カツァリス最新のドイツ語のインタービュー記事紹介

オフィシャルに載ってるとは知らなかったのですが、私は筆者がツイートしているので見つけました。最新のインタビュー記事です。オリジナルがドイツ語なのでちょっと正確さにかけますが、なかなかおもしろいことが書いてるので簡単に紹介します。

筆者との最初のカツァリスとの出会いなどが語られた後で、食べているディナーの話などが続き、まずは昔話から。

・ 1965年年前後、13、4才のときに両親が1時間レコーディングスタジオを貸し切ってくれて、モーツァルトのトルコ行進曲、シューマンのアベッグ変奏曲などを録音したのが最初のプライベートレコーディングだった。

・ 最初のコンサート出演は1966年の5月にパリでハンガリー幻想曲を弾いて。(これはシフラの思い出を語るときによく出てくる話)

・ レコードデビューは1972年だった。ブリュッセルで開催されていたエリザベートコンクールの最中に、David Livelyと二人がDeccaから秘密裏にコンタクトされ、サインした。Deccaは二人がファイナリストに残ることを期待したうえだったらしい。コンクールのあとにモーツァルトとリストのロ短調ソナタを4時間半かけけてレコーディングした。
(管理人注:これで疑問がはっきりしました。これまでこのアルバムはコンクールのライブといわれていたのですが、まったくライブ感がなく不思議に思っていたので・・・)

・ その後、EMI、テルデックと24年間にわたってレコーディングを続けてきて。テルデックを去ったわけは、カツァリスが望むコンチェルトのレコーディングをさせてくれなかったからとのこと。23枚のアルバムをテルデックでは作ったが、オケとの共演はメンデルスゾーンのコンチェルトの1枚だけだったので。(管理人注:ちょっとよくわからないのだが、ほかにインバルとのブラームス2番やバッハのコンチェルトもあったが・・・?)

・ そのあとソニークラシカルに移籍して、ショパンソナタ3曲とモーツァルティアーナを録音したもののソニーとの契約は1999年までしか続かなかった。そのころ音楽協会は不況にはいってきており、ソニーはたとえばワグネリアーナなどのマイナーなレパートリーに興味をしめすカツァリスを不便に思っていたとのこと。

・ ある日ソニーのディレクターの事務所に行くと、ショパンの全曲レコーディングの契約を破棄してくれと依頼された。理由は、CBS時代から25年間独占契約を結んでいるマレイ・ペライアがショパンをレコーディングしたいそうで、そちらのほうを優先したいから。カツァリスはペライアがノクターンをやるかどうか5年間待ちたいといったが、ソニーの結論は変わらなかった。

・ それがきっかけですべて自分のレコードレーベルPIANO21を2001年に設立。

そのあと、このレコードレーベルを自前で持つというのがどれほど大変か、美人アシスタンとのフランソワーズのいろんな業務の話が続く。

・ 売上などをフランスの音協みたいなところに報告したり、デジタルIDをトラックごとに申請したり、著作権協会に申請したり。。。例の日本でやったフランス音楽メドレーのCD化も1曲だけ著作権者の許可が下りなかったから発売できなかった!
と嘆くことしきり。(管理人注:ちょうど去年の来日時にも同じことを話していたな)

・ またフランソワーズは寄付金を募っている。PIANO21では1枚のリリースに10,000ユーロ集めている。これまでに世界各国のパトロンから、450,000ユーロを集めた。(管理人注:結構誤解している人も多いが、このPIANO21事業は大赤字で彼はその赤字を埋めるためにコンサートをやっているような状態。いつも会計は火の車です)

・ 大きな野望がある。2015年彼のレコードデビュー50年を記念して、これまでのすべての音源を未発売のものも含めてボックスCD化120-130枚組にして売り出したい。これがもし実現したら、一人のアーティストの全集としては103枚組のヤッシャ・ハイフェッツのものを抜く記録。メジャーレーベルからの許可を受けなければいけないので大変そうだが、「やるしかない」の気合でやりたい。99ユーロのバーゲン価格で売ったらいいとアドバイスされている。(管理人注:実現したらすごいことですが、あまりにも途方もないプランですな・・・)

・ カツァリスはどこでどんな演奏をいつやったか、よかったかどうか、すべて覚えていて、たとえば、ベルリンフィルのメンバーとのシューベルトのますや、ドホナーニ指揮クリーブランドとのブラームス2番、フェルドキルヒでのシューベルトの夕べなどは録音として持っている。こういうライブは音質は二の次。

・ PIANO21からはもうすぐ1973年にレコーディングしたリストのロ短調ソナタをリリースする予定。

・ カツァリスはコレクターがもっている隠し撮りのプライベートレコーディングも探し出してリリースしている。ある知人の仲介でシュトゥットガルトのコレクターから入手した音源をフレンチミュージックVol.2に収録した。(管理人注:知人というのはどうもオイラのことね・・・。この件はいろいろあるのでノーコメント。。。)

そのあと、レコーディングスタッフの話になり、Kohei-sanのことなど紹介し絶賛。

・でも、1980年代は10000枚売れてたCDが、最近では2000枚しか売れない・・・。

最後はレコーディングとコンサートの違いなどを述べて終了。
やはりドイツ語だと、半分くらいしかわかりませんね。脳内補足しましたが、なかなか面白い内容でした。
まあでもPIANO21でのリリース予定の話は、何年も「出る出る」といって出ないことがほとんどですから。。。

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