少し時間がたってしまいましたが、鹿児島公演の振り返りを。
「来た」「見た」「弾いた」
と、ユリウス・カエサル風にいえばこうなるのでしょうが、久しぶりの遠征。なんのために鹿児島まで遠征したかといえば、もちろん、この件。
ショパンのバラード1番、スケルツォ2番、英雄ポロネーズというこの3曲をコンサートで弾くというサプライズ。いや、もう当日まで信じられなかったです。ホールに入って、まず確認したのはプログラム。
ま、まだ信じないぞぉーーー
1番下に注意書きがあるからな! pic.twitter.com/V1qZ3o0CyD— U-YAN (@Katsaris_Mania) July 19, 2019
プログラムは、ショパンの弟子曲とショパン曲を交互に弾くスタイル。カツァリスがなにかテーマがあるときにはこういうプログラミングが多いんですが、こういうときってムダに長いんだよなー。
ショパン弟子の曲はあとでまとめてコメントするとして、前半のハイライトはバラード1番。いうまでもなく、初披露。バラードは「ショパンを弾く」の模範演奏で3番を披露したことがあり、コンサートでも2番は2015年に披露しているますが、どうしても名盤誉れ高いテルデック盤の演奏と比べてしまいます。30数年前の演奏とくらべても、意外にテンポも速く、あっさり目。カツァリスってはじめて弾く曲ってこんな感じになるわねと。
前半はちょっと試運転だったのか、またとにかくピアノが鳴らずに、ホールもデッドな音響でちょっとつらかったです。あと、ショパン弟子分が長いよ。
後半はいきなりのスケルツォ2番からスタート。いやもう感無量。まじで弾いたよ。ちょっとフラっとしたとこもあったけど、無問題。無事弾き終わり、「この曲をコンサートで弾いたのはこれが初めてです。ここ鹿児島で」とうれしそうに舞台上から話すカツァリス。今日はよく喋るなー、でも普通そんなこと喋るか(笑)
お得意のワルツ64-2はもう手馴れた感じでいつもの内声えぐり炸裂。年々極端になっていってる気がする・・・。
で、最後の英雄ポロネーズ。もう正直言えば、30年前いや20年前に弾いてくれていれば、と思わないこともないですが、68歳にして初弾、チャレンジしてくれたことに感謝。願わくば、今後ももっと弾きこんでほしいなと。細かいところではCDでやってたことや模範演奏のときとは違うところも多くて、その変化はちょっと興味深いのですが、なにせ1回聴いただけではわからんです。。。
後半は前半よりもピアノの鳴りも良くなって、盛り上がり終了。
アンコールは予想通り、今年イチ推しのモニューシュコのワルツ変ホ短調。しばらくアンコールはこれでいくに違いない。
その他、ショパン弟子では、テレフセンのノクターンが秀逸。フィルチは一番ショパンっぽかった。グートマンのポロネーズはこれがあったから、このあと英雄ポロネーズを弾いたのかと思うような感じ。
全部でコンサートは開演から2時間10分こえたので、ちょっと前半が長いような気がしますが、ショパンの3曲聴けただけでも遠征の甲斐あり。
でも、雨、湿気もあってか、前半とくに響かず、浜離宮などの室内楽専用ホール以外のホールでは、ヤマハではなくスタインウェイを使ってほしいなー。
カツァリスは、この鹿児島でのコンサートの後、霧島音楽祭のマスタークラスへの参加となる予定でしたが、8月21日のガラコンサートでソプラノのアンドレア・ロストが出演をキャンセルしたため、急遽ピンチヒッターとしてグリーグ、シューベルトを弾いたそうです。
その霧島も無事終了し、まるで追加公演のように、このプログラムは8月5日に大阪でもあるのですが、再び、遠征すべきか・・・。
コメント