新譜情報:1970年チャイコフスキーコンクールライブ

今週のオーストラリア公演の模様は聞けましたでしょうか。音質はまあまあでしたが、演奏はいまいちでしたかね。もう弾き飽きたようなレパートリーだからか、弾き飛ばしクセが出てたような・・・。

さて、久しぶりに、PIANO21からの新譜情報です。
前々から話はでていた、1970年のチャイコフスキーコンクールライブです。
これは、カツァリス19才のときに出場し、ディプロマ(特別賞?)を受けたものですが、残念ながら入賞は果たしていません。世は冷戦時代の真っ只中、西側のピアニストがモスクワに乗り込んでいくことの意味もいまとはまったく違うようだったらしい。このコンクールでの裏話は、昨年来日時に本人から聞きましたが、今回のCDの解説に自分で書いているそうなので、お楽しみに。

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さて曲目は結構彼のレパートリーとしては珍しいものぞろいです。
まずは第一次予選から。
ショパンエチュードOp25-10
リスト超絶技巧練習曲第5番変ロ長調「鬼火」
ラフマニノフ練習曲「音の絵」Op.39~第1曲ハ短調
チャイコフスキー四季より秋の歌
バッハ前奏曲とフーガ第4番嬰ハ短調BWV.849
ハイドンソナタNo.48
で、第二次予選。
ショスタコーヴィチ前奏曲とフーガ第24番ニ短調Op.87-24
チャイコフスキードゥムカハ短調Op.59
ヤーン・ラーツ トッカータ(エストニアの作曲家によるコンクールオリジナル作品)

ちなみにこのときのチャイコンの入賞者は、以下の通りです。
第1位 ウラジミール・クライネフ(ソ連)、ジョン・リル(イギリス)
第2位 オラシオ・グティエレス(アメリカ)
第3位 アルトゥール・モレイラ=リマ(ブラジル)、ヴィクトリア・ポストニコワ(ソ連)
第4位 アルカージー・セヴィードフ(ソ連)
第5位 ジェイムズ・トッコ(アメリカ)
ウラディミール・クライネフは日本でもおなじみのバリバリのロシア系直系ピアニスト。ちなみにこのクライネフの奥さんはフィギアスケートのコーチで、現在の浅田舞嬢のコーチです。ジョンリルも一応生き残ってるか。。。ポストニコワは、あのゴリゴリの指揮者ロジェストヴェンスキーの奥さん。ジェイムストッコは、この2年後の例の物議を醸したエリザベートコンクールでもカツァリスの1つ上の8位入賞のやつです。目の上のタンコブだったのか。
さらに余談ですが、この年のピアノ部門はさほどですが、他の部門の入賞者はすごいです。
ヴァイオリンの優勝者はあのギドンクレーメル、2位はスピヴァコフと藤川真弓、女声はエレーナ・オブラスツォワ、男声はエフゲニー・ネステレンコと錚々たるメンバー。
しかし、このメンバーを見るとカツァリスって、もうめっちゃベテランなんやなあ、と・・・。

肝心な発売予定は、いつものように日本では未定のようです。突然入ってくるか、がまんできずに海外に頼むか、悩みどころです・・・。
我慢できない方はこちらのFNACか、こちらのALAPAGEへ。送料込みで4500円くらいかかるでしょうが・・・。

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