味付けをしてて面白かったですな。

 メインは謝肉祭。意外にも、このまま小品プロで終わらせるかと思いきや、ガッツリしたものを最後にもってきてようやくプログラムとしては収まりがいいものに。事前に編曲者は発表されていなかったので、まさかのカツァリス本人編曲か?と思ったら、ガルバン編曲で一安心?  以前の1988年プロで弾いた白鳥は有名なゴドフスキー編曲だったので、これも含めて初披露。こういう曲ってカツァリスに合うと思うんだが、何回か日本で弾いていくうちにもっと良くなるだろうし、これは次回も期待!

今回は即興演奏は冒頭でなく、アンコールで。やはり、フランスと恒例の日本のメロディーでチョイチョイと。

まあ、前半はちょっと退屈だけど、後半は面白いのでトータルでは満足度高し。
10月の聖地・浜離宮公演に期待ですな。

で、いま気づいたんですけど、これって、ドビュッシー没後100年記念公演??? ドビュッシーNo印象!

 
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