日々是カツァリス2010 10月1日宮崎マスタークラス

宮崎で行われたマスタークラスの模様を簡単にレポートします。

場所は宮崎市民文化ホールというとこで、ホールというよりはきれいな公民館という感じ。聴講者は80人から100人くらいかな。一見してピアノの先生と思えるような人多数。

そもそもカツァリスファンとしてマスタークラスを聞いて楽しいとすれば、プロとして観客に聞かせるためのいろんな味付けをどのように考えて行うのかというような曲想イメージを種明かししてくれるか、圧倒的な技巧をみせつけて、さすがと思わせてくれるかのどちらかです。後者はプロが学生相手に捕れないような球をノックするようなもんで大人げないですけど(笑)

さて一人目は高校3年生の男の子。なんと英雄ポロネーズ。怖いもの知らずですな、カツァリス相手に英雄ポロネーズとは。。。そういえばNHKのショパンを弾くの放送はちょうどこの生徒さんが生まれたころだったわけで、当然この生徒さんはみたことがないだろうなと考えると感慨深いです。
肝心のレッスンは、やはり予測とおり指使いの練習に大半の時間が割かれ、おまけにカツァリス自身もこの曲をレパートリーにしてるわけではなく完全に消化不良。さらに時間は予定を大幅に伸びてしまい1時間近くも。結果的にこの後の二人の時間が少なくなってしまいかわいそうでした。

二人目はプーランクをこれも大学生らしき男の子。こういう曲をカツァリスに教わるとはやるなーと思ったが、
ちょっとこれもみてる側は消化不良。これは教える側も難しいね。

三人目はショパンのワルツを社会人らしき女性。。それまで退屈そうにしてた中学生くらいが一斉にみやすい場所に移動したので、みなこの曲をみたかったのかね。。。
で、結果もこれが一番みてて面白かったです。技術的な問題をクリアーしたうえでどう曲に表情をつけて行くかということを丁寧に解説。ぼくらカツァリスファンはもうだいたいカツァならどんな風にするか想像がつくので、ニヤリとするとこ多し( ̄▽ ̄)
カツァリスがしつこく言うのは「繰り返しを同じように弾くな」ということで、2回目に同じフレーズを弾く時は自分なりに表情をつけろと。これはカツァリスの演奏を聞いたらよくわかること。生徒さんが繰り返しを省いて弾いた時には「なんで弾かないんだ? 繰り返しは 違うように弾くチャンスなのに」といって、例を示し、内声エグリをやったのはワロタ。素人さんにそれをすすめちゃいかんだろ(笑)
このレッスンはもう少し見てたかったけどだいぶ時間がオーバーしてたので終了。

さていつもマスタークラスをみて思うのは、受講する方も、聴講する方も、カツァリスというピアニストの特徴をどくらい知ったうえで臨んでいるのだろうかということ。知ってればまず曲選びが変わってくるだろうし、みている側の受け止め方にもかなり差が出るはず。単に外国の有名らしいピアニストってな具合でみてるだけだとまったくおもしろくないと思うんだがなあ。
ふと思ったが、今日きてた人、明日のコンサートにまさか来ないなんてことないよな。。。

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