さて、はじまりました、2018年のカツァリス来日公演。
なんと今年から来年にかけ、7月、9-10月、2月と3回も来日し、ちょこちょことコンサートをやってくれます。
しかも、同じフレンチプログラムで(笑) (全国日程はこちら)
このフレンチプログラムは、前々から、本人もやりたいやりたいといってたものなんですが、メインを謝肉祭にしてくるとは思わなかったので意外でした。ただし、前半のドビュッシー、ラヴェルは想定どおりでしたが・・・。
フレンチプロといえば、NHKFMでもサントリーホール公演が放送され、名古屋公演は一部CDにも収録されている1988年の来日公演が記憶に残ってます。しかし、昔からのファンはよく知ってると思いますが、カツァリスは国籍はフランスですが、フランス人としてのアイデンティーはほぼなく、ほとんどギリシャ人(しかもキプロス系)なわけで、フランス物を得意なレパートリーにしていたという時代はありません。この1988年の公演が本格的にはじめて取り組んだフランス物だったと記憶しています。余談ですが、デビュー当時から、シューベルト、ベートーヴェン、シューマン、ブラームス、モーツァルトと独墺系ばかり弾いていた人なので、フランス人=フランス作曲家弾きみたいなイメージで語られがちだった昔はかなり変人扱いされていました。(まあ変人扱いの理由はそれだけではありませんでしたが・・・笑)
ちょっと今回は1988年プロとは趣が違います。バロックから始まるのだけ同じ。
まずバロック時代から、フォルクレとリュリ。フォルクレは今回が初めて弾くはず、リュリはおなじみガヴォットではなく編曲物とパヴァーヌ。そこから、パヴァーヌ縛りでラヴェル、フォーレと続いて、次はシシリエンヌ縛り(笑)でフォーレ、プーランク、そして月の光縛りでフォーレからドビュッシーと、なんとも統一感あるようなないような、テーマ性あるようなないような(笑)。
これはよくカツァリスがやるプログラミングなんですが、同じテーマとか曲名で違う作曲家をならべるという・・・きっとカツァリスとしては「どうだ、考えてるぜ~ヘッヘッヘ」感いっぱいなんだと思いますが、実際聞いてるほうとしてはふーん、くらいという・・・(笑)
まあ、前半の感想としては、「まあいいんじゃない?」でしょうか。。。
細かく聞くと、バロックものでのチェンバロ風の響きとかやっぱカツァリスらしくていいなと思うところもあるのだけど、とにかく地味で長い・・・。もし、これからの公演に予定があって、前半間に合わないので行こうか迷ってる人がいたら、
「前半聞かなくてOKっす、後半勝負で!」といえますな。
その他、ボニスは以前、室内楽でやってたりしたけど、ソロは初、ドビュッシーは月の光以外初めてだったりとか、ですかね。
で、後半、なぜかカルメンの前に知らないエクスターズって曲から始めたりして、相変わらずよく分からんわ(笑)
カルメンはカツァリス編曲。PIANO21のCD「111ピアノヒッツ」に収録されていたハバネラは、カツァリス編曲ではなかったので、それも含めてこれは初公開。編曲自体は、カルメン、闘牛牛の歌で、パラフレーズとは言わないまでも、単純な編曲ではない味付けをしてて面白かったですな。
メインは謝肉祭。意外にも、このまま小品プロで終わらせるかと思いきや、ガッツリしたものを最後にもってきてようやくプログラムとしては収まりがいいものに。事前に編曲者は発表されていなかったので、まさかのカツァリス本人編曲か?と思ったら、ガルバン編曲で一安心? 以前の1988年プロで弾いた白鳥は有名なゴドフスキー編曲だったので、これも含めて初披露。こういう曲ってカツァリスに合うと思うんだが、何回か日本で弾いていくうちにもっと良くなるだろうし、これは次回も期待!
今回は即興演奏は冒頭でなく、アンコールで。やはり、フランスと恒例の日本のメロディーでチョイチョイと。
まあ、前半はちょっと退屈だけど、後半は面白いのでトータルでは満足度高し。
10月の聖地・浜離宮公演に期待ですな。
で、いま気づいたんですけど、これって、ドビュッシー没後100年記念公演??? ドビュッシーNo印象!
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