最新インタビュー:ベートーヴェンイヤー2020年について

フランス語サイトですが、Classiquenews . com というサイトにかっつぁん最新インタビューが掲載されていたので、日本語訳で抜粋掲載します。
特に珍しいことは話していません。まじめなインタビューです。もちろんマエザワ氏へのラブコールもありません・・・。

CNC:この6枚組のCD-BOXに収録する曲目はどのような基準で選んだのですか?
CK:若かりしベートーヴェンの最初の作品から最後の作品まで年代順に配列しました。8つのソナタ、32の変奏曲などなど有名なオリジナル作品を混ぜ合わせたものです。同様に、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ「クロイツェル」「春」といった珍しいトランスクリプション、そして四重奏の曲も収録されています。

CNC:このCDを録音するにあたって、何か発見したことはありますか?
CK:ベートーヴェン自身の編曲によるピアノ版「騎士バレエのための音楽」「すべての長調のための2つの前奏曲」「ワーグナー編交響曲第9番より第3楽章アダージョ」「サン=サーンス編弦楽四重奏曲第6番より第2楽章アダージョ」ムソルグスキー編弦楽四重奏曲第16番より第3楽章レント」フランツ・クラク編ヴァイオリン協奏曲ニ長調より第3楽章」。これらは全て19世紀に作られたトランスクリプションであり、当時の音楽家達がベートーヴェンをどう捉えていたかがよくわかります。

CNC:あなたはベートーヴェンについてどのような見解をお持ちでしょうか?ベートーヴェンの何が一番お好きなのでしょうか?この6枚のCDでは、ベートーヴェンの何にスポットを当てているのでしょうか?
CK:彼が明白な人間中心主義であること、不公平に対しての反抗的な精神。そして彼の生きた時代に起きた戦争、楽譜の中のシンコペーション上に示されたたくさんのアクセントが、人間中心主義のための「物事を前に推し進める」という彼の決意を示しているかのようです。ヴァイオリン協奏曲の最後のところに出てくる荘厳なテーマは胸が締め付けられるほど素晴らしいものです。

CNC:2020年今年のベートーヴェンイヤーに向けての抱負をお聞かせください。
CK:私は、あまりにも軽々しく、そして美しい価値観を少しずつ失いつつあるこの社会に、人間中心主義のメッセージを広く伝えたいと思っています。

CNC:今年のベートーヴェンイヤーを記念して、個人的に演奏される予定はありますか?
CK:昨年12月に33回目の日本ツアーで年代順に組まれたプログラムを演奏しましたが、2020年5月4日ボン(ベートーヴェン生誕の地)で同じプログラムを再演する予定です:最初に作った曲である「ドレスラーの行進曲による9つの変奏曲」「ベートーヴェン編曲によるピアノ版騎士バレエのための音楽」「ソナタ第17番テンペスト」「最後のヴァイオリン協奏曲」「軍楽のための行進曲」「交響曲第2楽章(ワーグナー編第9番とリスト編第7番)」。
それから「ハンス・フォン・ビューロー(リストの娘コジマと結婚、後に離婚して彼女はワーグナーと再婚)編の合唱幻想曲を日本人ピアニストの広瀬悦子さんと共演する予定もあります。彼女はモスクワ青少年ショパン国際ピアノコンクール優勝、アルゲリッチ国際コンクールで優勝しました。パリ在住であり、毎年フランス・ナントの「ラ・フォル・ジュルネ」に出演、また何度もロック・ダンテロン・ピアノフェスティバルに出演しています。
また、2020年12月16日ベートーヴェンの誕生日には、彼が生まれたボンのベートーヴェンハウスのコンサートホールでコンサートを開くことになっています。
その他、ヨーロッパ各地でピアノ協奏曲を弾く予定もあります。

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