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– レコード芸術
  - レコード芸術 新譜月評まとめ
    - 1983-1990年 主にテルデック盤の月評要約
    - 1993-1996年 主にソニークラシカル盤の月評要約
    - 2004-2023年  主にPIANO21盤の月評要約
  - レコード芸術 その他記事
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レコード芸術 新譜月評まとめ

 国内で最も権威あるクラシック音楽雑誌といえば、もちろんこの「レコード芸術」だが、とにかくカツァリスのLP/CDについては当初から手厳しかった。カツァリスの日本でのレコードデビューは1983年だが、まだまだこのころは巨匠も現役で、「ベートーヴェン弾き」「モーツァルト弾き」をピアニストカーストの上位に位置付けていた時代。そこへ、たまたま「リスト弾き」としてデビューしたカツァリスは、それでまず格下扱い。その後、ベートーヴェン、シューマン、シューベルトなどドイツ・オーストリーものが発売されても酷評。いまや名盤誉れ高いショパンのバラスケ集もまったく評価されず、テルデック時代のカツァリスはとにかくボロクソ書かれている。これは当時の器楽曲の月評担当だった故・岩井宏之氏と故・武田明倫氏との相性がとにかく悪かったためで、特に両氏はトランスクリプションを認めないようで、名盤ベートーヴェン交響曲全集などは基本無印。さらに後々まで禍根を残す「カツァリスは歌い下手」発言に至っては・・・。いまから思えば、当時の基準からいうと(もっといえば、いまですら)、究極の異端ピアニストであるカツァリスがバリバリの保守系批評家から絶賛されるはずも無く、そのおかげで、ワタクシなどは大いに中二病を拗らせて憤慨し、いまにいたるまでのファンになってしまったのだが・・・。その反面、カツァリスのテルデック時代に数少ないが推薦マークがついたものは協奏曲で、これは協奏曲の月評担当である故・宇野功芳氏がかなりカツァリスを推してくれていたことが要因。
 その後、1990年代に入ると、少しカツァリスに追い風が発生。まず、天敵である(笑) 岩井氏が器楽曲の月評担当から室内楽担当になり、代わりに器楽曲担当になった濱田慈郎氏との相性が良く、好意的な批評が続く。もちろんソニークラシカル時代のCDの出来がよいというのももちろんだが。(ただ、引き続き武田氏は・・・)
 そして、2000年代に入るとPIANO21時代になるのだが、ここでレコード芸術特有の問題があり、すべてのCDが月評に載らなくなってしまう。これはいまの時代とそぐわないと思うのだが、レコード芸術は原則国内盤の批評をメインとしており、海外輸入盤は毎月の月評対象ではない。では、PIANO21のような国内レコード会社が国内プレスしないものは、どうなるかというと、輸入盤をそのまま販売しているだけではもちろん対象外。代理店で日本語帯を付けててもたぶん対象外。日本語帯と日本語解説をつけてはじめて「国内盤」として、月評対象になる模様。これだけCDショップや通販で当たり前のように輸入盤が簡単に手に入る時代にそれはどうよ、と思うが、そうでもしないととんでもない数だろうし、国内レコード会社からの広告料で成り立っているであろう雑誌としては仕方ないか? そのせいもあって、PIANO21がはじめて月評に登場したのは2004年の7月で、すでに10枚近く発売されていたが、前のものは月評対象になっておらず、その後もときどき載るくらいになっており、PIANO21で月評で批評されたものは、およそ55枚ほど発売されているうち21枚だけとなっている。しかし、月評自体はPIANO21に入ってからのほうが良く、時代が追い付いてきたのか、変わったのか、また岩井氏も・・・(笑)
 時代ごとの月評まとめは以下の通り、詳しくはそれぞれのページを参照ください。カツァリス迫害の歴史をどうぞ(涙)

  特選 準特選 推薦 準推薦 無印 コメント
1983-1990年
主にテルデック盤
0 2 2 7 14

1980年代のテルデック盤はソロ曲アルバムで準特選以上はないという酷評ぶり。2枚の準特選盤はいずれも協奏曲のCD。

1993-1996年
主にソニークラシカル盤
0 0 3 3 1 名盤ぞろいのソニークラシカル時代も、相変わらず武田氏が頑として無印を譲らないものの、岩井氏から変わった濱田氏による推薦マークのおかげで3枚が推薦盤。この時代唯一の無印はハーノイとの共演盤(笑)
2004-2023年
主にPIANO21盤
7 6 0 12 0 明らかに時代が変わって、とくに最近のPIANO21には特選連発。結果として、ここ20年は無印ゼロだった。